っていうか働け

~誰からも愛されるエルニーニョ~

春にして君を想う

2008-08-17 02:04:13 | Weblog
 この一年で一番聞いた音楽は小沢健二の「eclectic」(2002年発売)だ。10年前は、やはり小沢健二の「球体の奏でる音楽」だった。この10年で僕は全く成長していないのかもしれない。
 1996年発売の「球体」から2002年発売の「エクレク」まで、何枚かのシングルが出ていて、どれも名曲ぞろいだ。

「夢が夢なら」(1996年)
「Buddy/恋しくて」(1997年)
「指さえも/ダイスを転がせ」(1997年)
「ある光」(1997年)
「春にして君を想う」(1998年)

 私が小沢健二を聞き始めたのは、テレビで「指さえも」を聞いてからだったと思う。笑っていいとものゲストで登場し、ギター一本で歌っていたのを覚えている。
 ジャズテイストの曲が多い中、「ある光」はポップな名曲だ(私はジャズテイストの他の曲が好きなんだけどね)。だけど「この線路を降りたら赤に青に黄に願いは放たれるのか」など、歌詞に宗教的な臭いがして気になっていた。
 そして最後のシングルになった「春にして君を想う」は、当時はさっぱり理解できなかった。スローなメロディとまったりした歌詞は、老人のひなたぼっこを思わせるようで、当時は本当に記憶に残らなかった。
 今この曲を聴きながら、私はいつになったら縁側でお茶を飲みながら、静かなタンゴのような気持ちになれるんだろうか。出家したら悟りを開けるのかな。




五つめの嘘

2008-08-08 00:35:07 | Weblog
 「四つの嘘」というドラマがある。主演は永作博美さんで、41歳の女性4人の物語だ。
 永作さん演じる女性は魔性の女という設定で、短期間の恋愛を燃えるように繰り返している。しかしつぶれかけた古本屋経営で生活は苦しく、高校生の娘と認知症の父親を持つ、華やかさに欠けた私生活だ。この辺がなんともリアルで感激した。
 その永作さんの恋人は20代のボクサーで、減量中は二人で禁欲し、試合が終わった後に求め合うのは最高と永作さんは言う。「彼とのセックスは命がこすれあうほど切実」とも表現する。
 そんなボクサーが怪我で引退の危機に陥り、そのことを永作さんは彼に告げ、あなたはもうボクサーじゃない、だから終わりにしようと話す。怪我がなくてもいずれボクサーでなくなったら別れるつもりだったのか、と聞く彼氏に対し、そうだよと笑って答える永作さんはこの世で最も美しかった。
 恋愛を契約で守ろうとする人間は最低だ。ましてや権力に二人の関係のお墨付きをもらおうなんて人間のクズだ。そんな男たちは全員死ねばいい。そしてそんな女たちは生きて業を晴らすべきだ。どうやって?簡単さ、俺とセックスすればいい。
 だから今月私は友人の結婚式で受付やります。