・スポーツ栄養
この季節、スポーツに軽く汗を流すのに丁度よいこの頃です。ということで、スポーツ選手は、一体どのような食事をしているのでしょうか。
私は、以前にジョギングをしていました。参考にされてもいいのではとうことで、その時の経験も交えながらお話を進めましょう。
基本は、運動、休養、栄養として、普段は、トレーニングの向上、怪我の防止のために栄養バランスよく炭水化物、タンパク質、脂肪、ミネラル、ビタミンの摂取に努めます。練習しながらですから摂取エネルギーは普通の人の倍以上になります。
一般的な成人18歳以上 身体活動レベルI(低い)では、
エネルギー:女性1750~1350kcal 、男性2300~1600kcal たんぱく質:60~50g 脂質:エネルギー比率15~30%(平均50g) 、n-6系(リノール酸など)脂肪酸:7~12g n-3系(αリノレン酸、EPA、DHAなど)脂肪酸:2~2.9g以上 コレステロール:600~750mg未満 炭水化物:エネルギー比率50~70%(240~330g) 食物繊維:15~27g
ビタミンB1:0.8~1.4mg ビタミンB2:0.9~1.6mg ナイアシン:9~15mgNE ビタミンB6:1.2~1.4mg 葉酸:240μg ビタミンB12:2.4μg ビオチン:45μg パントテン酸:5~6mg ビタミンC:100mg ビタミンA:550~750μg ビタミンD:5μg ビタミンE:6~7mg ビタミンK:65~75μg
マグネシウム:270~370mg カルシウム:600~900mg リン:900~1050mg クロム:25~40μg モリブデン:20~25μg マンガン:3.5~4mg 鉄:6.5~9mg 銅:0.7~0.8mg 亜鉛:7~9mg セレン:25~35μg ヨウ素:150μg
ナトリウム:食塩換算7.5~9g未満(4000mg以下) カリウム:1600~2000mg(生活習慣病、高血圧予防に3500mg)
となります。
ジョギング15分程度で80kcalのエネルギーを消費すると計算して1時間で320kcal程度です。フルマラソン42.195kmでおよそ1300kcal以上という計算になり
成人18歳以上 身体活動レベルI(低い)
エネルギー:女性1750~1350kcal 、男性2300~1600kcalに+することになりますので2650~3600kcal必要ということです。
エネルギー源として、炭水化物、脂質、たんぱく質です。
たんぱく質は、赤色筋は多くの血管が走り、酸素を蓄えることができるミオグロビンMyoglobinが多く含まれ有酸素運動に使われる筋肉として持久力がありますが、筋繊維が細く、大きな力を出すことができません。
逆に白色筋は筋繊維は太く、大きな力を出すことができるのですが、酸素を使わずにグリコーゲンを分解するので、疲労物質である乳酸がたまりやすく短時間しか維持できません。
日常的にたんぱく質の多い食事をしている人は、基礎代謝量が高くなります。
ジョギング、マラソンでは、持久走ですのでタンパク質ではミオグロビンが多くなるような食事とします。鉄と蛋白質からなる複合蛋白質を形成している物質です。酸素を運搬する重要な役目があり、呼吸に関与しています。
ビタミン、ミネラルでは、効率よいエネルギー、蛋白源とするために、酵素、補酵素の材料として重要です。エネルギー、たんぱく質の量が多くなるにつれてビタミン、ミネラルの摂取量も増やしていく必要があります。
日本では、まだスポーツ選手のための栄養基準は特に定められていないようですが、摂取エネルギー、たんぱく質に応じた、さらに発汗によっても失われやすいビタミン、ミネラルの摂取が望まれます。
特に激しいスポーツを行なう、成長期の女性では、鉄分の不足によって貧血を起こしやすくなります。他にも、ケイレン、筋肉痛を起こすこともあります。
ミネラルで重要な16種のうち栄養機能食品の表示が認められる(Caカルシウム.Fe鉄.Mgマグネシウム.Cu銅.Zn亜鉛)の一日の上限量について示してみました。
カルシウム:食事摂取基準の上限量2,300mg、栄養機能食品で示される上限量600mg
鉄:食事摂取基準の上限量40~55mg、栄養機能食品で示される上限量10mg
マグネシウム:食事摂取基準の上限量350mg、栄養機能食品で示される上限量300mg
銅:食事摂取基準の上限量10mg、栄養機能食品で示される上限量5mg
亜鉛:食事摂取基準の上限量30mg、栄養機能食品で示される上限量15mg
ビタミンで脂溶性のA、D、E、水溶性ビタミンのナイアシン、ビタミンB6、葉酸が食事摂取基準からの上限量が定められています。
ビタミンA:食事摂取基準の上限量3,000μg(3mg)、栄養機能食品としての上限600μg
ビタミンD:食事摂取基準の上限量50μg、栄養機能食品としての上限が5.0μg
ビタミンE:食事摂取基準の上限量600~800mg、栄養機能食品としての上限150mg
水溶性ビタミン
ナイアシン:食事摂取基準の上限量30mg。栄養機能食品としての上限
15mg
ビタミンB6:食事摂取基準の上限摂取量60mg、栄養機能食品としての上限10mg
葉酸:食事摂取基準の上限量1,000μg、栄養機能食品としての上限が200μg
上記のビタミン、ミネラルでは、サプリメントなどによる過剰症も心配です。
試合が近くなったら即エネルギー源として働く炭水化物中心カーボ・ローディングCarbohydrate Loadingの摂取が求められています。
試合の2、3日前から、穀類の米、小麦中心のご飯、パン、麺類としていました。
野菜類は普段は多く必要となりますが、酵素の成分ともなりエネルギー源に変える働きがあることから普通量はとりたいですね。蛋白、脂質源は、押さえ気味とします。
大会の試合直前は、満腹にしないこと、2、3時間前には、食事を終わらせておくこと。せいぜい直前にはお腹にたまらない飴、スポーツドリンク類の軽食としましょう。私は、バナナが一番手っ取り早く手軽に利用できるとして用いていました。ノド越しもよく市民マラソンではよく給水ポイントに置かれています。
スポーツをするときでも量的に多くなりますが、常日頃は、栄養バランスのよい食事が求められます。
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