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「カロリーヌ」 について

2014年01月21日 | 絵本

私が子供の頃、父がよく絵本を読んでくれました。
幼い頃は父が選んだ絵本を、少し大きくなってからは書店で私が選んだ本を。
昔のことなので、現代ほど本の種類も多くはありませんでしたが、
今に至るまでずっと大切な“宝物”として持っている数冊があります。
ここで紹介する、「カロリーヌシリーズ」はその中でも“最も”のお気に入りな
絵本です。
かなり思い入れがあるので、くどく紹介してしまうかもしれませんが、どうかご了承下さい。





『カロリーヌ』シリーズの作者、ピエールプロブストは、フランスで最も人気のある童画家です。
彼の作品には、必ずカロリーヌという、かわいい、そしていたずらな女の子が主人公となって
登場しますが、これは彼の愛娘、シモンヌ・プロブストがモデルだといわれています。

プロブストは、童画をかきはじめる前には、本格的な絵画に専心するかたわら、絹織物の下絵や、
広告図案や、商業写真の修整などをして生活をしていましたが、童画をかこうというきっかけに
なったのは、ほかならぬシモンヌのためでした。

シモンヌが五歳になったころ、わが子や、同じくらいの他の子どもたちにも、いい絵本を見せたいと
決心して、自分でお話を作って絵をかいたのが、『カロリーヌシリーズ』です。

彼はたいへんな子ども好きで、一連の作品『カロリーヌシリーズ』には子どもに対するあふれんばかりの
愛情が、カロリーヌとそのお友だちの動物たちをとおして、全ページにみなぎっております。
作者は画家としても秀でた才能があり、どの場面にも豊かな芸術性が感じられ、子どもたちの心を
いっそう高くひきあげてくれます。

彼の絵は、正確な観察が基礎になっており、動物たちの習性や動作が、表情豊かに、生き生きと
描かれています。
また、どの場面にも子どもを実によく理解し、観察していることが強く感じられますが、これもまた
子どもたちに人気のあるゆえんです。

『カロリーヌシリーズ』は、子どもたちが描く行動や空想を動物たちと共に、十分に表現してくれています

以上、巻末の「―画家紹介―より」