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カロリーヌのせかいのたび (ほっきょくへいったカロリーヌ)

2014年08月03日 | 絵本

『ほっきょくへいったカロリーヌ』から
☆数ページ抜粋してご紹介いたします。


る ひ、カロリーヌたちは、どうぶつえんへ いきました。
すると、あかちゃんの くまが、いわの うえで ないて いるのでした。
「えええん えんえん。 おかあちゃん、 おかあちゃん。」
カロリーヌたちは、あかちゃんぐまを かこみました。
「きみ、きみ、なぜ ないてるの。」
「ぼく、おかあちゃんの そばへ かえりたいんだよう。
ぼくの なまえは、 プッカだよう。 おふねの ひとに つかまって、ここへ、 つれて
こられたんだよう。」
カロリーヌは、ないて いる あかちゃんぐまが かわいそうに なりました。
「なくのは およしなさい。わたしたちが、おかあさんの ところへ、 つれてって あげるわ。
ピポ、なげなわで プッカを つるして、 そとへ だして ちょうだい。」
まもなく、へんな れつが すまして、どうぶつえんから でて いきました。


ロリーヌたちは、プッカを つれて、きたの くにへ いく かもつせんに のりました。
「せんちょうさん。わたしたちは、いちばで、ふるい ひこうきを かって きたのよ。その ひこうきも
のせてって ちょうだい。」
「こまったなあ。ふねは にもつで いっぱいだよ。では、しかたが ないから マストの ところへ つるして いこう。」
そらに、おひさまが のぼったり、おつきさまが でたり して、いくにちも きたの くにへと すすみました。 
すると、かぜが つめたく なって、こおりの しまが きらきらと みえて きました。
あかちゃんぐまの プッカは、とびはねて よろこみました。
「ぼくの くにが ちかく なったよ。 おかあちゃんは あっちだよ。」


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すると、ありがたいことに、エスキモーの ひとたちが、ちかくで あざらしを とっていました。
「えいさ、えいさ。」と、ふねを こいで、たすけに きました。
「みなさん、この ふねに のりなさい。」
「ありがとう、たすかった。」と、カロリーヌたちは、ふねで エスキモーの むらへ つれられて いきました。


らの ひとたちは しんせつで、カロリーヌたちの かんげいかいを ひらきました。
「さあ、ごちそうを たべなさい。いぬの せなかに のりなさい。」
「けんだまで、たのしく あそんで ください。」
「ごちそうは、こちこちに こおった くじらの にくでした。 けんだまは、くじらの ほねでした。
いぬは おおきくて、こわくて のれません。
けれども、ユピーは おれいを いって、せっけんを あげました。
すると、おんなのこは、かりかりと たべて しまいました。


ても さむくて、くるしい たびが いくにちも つづきました。
にっきを かく カロリーヌの ゆびも まつげも、こちこちに こおりました。
「やっ、くまの あしあとを みつけたぞ。」
「プッカの おかあさんのかも しれない。」
「ここに、こやを つくって さがそう。」
みんなは、ちからを あわせて、まるい こおりの こやを たてました。
プッカは うれしくて なりません。
「おかあちゃんの あしあとだと いいな。おとうちゃんは おこりんぼだから いやだ。」

 
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「うわあ、あいつが こおりに のったんだ。」
「こわいなあ。あいつは なんだろう。」
「しろくまだったぞ。」
「ぼくたち、みんな たべられて しまうぞ、」
「ふるえながら かたまりあって いると、 おおきな くまの かおが、いりぐちから のぞきました。
もう だめだ。 こう おもった とき、あかちゃんぐまの プッカが、 はねあがって さけびました。
「あっ、おかあちゃんだ。おかあちゃんだ、おかあちゃんだあ。」
そのこえと いっしょに、 そとからも、 やさしい うなりごえが きこえて きました。
プッカは それを きくと、 ひとっとびで、 こやの そとへ とびだしました。

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 ☆北極編は、幼児の私にとって、特段に不思議な、理解に苦しむシーンばかりでした。
船の上で、モクモクとした二人の息は綿アメに見えるし、彼らが履いている長靴(雪靴?)の形状、
なぜ火に炙っても燃えないのか・・・

一番の不思議は、エスキモー達の漕いでいるシーカヤックでした。
彼らの下半身はどこにあるのか・・・

せっけんを食べてしまう、エスキモーの女の子・・・
まつげが凍るとは・・・?!いったいどれほど寒いのか・・・

もちろん、いづれの「不思議」は生長するにつれてひとつづ理解出来てきましたが、

「外国には不思議な場所がたくさんあるんだなあ・・・」と感慨深く、
「カロリーヌのせかいたび」は、大きくなってからも何度も読み返していた絵本です。