悲しき通学列車･･･『汽車通』がステイタスだった頃

　珍しく人をお迎えするので大掃除していたら､山形カンセン全通前の平成２年に50系客車10連を撮った時のポジが出てきたので､早速ピンが合ってるかを確かめてからサルヴェージしてみた｡

1440ﾚ　ED75 753牽引｡

　しかし外から眺めるのと乗ってみるのとではとても大きな違いがあった｡
　俺らの世代､山形市内にある各高校に通学する連中は１番列車の440ﾚか､２番列車になるこの1440ﾚに乗って通学していた｡キャピタルシテーの公立校は大方が大学進学校で､俺なんかもそれにあこがれて勉強していたが､如何せん内申が悪くて地元のガッコに進学することになり､奴等を羨望の眼差しで眺めることになった｡
　卒業して｢自宅浪人｣いわゆるプーの身になってから１回か２回､1440ﾚに乗ってキャピタルシテーに行くことがあった｡当然地元の楯岡(現在の村山)から座って出掛けた訳だが､すぐ隣の駅から乗ってきた山形○高の生徒らから冷たい視線を浴びた｡どうも俺の座ってる席が彼女らの｢指定席｣らしい｡あまつさえ隣に座るのも嫌と言わんばかりにずっと立っていて､通路側の空いた席には誰も座らない｡何だひどいもんだな､全車両10両は自由席だろ？それで隣は嫌だとか､俺はヒトデナシか？正直傷ついたのはいうまでもない｡
　この問題は俺に限った話ではなく､50系が走ってたJR線各地で言われてたことだと聞いたのは､俺が入局して数年たった平成一桁年間中頃のこと｡
　701系電車"走ルンです"が入線するようになり｢何でまだ20年も使ってないのを潰す？｣と仲間内で疑問になったのだが､誰でも座れる筈の自由席が｢指定席｣状態になってて見苦しい､いっそのことロングシートにしてしまえ､というのがその理由だと知った時は､流石に呆れた｡これから大学行って社会人になって故郷の模範になる筈と期待された人間がこれでは｡尤も｢自分の身に降りかかること｣でもあるから､流石にざまぁみろとは思わなかったが｡
　廃止されて701系電車に置き換えられた後は２＋２＋３の７両編成に換わって､山形新幹線全通の時の改正で新庄～山形間で朝の電車で増発があって､編成両数も減った｡