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尽きぬ議論 - 改正臓器移植法

2009-07-13 | Weblog
 脳死を一律に「人の死」と位置付け、臓器提供の年齢制限を撤廃する改正臓器移植法(A案)は13日午後の参院本会議で可決、成立しました。

 身近に子どもの臓器移植でアメリカ渡航等大変苦労された事例を見ていただけに、15歳未満の子供からの臓器提供が可能となる点については評価できるし「解散風」が吹き荒れる中で、廃案になってまったく振り出しに戻るということにならなかったのは良かったと思います。

 ただ一律に「脳死は人の死」となることについては、臓器移植の問題だけでなく、脳死と判定された場合に家族が治療の続行を望んだ場合に様々な問題が起こりそうで(治療は続行されるのかどうか、また、医療保険の扱いはどうなるのか等々)、大変気になります。
 本人や家族が脳死判定を断ることもできるそうで、法案の提出者は「法的には脳死が人の死となるのは臓器提供の場合だけ」と説明しているようですが、現実の医療現場でどのような状況になるのか、注目していくことが必要だと思います。

 それにしても、採決の順序が微妙に影響したような気もします。
・A案に先立ち、A案の骨格を残しながら臓器移植する場合に限り脳死を「人の死」とするAダッシュ案は反対多数で否決(投票総数207票、賛成72票、反対135票)
・A案については、投票総数220票のうち、賛成138票、反対82票。

 A案に賛成した中には、そもそもAダッシュ案を推していたものの、Aダッシュ案が先に否決されたため「子どもへの臓器提供」という点を重視して賛成に回った議員がいる可能性もあると思います。
 もし、A案を先に採決したとしたら、その方々は恐らくA案に反対にまわり(29人以上が反対に回れば否決)、否決されたかもしれません。
 そしてその後Aダッシュ案の採決となれば、もともとA案を推していた方のうち32名以上が、やはり「子どもへの臓器提供」という点を重視して賛成に回れば、可決されたかもしれません。

「もしも…」を行っても詮無いことですが、このように直接人の生死に関わる問題、もう少し慎重な審議とともに、採決の工夫があっても良いような気がします。

 決定したとは言え、これから運用していく中で支障が出てきた場合には、固執することなく、見直しについて議論して欲しいと思います。

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2 コメント

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としとしさん (★suika★)
2009-07-13 21:16:59
難しいです。
うちのおばあちゃんも脳梗塞で植物人間に・・
いわゆる脳死です。
が・・・残された家族からしたら生きてそこに存在しています。
医学的から見た脳死でも、家族側にしたら生きています・・そういうことも決して忘れずにこれからもこの問題は充分に論議していってほしいです。
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両方の立場を (としとし)
2009-07-14 10:04:10
大事にしなければと思います。
決して、提供を迫られて(無言での圧力のようなものも含めて)ご家族が苦悩するというような状況を生み出してはいけないと思います。
法律ができて終わりではなく、これからも国会で議論を続けて欲しいですし、マスコミには様々な情報を伝え続けて欲しいと思います。
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