エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

乙部岳 (1017m)

2022年12月14日 | 山紀行 (道南)
※ ブログ開設前の山行記をアップしました・・・
この年初登頂40座目の1000m超峰 乙部岳 (1017m)
■ 山 行 日      2007年11月10日 (土)
■ ル ー ト      姫川沢コース~尾根コース
■ メ ン バ ー       夫婦登山 №37
■ 登 山 形 態       登山道
■ 地 形 図      1/25000地形図   「乙部岳」
■ 三角点・点名     一等三角点   点名「乙部岳 オトベダケ」
■ コースタイム     登り 2時間56分   下り 1時間33分
<登り>      
06:48          登山口出発
07:21          行者洞
07:35          2合目 (九郎嶽社分岐)
08:15          小尾根取付き
09:13          稜線
09:25          8合目 (憩岩・尾根コース分岐)
09:42          乙部岳 (1017m) 頂上

<下り>
09:52          下山開始
10:08          8合目分岐・尾根コースへ    
10:56          3合目 (九郎嶽社分岐)
11:25          祠線 (尾根コース) 登山口
11:33          駐車地到着




★ アプローチ・・・
国道 229 号線乙部町鳥山から小茂内川沿いの道道 461 号線 (出合には乙部岳登山口の標識あり) に
入り、道なりに進むとやがて姫川沿いの道道に出る。途中にも「乙部岳登山口」の看板があるので
従って走ると砂利道となり 5.6 kmほどで沢コースの登山口に着く。道路両脇には比較的広い駐車ス
ペースがあるが、4~500m 先の尾根コース登山口にはもっと広い駐車帯とトイレが完備されていた。
コース的には、変化のある沢コースから登り、下りに尾根コースを利用すると楽であり時間も短縮
できる。

この日、沢コースから入ってすぐに熊の糞に遭遇・・・登山道を辿る足跡も確認したので熊除け対
策も必要だろう。


★ 2007年長いアプローチにもめげず、三度道南へ・・
【11月09日 (金)】
晩秋から初冬の季節となり夏道の登山となると山域を選ぶのに苦労するが、1000m 峰を目指す最後
の夏道を選ぶとすればまず道南しか頭に浮かばなくなった。その道南には 7 月の駒ケ岳と冷水岳、
10 月の白水岳に続く今回で三度目の長いアプローチをひた走る。

仕事を終えて帰宅するとすぐに出発準備をする。天気予報はあまり思わしく無いが先ずは現地へと
いうのが、いまの私スタイルだ。当初は「横津岳・袴腰岳」を最初に登って、次に乙部岳の予定だ
ったが、10 日はくもり11 日は雨予報だったので難しい山を先に挑戦することにした。

13:10 自宅を出発。
10 月の白水岳と同じルートを辿り熊石から国道 229 号線を南下して乙部町に入る。今日の宿泊地
は乙部町の道の駅「ルート 229 元和台 (げんなだい) 」だったが、営業がすでに終えていて閑散と
した寂しい道の駅だった。時間もまだ18:00 頃だったので地元の温泉に入ろうと、おとべ温泉「い
こいの湯」に向かった。100% 天然温泉で広い大浴場と露天風呂に浸かって温まり再び道の駅を目
指して出発する。しかし、あまりに寂しそうで国道にも近い道の駅だったので、「登山口まで行っ
て見るか」と夫婦の会話になった。

乙部町鳥山 (とりやま) から小茂内川沿いの道道出合に乙部岳登山口という標識がありそれに従って
走る。慣れない土地勘で不安もあり何度か迷ったりしたが、道道途中にも登山口への看板があり辿
って見るとなんとか登山口に着いた。その近くには駐車スペースも見付けて駐車した。19:30 の到
着である。国道から約16 kmあった。風も弱く星空だったので明日の好天を期待して安着の儀へと
移行する。

メインディッシュは、「こてっちゃん」・・モヤシと長ネギ、マイタケそして最後にうどんを入れ
ての豪華鍋だ。前菜には地元産の大判油揚げとウインナーをフライパンで空焼きし酒の肴となった。
毎回の夫婦の会話も山談議中心だが、№37 を数える山行に感謝するとともに今回の長いアプローチ
にもめげず、初ピークを目指す二人の気力に幸せも感じながら夜は更けていく・・・22:10 就寝。




★ 想定外の風雪山旅・・・
【11月10日 (土) 】 怪しいくもり・・・
5:15 起床。
外に出て昨夜見えていなかった駐車場全体を確認する。比較的広い駐車スペースと間違いのない登
山口も確認してひとまず安心する。いつものようにコーヒーを落とし、パックライスにレトルトカ
レーで朝食を済ませる。

6:48 登山口出発。
蝦夷スギ林の薄暗い登山道を歩き始める。すっかり落葉した広葉樹の葉がジュータンのような登山
道を造っていた。しかしすぐ山親父の糞を発見・・眠い眼が一気に目覚めて緊張感が走る。盛んに
笛を吹きながらやがて沢沿いの登山道を辿った。
7:21 突然のように目の前に現れた巨大な石は「行者洞」だったが、ガイド本で見るよりは小さく感
じた。



「行者洞」


行者洞からすぐの沢が最初の渡渉となる

7:35 行者洞を過ぎてすぐに最初の渡渉があり、左岸から右岸へ渡る。二合目の標識と共に登山道の
分岐となり左へ「九郎嶽社跡」と右へ「乙部岳」の標識があった。ネット上からプリントアウトし
た山行記を読み返すと九郎嶽社の方向は急登が続き何も無いというコメントだったので、右の乙部
岳へ進む。沢は姫川の支流で無名沢のようだが、清流で気持ちのいい小沢だ。渡渉も登山靴を濡ら
さずに容易に渡ることが出来る。尾根に取付くまでこの沢沿いを辿るが渡渉は9 回あった。
8:15 沢から離れはじめ小尾根の取付きとなる。この頃、空の様子が一変し白いものが風を伴って降
って来た。

取付き付近から正面を見上げると遥か上に目指す稜線と右手に格好の良い「九郎岳(970m)」が確認
出来る。しかし、それ以上に一つの岩塔が稜線上に目に付く。急峻な斜面もなだらかにジグを切り
ながら少しずつ高度を上げて行く。同時に雪は本格的となり登山道や周りの木々も白くなり寒々し
い登山となった。
稜線に出てからの山行が危惧されるが、無理をせず行けるところまで・・で続行する。



尾根に取付いた登山道・・雪が降っている


巨大な岩塔は稜線の少し手前にあった


尾根の取付き付近から望む「九郎岳 (970m) 」が格好いい・・


岩塔の左側をかすめて登山道を辿るが笹が白く色づく雪模様


風雪の稜線を歩く・・・

9:13 視界の無い中、突然稜線に出る。予想通り風雪の稜線となり厳しい登行が待っているのかと
思ったが、稜線上は比較的平坦できれいに刈り分けされた登山道で歩き易かった。所々笹原が風
除けになってくれたので息をつけた。それでも視界はゼロに近く右側の東斜面から吹き付ける風
雪が頬に突き刺さる。慎重にそして小走りに辿ると 9:25 八合目の標識がある分岐に着いた。

右に「乙部岳」の標識はあったが、左の登山道には標識が無かった。地図と照らし合わせると尾
根コースとの分岐だが、ネット情報ではここを「憩岩分岐」と呼んでいるようだ。


★ 今季未踏1000m超峰 40座目の乙部岳・・・
9:42 遂に「乙部岳」頂上に到着。
相変わらず視界はほとんど無く景色も全く無い。頂上標識とその前には立派な方位塔があるだけ
である。薄く積もった雪を払い示された方向の山々を想像する。頂上近くの大きなレーダードー
ムには作業車が止まっていて工事をしているようだった。

9:52 登頂の証拠写真を撮って早々に下山開始。再来はいつのことか・・・。
山座同定もかなわずただのピークハンターだった。来た道を八合目分岐まで戻り不安な尾根コー
スを辿る事にした。視界の無い中、地図を読むと一応納得の方向に降りて行く。きれいに刈り払
われた笹原の登山道にはダケカンバやブナの枯葉が敷き詰められ(まるで黄金色のジュータン) 下
れ下れの急こう配でスッテンコロリ。以降慎重に降りる・・・。

下るに連れて雪はみぞれに変わり後雨となって登山口に着く。
距離は短いが登りでは使いたくない急登ばかりのコースだった。でも全体的にはしっかりとした
整備された登山道で下りのコースとしてはお勧めだと思った。山頂から1 時間30 分足らずで登山
口に着けるのも嬉しい。この登山口には鳥居もあって「祠線」という標識があったが、一般的に
は尾根コース登山口だと思う。またここから沢コース登山口までは林道を約 400m ほど歩くと着
くので沢コースから登って尾根コースを下りる周回ルートがお勧めだ。

登山口に着いて雨は本降りになったが、今回も満足の山行で無事下山した。





山頂標識前の方位塔


吹雪となった「乙部岳 (1017m) 」初登頂 2007.11.10 ・・・恐らく初雪かと?


頂上に建つレーダードーム・・・


雨で雪は融けた登山路に変わっている・・・


下山した尾根コースの登山口の裏


尾根コース登山口の表


※ 編集を終えて・・・
乙部岳を終えて、翌日は「横津岳~袴腰岳」を予定していたが雨天のため中止となり帰宅している。
未踏となった横津岳には、翌年の9月末に再来し初登頂した。



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