エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

カスベ岳(1049.2m) ~ メップ岳(1147.2m)

2009年04月08日 | 山紀行 (道南)
狩場山山魂・・・
カスベ岳(1049.2m)メップ岳(1147.2m)
■ 山 行 日    2009年3月28日(土)~29日(日)  <山行は日帰り>
■ ル ー ト    吊り尾根ルート
■ メ ン バ ー     sakag、エバ、チーヤン 夫婦登山 №14
■ 登 山 形 態     山スキー&アイゼン
■ 地 形 図    1/25000地形図  「カスベ岳・メップ岳」


sakagさんのGPSログをお借りしました・・・

【3/28(土)~29日(日)】
★ スペシャルサポーター・・・


C840 吊り尾根分岐から望む カスベ岳

兼ねてから道南地方の懸案事項になっていた「カスベ岳」と「メップ岳」だったが、こ
んなに早く登れるチャンスが訪れるとは夢にも思っていなかった。それが実現へのプロ
ローグとなったのは、紛れも無くHYMLの入会と「一人歩きの北海道山紀行」sakag
さんとの出会いから始まったことは間違いない事実だ。
そしてまた、この計画に同行をしてくれるというスペシャルサプライズもエバ夫婦にと
って大きな喜びと興奮の渦中に包まれた驚きでもある。


【3/28日(土)】
★ 待ち合わせとルート・・・
今金町・利別目名川右岸沿いの林道。最終除雪地点17時集合・・・と打合せをして自
宅を出発する。
8年前のsakagさんの記録では吊り尾根に取付く南尾根の末端(カスベ沢出合左岸付近)か
ら1.5km手前まで車で入れたようだったが少し不安だったので早めに家を出た。
今金町の市街地を過ぎ現地入りしたのは2時間も早い15:00だったが、不安は的中。
最終除雪・・というより真新しい立派なゲートが林道手前の交差点に作られていた。
ここからだと取付きまで約4kmあった。しかし、ゲートの先の林道は除雪されている
ようで少し気は楽だった。

登行ルートは、カスベ沢左岸側の吊り尾根に繋がる南尾根末端から取付き、両山の吊り
尾根に合流点から両山をピストンして往路を下る計画だ。

待ち合わせまで・・時間があるので今金町市街地に戻り、町営公共温泉「あったからん
ど」で温まり再びゲート前に陣取った。


★ 前夜のバースディーパーティー・・・

17:00時間通りにsakagさんが到着し久々のうれしい再会だった。妻のチーヤンに
とっては、初対面となり挨拶を交わす。

このゲートの事はsakagさんも知らなかったようで、明日はまず4kmの林道歩きから始
めよう・・と5:00出発と決めて登山口安着の準備となる。
本日はsakagさんの65歳の誕生日と知っていたので、祝福の意を込めて気持ちながら小
さなバースディーケーキを用意して席に着いていただいた。場所は「居酒屋ハイエース」
の特等席である。持ち寄ったビールで乾杯とバースディーソングで安着の儀が始まった。
メイン料理は、チーヤン特製・恒例の具沢山元気鍋だ。念願だったsakagさんとの一献も
実現し楽しい山談義とsakagさんの人生談義に華が咲く。しかし、明日早朝の出発に備え
て20:00過ぎには終了しそれぞれの床で就寝した。


【3/29(日)】
起床3:30。
5:00夜明け前、山スキースタイルでの出発である。
薄っすらと明るみの先には目指す山の稜線とメップ岳が見えてきた。



出発して早々、林道から目指すメップ岳の頂上稜線が見えてくる・・

林道の除雪は丁度4km歩いた取付き尾根の末端で終了していた。
ここはカスベ沢出合地点で「名水橋」を渡った地点が除雪終点である。6:35着。
少し休憩をした後カスベ沢左岸の林道跡を少し進み尾根の末端に取付いた。トドマツ林
が密集する急斜面をジグを切りながら登り15分ほどで尾根上に出た。尾根上は一転し
てブナ主体の疎林帯で幅広く、傾斜も緩く歩き易い。



林道を先行するsakagさんとチーヤン・・前方にはメップ岳も見えている


ブナの幅広い尾根を登る・・・


吊り尾根合流手前から望むカスベ岳


吊り尾根分岐から望むメップ岳と西尾根・・


吊り尾根分岐でカスベ岳を背に・・・


3/29 初登頂 カスベ岳(1049.2m)頂上にて・・・

吊り尾根分岐には、8:25に着く。南尾根の登り約1時間50分だ。吊り尾根からカ
スべ岳とメップ岳をそれぞれピストンする。近いカスベ岳の往復は1時間前後と見てザ
ックをデポすることにした。地図上のC858を経由し870m付近から急斜面となる
が新雪のお陰でジグを切りながら登ると何とか1000m付近の支尾根との合流地点に
着く。小さいが雪庇が張り出しているのでより小さい雪庇を選んで越え頂上直下の稜線
に登る。あとは雪庇に注意しながらもひと登りで念願のカスベ岳に着いた。
9:20である。林道歩きを除いて登り2時間35分での登頂となる。直下の稜線では
ガスが立ち込めて来て一時は登頂すら心配したが頂上に着くと次第にガスが消え眺望を
見せてくれた。ただ次のメップ岳には厚い雲がかかり喜びもひとときである。また、狩
場山にも大きく雲がかかってその雄姿を見られなかったのも残念だった。



カスベ岳頂上直下の稜線を下る・・


カスベ岳の下り・・

★ メップ岳の雲も次第に消えて快晴に・・も

下りは早くアッと言う間の15分でザックデポ地点である。
シールを付けたままでも東斜面の下りは面白かった。10分程休憩して次はメップ岳へ
のスタートである。分岐の標高は約840mでここから約740mの最低コルまで一気
に滑り降りる。そして、左右に雪庇が張り出す痩せ尾根を登る。



最低コルからメップ岳への登りに差し掛かる (写真提供 sakagさん)


雪庇の発達した痩せ尾根を登るsakagさん・・

8年ぶりに訪れたsakagさんは、以前見た尾根の様子と違うのか左右に張り出した雪庇と
痩せ尾根に驚きと緊張を覚えたようですが、エバはちょっと疲れが出てしまって緊張感
を覚えるほどの気持ちに余裕が無くなっていた。


★ 約970m地点でザックデポを提案・・・
             エバは不調だった


約970m地点、ここにザックをデポして空身で登る (前方はメップ岳)

リードはsakagさんとエバで交互に登ったが互いに疲れはあってペースが上がらなかった。
特にエバは、急に不調となり背負うザックが異常に重く感じ足が重かった。無理をせず
ここにザックをデポしたいと提案する始末だ。そして、空身となって再びメップ岳を目
指した。しかし・・・


★ 予期していないアイスバーンに遭遇・・・

いよいよ頂上への急斜面の登りに差しかかった標高約1005m付近で斜面の全体がア
イスバーンとなりスキーのエッジも利かない程の硬い斜面と遭遇した。ここで転ぶと死
を予感する怖い場面となる。少し前を登るsakagさんにザックデポ地点まで戻りアイゼン
に履き替えて登りたいと提案した。すぐに了解してくれたが・・。

sakagさんのアイゼンは吊り尾根分岐にデポしていた・・ため、そこまでの往復にはかな
りの時間を要する事となり、結局sakagさんは登頂を諦めて970mザックデポ地点にて
エバ夫婦の登頂、下山を待つ事を決断した。
申し訳ない気持ちで一杯だったが、「一度登頂しているから」という優しい言葉に甘えて
再び頂上を目指した。嘘のように軽快に登れる急斜面をほぼ真っ直ぐに直登する。次第に
雲が消え、ふと振り返ると雲に覆われていた狩場山の全容が顔を出した。
大きな声でsakagさんに知らせると大きな〇を腕で表してその顔が笑顔に見えた。(実際に
は表情など見えないほど離れています)


★ ついに 登頂! メップ岳・・・


二人だけの登頂となった メップ岳(1147.2m) ・・・


メップ岳頂上からカスベ岳を望む


メップ岳頂上から狩場山を望む・・最高にラッキーである

12:33メップ岳頂上に到着。登頂用に持ち上げたコーラで早々に乾杯と握手をする。
苦労しつつも大いに助けられ達成した登頂に感謝して暫しの眺望を楽しませてもらった。
そして12:40下山を開始しsakagさんの待つデポ地点に下りた。

再びスキーに履き替えて痩せ尾根もシールを付けたまま滑り降りた。最低コルから吊り
尾根分岐手前で南斜面をトラバースし南尾根に取付いた。sakagさんはアイゼンとピッ
ケルをデポしていたので分岐まで登り、シールを外して滑ってきた。朝の雪とは違い快
晴となった雪面は少しザラメ状となり重くなっていた。シールを付けたままのエバ夫婦
は、sakagさんに先行していただき最後まで気を使わせてしまったかも・・。
最後のトドマツ帯は急斜面はスキーを脱いでツボ足で下りあっという間に林道に出た。
そして再び4kmの林道を歩きゴールインである。

15:30・・トータルで10時間30分に及ぶ厳しい山行となってしまったがエバ夫
婦にとっては充実した山行となり同行していただいたsakagさんに感謝するばかりであ
る。本当にありがとうございました。そしてお疲れ様でした。

帰路では、今金町の温泉「あったからんど」で疲れを癒し解散した。
天気予報が当たりこの後雨が降り出し一時本降りとなった。


sakagさんのHPへ

※ 2020年2月7日再編集してアップしました・・・


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございました (sakag)
2009-03-30 13:21:57
昨日はお疲れさまでした。
このような光栄な書かれ方をして、面はゆい感じです。
かえって、いろいろお気遣いをいただき、また、判断ミスのアイゼンデポで折角のお二人の登頂感に水を差してしまい、申し訳ございませんでした。
それにしても、天気は当てましたね!

4/1のアップ楽しみにしています。こちらは、すでにアップ済みです。
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ようやく・・・ですね! (sakag)
2009-04-14 15:31:02
待ちに待ったアップ作業、お疲れさまです。
当日の感激が再び戻ってきました。
アイゼンデポは、かえって気遣いをさせてしまい、申し訳ございませんでした。

ようやくこちらのページとリンクを結ぶことができました・・・(笑)
http://sakag.web.infoseek.co.jp/
kas-mep09.htm
返信する
お待たせしてスイマセン (エバ)
2009-04-14 16:06:17
sakagさん 
早々にコメントありがとうございます。

遊びのスケジュールと仕事が交互にやって来て更に夜の酒を飲まずに居られずついつい作業の手が止まる始末でした。ほんとうにお待たせでした。なんとか済んで次の紀行にも少し余裕です。
リンクありがとうございます。
次の機会を楽しみにしています。
活躍ぶりいつも恨めしく拝見してます。
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