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motoの徒然なるままに…

日々是好日日記

「徒然草 第百五十五段」

2025年04月17日 | 日々徒然
⬛️🟦徒然草 第百五十五段🟦⬛️

徒然草の中でも、小生が好きな段です。「死ぬる事のみ、機嫌をはからず。ついで悪しとてやむことなし」と世の無常を説き、「必ず果し遂げんと思はん事は、機嫌をいふべからず。とかくのもよひなく、足を踏み止むまじきなり」と即行動せよと述べてます。圧巻は「死は前よりしも来らず、かねて後に迫れり」というフレーズ。この一文はいつ読んでも胸に突き刺さります。「思い立ったら吉日」吉田兼好先生の生き方に共感します。

【現代語訳】
一番の処世術はタイミングを掴むことである。順序を誤れば、反対され、誤解を与え、失敗に終わる。そのタイミングを知っておくべきだ。ただし、病気や出産、死になると、タイミングなど無く、都合が悪くても逃れられない。人は、この世に産み落とされ、死ぬまで変化して生き移ろう。人生の一大事は、運命の大河が氾濫し、流れて止まないのと同じなのだ。少しも留まることなく未来へと真っ直ぐ流れる。だから、俗世間の事でも成し遂げると決めたなら、順序を待っている場合ではない。つまらない心配に、決断を中止してはならない。 春が終わって夏になり、夏が終わって秋になるのではない。春は早くから夏の空気を作り出し、夏には秋の空気が混ざっている。秋にはだんだん寒くなり、冬の十月には小春の天気があって、草が青み、梅の花も蕾む。枯葉が落ちてから芽が息吹くのでもない。地面から芽生える力に押し出され、耐えられず枝が落ちるのである。新しい命が地中で膨らむから、いっせいに枝葉が落ちるのだ。人が年老い、病気になり、死んでいく移ろいは、この自然のスピードよりも速い。季節の移ろいには順序がある。しかし、死の瞬間は順序を待ってくれない。死は未来から向かって来るだけでなく、過去からも追いかけてくるのだ。人は誰でも自分が死ぬ事を知っている。その割には、それほど切迫していないようだ。しかし、忘れた頃にやってくるのが死の瞬間。遙か遠くまで続く浅瀬が、潮で満ちてしまい、消えて磯になるのと似ている。
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