


小津安二郎監督、笠智衆主演の1953年制作の日本映画。1953年11月3日に松竹の配給で公開された。昭和28年度文化庁芸術祭参加作品。
イギリスの権威ある月刊映画専門誌『Sight & Sound』2002年版の「CRITICS' TOP TEN POLL」では、年老いた夫婦が成長した子供たちに会うために上京する旅を通して、小津の神秘的かつ細やかな叙述法により家族のつながりと、その喪失という主題を見る者の心に訴えかける作品、と寸評を出している【Wikipedia】
何回も睡魔と戦いながら、ようやくモノクロ136分をDVDで見ました。今週17日に山田洋二監督がリメイクした「東京家族」が当社主催で試写会がありますから、本編を見ておきたいと思ってました。1953年という戦後まもない昭和がバッググランドになってますが、小津監督は早くも核家族化を見抜いていたのにはびっくりしました。肉親よりも血の繋がらない他人のほうが頼りになるという現実的な視点もさすがローポジションのカメラアングルならではの監督目線だと感じました。戦後の昭和の家庭や街並みなど懐かしいシ-ンがモノクロで一層郷愁を誘いました。未亡人役の原節子さんは「永遠の処女」と言われたように輝いていました。次女の教員役香川京子さんもピチピチして作品に明るさを感じました。主演の笠智衆さんは映画寅さんの帝釈天の和尚さんを連想しますが、飾らない燻し銀の演技でした。リメイク版の山田洋二監督「東京家族」が楽しみです。
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