脚本の橋本忍は、当初群馬県の温泉地で撮れないものかと考えていた。しかし野村芳太郎や森谷司郎と八甲田の山々を歩いて見て、ここで撮るしかないと考えを変えた。野村芳太郎から「映画には空気が映る」と言われていたからという。
実際に真冬の八甲田山でロケを敢行し、日本映画史上類を見ない過酷なロケとして有名になった。遭難現場は八甲田山北東斜面だが、ロケは八甲田山北西の寒水沢、酸ヶ湯温泉付近や岩城山の長平、奥入瀬などでも行われた。実際に数名の俳優がその過酷さに耐えられず脱走した。
主役の高倉健は3年に渡る撮影に集中するためマンションと所有するメルセデス・ベンツ・SLを売却した。この過酷な撮影は当時カメラマンだった木村大作にも大きな影響を与えたと言われている。また、高倉健もこの撮影で足が軽度の凍傷になってしまったという。
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