
元KGBのプ-さんは、カメラの前では無表情を振舞っているが、実は取り留めないほどの冗談好きなんだそうです。諜報員時代の上司から「お前は冷静すぎる」と言われたことがありましたが、この逸話もプーさん自身にかかると「本当は『お前のようなおしゃべりはシュピオン(スパイ)には向かない』と言われたんです」になってしまいます。ハラショ!
新たなロシアの顔は、別の風刺の形を作り出しております。
こうしたロシアの笑いにおいて最も一般的な形式が「落ち」をもった小話であるアネクドートです。典型的なアネクドートは、固定化された設定とお馴染みの登場人物をもった一連のカテゴリーからなっており、意外さの効果は、言葉の上でのプロットや役割の無限のバラエティーによって担われています。
「新聞とテレビじゃどっちが便利だろう?」「そりゃ、もちろん新聞さ。テレビじゃセリョートカ(селёдка)(ウォッカの肴として定番の塩漬けのニシン)をくるめないだろ。」(苦笑)
汚れたトイレットペーパーを束にしてかついでいる老女がいた。「そんなものどうするんです?」「洗ってもう一回使うんだよ。」(冷笑)
KGBについてのアネクドートはトラの尾を引っ張ってみるような行いだとみなされていました。
チェーカー長官フェリックス・ジェルジンスキーは大の子供好きであった。彼の母親はこう証言する。「若い頃のフェリックスは本当に子供が好きで、すぐに射殺したりしませんでしたわ。」(恐笑)
今の日本の現状でも「アネクド-ト」が流行する素地がたくさんあります。困難をブラックユーモアで跳ね返す民の力はこだまでしょうか…。