弁護士川原俊明のブログ

川原総合法律事務所の弁護士活動日記

司法修習生の体験航海が、悪いのか

2010-08-22 07:37:11 | 日記・コラム
8月18日、香川県沖で、第6管区海上保安本部のヘリコプター「あきづる」が送電線に接触して墜落した事故がありました。犠牲者にはご冥福をお祈りします。
このへり、岡山地方検察庁主催の司法修習生実務体験の一環として、デモ飛行していた矢先のことでした。
法律家の卵である司法修習生を巡視艇に乗せ、海上保安庁の業務内容を理解させようとしていたものです。

 司法修習生による、社会修習。
 私たち法律家は、社会のあらゆる現象から発生した紛争ないし事件の法的処理のため、幅広い社会知識の習得が必要です。司法修習を終え、法曹資格を得てからの実務に少しでも役に立てるように、との実務体験修習が、司法修習生に課せられた社会修習なのです。
 
 私たちが、30期司法修習生の頃、大阪での実務修習には、パトカー試乗による違反車両の検挙、司法解剖立ち会いによる漂流死体の解剖見学などがありました。
 
 今回、マスコミが、ヘリ墜落に伴い、飛行目的の組織的隠蔽、という場面に焦点を当てて問題を指摘しています。
 ヘリ墜落とは何の因果関係もないのに・・・。
 いくら、情報化社会とはいえ、マスコミの取り上げ方に問題があります。
 これによる、司法修習生の社会修習が、将来にわたってやめることになれば大変な社会的損失です。
 私たちの時も、社会修習というものがありました。たとえば、近鉄の列車試乗です。
 私たちが、司法修習生だったころ、近鉄電車の一区間を、運転手の指導の下に、実際に、電車のハンドルを操作し、車両を運転していました。
 もちろん、一般乗客を乗せず、です。しかし、これも、数年後に、マスコミの指摘で、この社会学習が廃止されました。
 資格のないものが、電車を運転している、というマスコミ報道のおかげで。

 マスコミの取り上げ方如何で、司法修習生の社会修習の芽を摘んではなりません。


弁護士法人 川原総合法律事務所   
弁護士 川 原 俊 明 
ホームページ http://www.e-bengo.com 
 

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1 コメント

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社会修習は自分で!!! (サラリーマン)
2010-09-04 23:07:09
司法修習生が「社会知識」を習得するのになんで税金を使って国がイベントをやってやる必要があるのですか?
自分のゼニで習得するのが普通ではありませんか。
「私たち法律家は、社会のあらゆる現象から発生した紛争ないし事件の法的処理のため、幅広い社会知識の習得が必要です。」というのなら、法曹資格を与える条件として「サラリーマン生活経験5年以上」などとすればいいと思います。現に税理士資格を得るには試験に合格して税理士事務所で2年以上の経験を要求されます。

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