江花和郎@ブログ

2005~2011年連合新潟会長を務める間書いたブログをその後も時々更新しています。

第1回新潟県成長力底上げ戦略推進円卓会議

2007年06月11日 | 労働・経済
安倍首相の再チャレの一環で、官邸主導で「成長力底上げ戦略」ってのが構想されて、これを推進する円卓会議(円卓じゃなかったけど)が中央・地方でつくられました。

労働界にもお誘いがあり、中央が出たから地方も付き合うことにはなりましたが、安倍に協力する気なんざあ、さらさらないのであります。
(何か口調がきっこに似てきたような気がしますが)

今日の会議のメンバーは、泉田知事に森長岡市長、県教育長、県内経済四団体のトップ、などなどで、国の出先機関の各局長が顔をそろえ、まあ官邸主導だとこうなるのかという感じでした。

それで何をやるかというと、労働者に能力を付けさせ、障害者に雇用機会を与え、中小企業の生産性を高めるんだそうで、国が「成長力底上げ戦略の構想」をつくるから、みんな協力して推進してねってなわけです。

ところがどっこい、地方は頭にきているから、初めに泉田知事が「今の説明を聞いて、国と地方の問題意識にこれほどズレがあるのかと思った」といきなり噛み付いて、「この成長力底上げ戦略をすすめればすすめるほど、中央に富が集中して地方が疲弊する」「地方窮乏化政策だ」とやるわけです。

森市長は、「東京都の石原知事なんかはやる気ないでしょう。本気で頑張ろうと思っている地方に財源と権限を与えよ」

教育長は官僚らしく政策のおさらいで持ち時間5分を消化し、次にマイクを渡された経営者協会長と中小企業団体中央会長は、「最低賃金引き上げの議論はするな」と中央から指示されたとおりにガードを固めます。

私の番が来ました。
三つのことを話しましたが、一つだけ紹介します。

「中小企業の生産性が低いという前提は正しいのか?」
付加価値額で生産性をはかるようですが、原材料が値上がりし納品単価を切り下げられたら中小企業の付加価値は増えません。
じゃあ大企業はといえば、下請け単価を切り下げて、在庫も持たず、外注を増やして本体要員を削減して、史上最高の収益だそうですが、こういった要素も加えて本当に大企業と中小企業の生産性がどうなっているのか検討しなければなりません。
地方・中小企業の生産性向上分は中央・大企業に吸収されているのではありませんか。
中小企業の生産性向上分は中小企業に還元されるべきで、そうなれば研究開発や市場開拓や人材育成も可能になるのではありませんか。
そういう仕組みに変えていくことこそが円卓会議で合意されるべきです。

泉田知事と森市長が大きくうなずいて同感の意思表示です。

最後に、労働の現場に人間らしい働き方を取り戻すことこそが、新たな雇用の余地を生み、不平等化と貧困化に歯止めをかけ、国民の暮らし中心の経済循環による成長力につながるのではないかと述べて発言を終りました。

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2 コメント

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そんなに深い意味は‥‥ (江花和郎)
2007-06-14 09:24:53
高原様
コメントありがとうございます。
円卓にこだわっているわけでなく、ほんの軽いジャブのつもりですから。
それにしても会議に対する思いは様々で、主管される局の決意一つで状況も変わるのかな、と思っています。
6月13日の日報朝刊の片山前鳥取県知事のような思いは広がっているはずです。
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円卓 (高原正之)
2007-06-13 10:26:42
ご出席、ありがとうございました。
うーん、確かに円卓ではなく、四角四面のテーブル配置でした。看板を偽るつもりはなかったのですが。ご勘弁を。なんだか、来年のG8のテーブル配置が気になってきました。
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