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IT大国どころかレイプ大国 怒りすら湧くインド社会の「民度」

2013-01-20 17:53:33 | gooニュース

http://news.goo.ne.jp/article/sankei/world/snk20130120530.html 
2013年1月20日(日)12:36
産経新聞

 インドで昨年末に起きた女子学生への集団レイプ事件は、経済成長が続くIT(情報通信)大国・インドの「恥部」をさらけ出した。しかも事件後もレイプ事件はさまざまな場所で相次ぐ。小学校の校長室横のトイレで被害にあった女児もいる。むき出しの欲望を女性に強要する男たちに、犯罪を見て見ぬふりを決め込む周囲の人…。経済的に躍進しても、この国には歪(ゆが)んだ差別意識が潜んでいる。強制わいせつ・強姦事件の認知件数が全国最悪レベルの大阪。卑劣な犯罪をなくさなければ、地域としての「信任」は得られない。(木村成宏)

 ■凶悪犯罪と、無関心を装う周囲

 女子学生に対する集団レイプ事件は昨年12月16日に起きた。年が明けても、レイプ事件は相次ぐ。被害にあった女性(32)が木につるされ、9歳の女児は被害後に殺害された。今月14日には、南部ゴア州の小学校で、校長室横のトイレで女児が何者かに襲われ、管理責任を問われた校長が逮捕された。

 まずは発端となった集団レイプ事件を振り返る。

 現地からの報道などによると、当時23歳の女子学生は、首都ニューデリーで、無認可の乗り合いバスに恋人の男性と乗った。運転手の男がわいせつな言葉を投げかけ、同乗の仲間の男らがからかい始めた。

 男らはドアのカギをかけ、金属製の棒で男性を殴った上で、運転席近くのシートに女性を引きずりこんで集団でレイプ。女性は激しい暴行を受けたうえ、衣服を脱がされ、男性とともに路上に投げ出された。

 自身も脚を骨折した男性の証言などによると、男たちは、女性を路上に投げ出した後、ひき殺そうとした。その後、男性が通過する車やバイクなどに助けを求めたが、速度は落としても止まってくれない。

 「みんな私たちを見下ろして走り去った」

 誰もが見て見ぬふりをしたのだ。約25分後に住民が警察に通報。20分後に警察官が現場に到着した。

 「服をください」

 男性の悲痛な訴えに対し、警察官は事件の管轄に関する話をするだけで、無視した。女性が病院に運び込まれたのは2時間以上後。病院でも衣服が与えられず、シーツの切れ端が提供されただけ。ただ、頭部や臓器を激しく損傷したものの、気力を失ってはいなかった。地元メディアによれば、事件直後に面会した母親にこう訴えた。

 「生きたい」

 だが、その思いは届かず、医療環境が整ったシンガポールの病院に移送後、脳浮腫から心臓発作を起こし、息を引き取った。

 ■「容疑者と結婚したら?」と警官は言った

 ロイター通信によると、警察当局は通報の4分後に現場に到着し、24分以内に病院に搬送したと発表した。迅速な対応をしたとアピールしたいようだが、実は、警察側にも女性蔑視の意識がある。昨年11月中旬にインド北部パンジャブ州で起きた事件がそれだ。

 男2人に性的暴行を受けた少女(17)が地元警察に被害届の提出について相談した。しかし担当者は驚くようなことを、少女に勧めた。

 「金銭による示談を進めたら?」

 「容疑者のうちの1人と結婚したらどうか」

 犯人を捕まえる気などない。事件は1カ月以上も放置された。少女は12月26日、警察に侮辱されたことなどを遺書に記し、自宅で自殺した。

 ■思い通りにならなければ酸をかける

 思い通りにならなければ、女性の人生を崩壊させようとする凶悪な事件もある。

 ニューデリーのソナリ・ムガジーさん(28)は大学生だった10年前、就寝中に3人の男子学生が家に侵入され、性的関係を迫られたが、抵抗したため酸を顔にかけられた。3人は逮捕されたが、保釈され、誰も有罪判決を受けていない。ムガジーさんは22回の手術を行ったが、目が見えない。

 「たった5千ルピーの賠償金さえ受け取っていない」

 そう訴えるムガジーさんに対し、いまだ州政府の支援はない。清掃やさび落とし用として販売される酸は誰でも購入できるといい、「酸攻撃」を受ける女性は少なくない。こうした被害があっても規制はしない。インド社会が深刻にとらえていない証拠だ。

 ■レイプ被害を闇に葬る体質

 年間5パーセント以上の高い経済成長を続けるインドは中国やブラジルなどとともに世界経済の牽引(けんいん)役だ。一方で、身分制度カーストによる差別が根強く残り、社会進出する女性への嫉妬ともとれる犯罪は後を絶たない。

 昨年のレイプ事件は約2万4千件。過去5年で約4800件も増えた。人口が約10分の1の日本国内での強姦事件の認知件数(平成23年)は1185件だからいかに多いか分かる。

 ヒンドゥー教では、夫と死別した妻が、夫の遺体とともに生きたまま火葬される殉死の習慣がある。「夫が先に死んだのは、妻に原因がある」との考え方があり、法律で禁止されているが、現在でもまれに行われる。農村部を中心に、結婚時に新婦側が新郎側に多額の贈答品を持参する習慣もあり、それが少ないとして新婦が殺害される事件も多発している。

 いまだ残る女性の人権を軽視する風潮こそ、レイプ事件の被害者の声が封じられ、事件が闇に葬られる最大の原因だ。

 集団レイプ事件をきっかけに、性犯罪への厳罰化や治安強化を政府に求めるデモが拡大し、PTI通信によると、政府の当局者は、全国の警察幹部を集めた会議で捜査の徹底を指示。シン首相も異例のテレビ演説で「3人の娘の父として怒りを感じる。女性の安全や極悪犯罪に遅滞なく対処する」と約束した。

 ■性犯罪撲滅と社会の「信任」

 大阪府内の性犯罪認知件数は平成16年の272件を境に減少傾向にある。ただ23年は118件と、東京(178件)に次いで多い。24年は11月までで144件で東京の137件を上回り、全国ワースト1のペースだ。一方、強制わいせつ事件は増加傾向で23年は全国最悪の1251件。24年も11月までで1177件で前年同時期を上回った。

 平成19年に大阪市内の飲食チェーン店で、店長と店員の男2人が共謀し、深夜に1人で食事に訪れた女性客に「逃げたら殺す」とスタンガンで脅して、睡眠薬を飲ませた上、貸しガレージまで車で連れ込んで乱暴する事件が起きるなど、凶悪化も進む。

 大阪府は昨年10月、18歳未満の子供に対する性犯罪前歴者に、居住地の届け出を義務づける全国初の条例を施行したが、翌月には府職員が「婚活パーティー」で知り合った30代の女性らに無理やり乱暴しようとするなどしたとして、強姦未遂や強制わいせつ容疑で逮捕、起訴されている。

 こうした性犯罪の撲滅なくして、世間の「信任」は得られない。


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