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日刊ドットコムマスター★

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第19回 第2部 第17問

2013-05-29 11:00:31 | 第2章

以下のネットワークで、PC1からpingを実行したところ、図の結果となった。この結果から判断できることを、下の選択肢から1つ選びなさい。

19217_02_3 

a.PC1からはインターネットに接続できるが、PC2からは接続できない。
b.PC2からはインターネットに接続できるが、PC1からは接続できない。
c.PC1とPC2の間の通信ができない。
d.PC1はWebサーバのドメイン名の名前解決を行うことができない。

コムたろう「ping って、あのコマンドの真っ黒画面の…。」


ドット先生「そうだね。」


コムたろう「うわぁ~あの黒い画面、訳解らなくて苦手ー。」


ドット先生「そう思っている人は多いよ。実際にコマンド打ってみたことってある?」


コムたろう「えっ、僕がやっても大丈夫なの?」


ドット先生「うん、別に問題はないよ。」


コムたろう「えええええ、それって初耳~。」


ドット先生「コマンドを打つ場合、【スタートボタン】→【すべてのプログラム】→【アクセサリ】→【コマンド】であの黒い画面が起動するよ。」

コムたろう「……(実際にやってみて)あっ、ほんとだ。」


ドット先生「そのカーソルがチカチカしているところに、コマンドを入力するんだよ。」


コムたろう「なるほど。」





ドット先生「この ping というコマンドは効率的にトラブル箇所を調べる時に利用するんだよ。」


コムたろう「どうやって調べるの?」


ドット先生「たとえば、コムたろう君が僕に電話を掛けるでしょ?」
「それで、僕が電話に出て『もしもし?』って言ったら、これってどういう状況かな?」


コムたろう「ドット先生が電話に出た?」


ドット先生「まぁそれでもいいけど、コムたろう君が掛けて僕が出た(応答した)ってことはね・・・」
「コムたろう君の電話機から始まって、途中の電話回線、そして僕の電話機までの通り道に故障が無かったという判断ができるんだよ。」


コムたろう「応答する=繋がっている、という判断なんだね!」


ドット先生「そう、インターネットでも時々HPが見られない状況ってあるよね?」


コムたろう「うん、自分のPCか操作のしかたが悪いのか、どれかが原因なんだろうけど・・・」


ドット先生「全部、自分の原因って考えるの?」


コムたろう「え、違うの?」


ドット先生「そういう風に思っちゃう人もいるみたいけどね。ほかに原因は考えられるんだよ。」
「見たいHPを管理しているサーバが故障している可能性もあるし、コムたろう君が契約しているISPが管理している設備の故障も考えられるし、アクセス回線が故障している可能性だってあるんだ。」


コムたろう「へえ、いろいろ原因ってあるんだね。」


ドット先生「そうなんだよ、沢山あるから問題解決の為には何処が原因かを調べて、それぞれの原因に合わせた対処が必要になるんだ。」


コムたろう「なるほど~。」





ドット先生「で、この ping だ。」


コムたろう「あっ、そうか。効率的にトラブル箇所を調べる時に使うってことは、『HPが見られない』といったトラブルの時も使えるんだね。」

ドット先生「そう。何処に原因があるかを調べるために ping は目的の場所に向かってリクエストパケットを送るコマンドなんだ。」

コムたろう「リクエストパケット?」


ドット先生「……パケットはわかるかな?」


コムたろう「え~っと、データの小さな塊、だったっけ?」


ドット先生「おっ、覚えていたね。リクエストパケットは平たく言うと、『応答をください』というリクエストをするデータのことだよ。」

コムたろう「あぁ~、なるほど~。」


ドット先生「で、さっきの電話のたとえ話に戻るけど、コムたろう君は僕が電話に出て欲しいから電話した訳だね。」
「 ping に置き換えると、コムたろう君が電話する=リクエストパケットを送る、僕が電話に出る=それに応えて応答する、という図式になるんだよ。」


コムたろう「なるほど~。」


ドット先生「つまりリクエストパケットを送った相手が応答した=相手までの通り道は問題なし、になるんだ。」

コムたろう「そうか、道が途中で切れてたら、応答は返ってこないもんね。」


ドット先生「その通り。だから、『HPが見られない』って時も ping を使ってみるといいんだ。」


コムたろう「でも、どうやって使うの?」


ドット先生「これはコマンドの入力の仕方になるんだけど、カーソルがチカチカしている部分に『ping』と入力し、スペースを1つ開けて相手のホスト名やIPアドレスを入力するんだ。そして、最後にエンターね。」
「この設問では 【pingの結果】の下の囲み部分の、C:\>ping ~の部分が ping のコマンドを入力した部分で、その下の行が応答結果だよ。」


コムたろう「IPアドレスってあれですよね、インターネット上の住所のことですよね?」


ドット先生「うん、この設問ではIPアドレスとホスト名、両方に対して ping を実行しているんだ。」


コムたろう「この『http://www.example.co.jp/』っていうのは、ホスト名だね。」


ドット先生「FQDNとも言うよ。まぁホスト名とFQDNは厳密に言うと違うものなんだけど、ここではその説明は省略するね。」
「IPアドレスは郵便番号、FQDNは石川県金沢市増泉みたいな感じかな?」


コムたろう「なるほど~、よく解る~。」


ドット先生「HPは普通このホスト名で表されるよね、その方がユーザーには解りやすいから。」


コムたろう「そうだね、IPアドレスだけ見せられても、そこが何処のHPか解らないもんね。」


ドット先生「なので、 ping を使う時はホスト名でもOKになっているんだ。」


コムたろう「なるほど~。」


ドット先生「この場合、同一のWebサーバに対して、IPアドレスとホスト名で ping を使っているよね。C:\>ping ~が2つあるだろ?」

コムたろう「IPアドレスとホスト名で形は違うけれど、同じ相手に対して使っているはずなのに結果が違ってるのはなんで?」

ドット先生「そこもこの問題のポイントなんだ。」


コムたろう「えっ、そうなの?」


ドット先生「まず、問題のWebサーバに向かってIPアドレスに向かってpingを使った結果を見てみよう。」


コムたろう「……なんか宇宙語みたい。やっぱりコマンドはよく解らないや。」


ドット先生「食わず嫌いしないで。結果の見かたを解説するからね。」
「まずはIPアドレスのパターンだけど、『~ からの応答:』の文字の後がこのWebサーバからの応答結果なんだ。」


コムたろう「なんとなくわかる、かな。」


ドット先生「『バイト数』はこのWebサーバから受信したデータの大きさ、『時間』は結果が返ってくるまでの時間、『TTL』は特定の初期値から経由したルータの数を引いた値だよ。」

コムたろう「データの大きさや、時間はまぁ解るけど、TTLって……」


ドット先生「一つ一つの意味が解らなくても、この応答結果が見えるということは、目的のIPアドレス(Webサーバ)から応答は返ってきている、つまり、ここまでの道に故障はないという判断になるんだよ」

コムたろう「なぁんだ、そういうざっくりとした判断で良いんだー。」


ドット先生「うん、実はそれで大丈夫。」






コムたろう「じゃあ、この『ping』の後にホスト名が入っている場合の応答結果は…」


ドット先生「これがこの設問のポイントだね。」
「上の図を見ると、『http://www.example.co.jp/』と『211.129.13.200』は同じWebサーバを表しているでしょ?」


コムたろう「うんうん。」


ドット先生「だけど、ホスト名で ping を実行すると『要求がタイムアウトしました』という応答結果になっている。」

コムたろう「このタイムアウトって、『時間切れ』のこと?」


ドット先生「そう。 ping は応答を永久に待つのではなくて、一定の制限が有るんだよ。」
「このタイムアウトというのは、 ping を送信してTTLの初期値(OSによって異なる)からルーターを1個経由するごとに1引いて0になるまでに応答がなかったということなるんだ。」
「じゃないと、何十年も前に送ったパケットが永久にインターネットの中をさまようことになるからね。」


コムたろう「幽霊船みたい。それに、ずっとさまよってたら回線が混雑してじゃまだね。」


ドット先生「良く気付いたね。みんなが便利に使うためにはこういう配慮が必要なんだ。」


コムたろう「じゃあさ、制限時間内に応答が得られなかったら、どんな判断になるの?」


ドット先生「応答が返ってこない理由はさまざまな状態が考えられるね。」
「たとえば、サーバが故障してダウンしているとか、途中にあるルータが故障しているとか。」


コムたろう「じゃあ、この『www.example.co.jp/』のサーバは故障しているの?」


ドット先生「いやいや、そう結論を急がないで。」
「『http://www.example.co.jp/』と『211.129.13.200』は同じサーバだよね?」


コムたろう「うん。」


ドット先生「『211.129.13.200』に ping を送ると、応答は得られた。つまり、通り道に故障はないし、『211.129.13.200』も故障していないんだよ。」

コムたろう「でも、『http://www.example.co.jp/』は応答を返してくれないよ?」


ドット先生「ここで思い出してほしいのは、URLとIPアドレスの関係だ。」
「名前解決って覚えてるかな?」


コムたろう「あ~、あれだ。DNS!」


ドット先生「そうそう。ホスト名(URL)からIPアドレスを教えてくれるのがDNSサーバーだね。」
「で、『www.example.co.jp』に ping を送って、応答が返ってこなかったということは、『http://www.example.co.jp/』からIPアドレスを導き出せなかったという事なんだ。」


コムたろう「DNSサーバになんらかのトラブルが発生していて、名前解決ができないってこと?」


ドット先生「そのとおり。とすると、解答は……」


コムたろう「あぁ『d』になるね!」


ドット先生「うん。そもそもpingはPC1からWebサーバに対して送信されているから、PC1⇔PC2とかPC2⇔インターネットというのは問題外だね。」

コムたろう「PC1⇔インターネットというのはどうなの?」


ドット先生「それも100%不可って訳じゃないよ。IPアドレスを指定してHPを見ることはできるからね」


コムたろう「面倒だけどね・・・」


ドット先生「だから、解答は『d』になるんだ」






【 第19回 第2部 第17問 解答&解説 】
[解答]d
[解説]
a.誤り。この結果だけから、PC2 からインターネットに接続できないとはいえない。
b.誤り。この結果だけから、PC2 からインターネットに接続できるとはいえない。
c.誤り。この結果だけから、PC1 とPC2 の間の通信ができないとはいえない。
d.正しい。PC1 でホスト名(FQDN)で指定したping が失敗していることから名前解決ができないことが想定できる。