頃合いよしと判断して薄っぺらですがこの話題。
先ずは概要。
ヘルメットには以下の3種類があり、それぞれ作業の種類に応じて選択し着用する。
・飛来、落下物用
その名の通り物が落ちてくる可能性のある職場。
工事現場などでは上で作業している人がうっかり工具などを落とすかもしれない。
・墜落時保護用
先ほどとは逆に着用者本人が落下する危険のある職場。
具体的には2m以上の高所作業。
・電気用(使用電圧7000V以下)
感電する危険のある職場。
ヘルメットが通電部に触れても通電しないもの。
(※あくまで大まかな概要であり、実際には法令等を参考にしてください)
単なる飛来、落下物用を除いて機能は重複するものであり、
一番上は「飛来、落下物用兼墜落時保護用兼電気用」となる。
墜落時保護用と飛来、落下物用は簡単に言うと内側に衝撃吸収ライナーの有り無し。
衝撃吸収ライナーは主に発泡スチロール製。
さて、以上を要約するとヘルメットとは
「物が落ちてきたり、着用者が落下したり、電線に触れた際に保護する物。」となる。
逆を言えば、「こういう危険性のある場所ではヘルメットを被りなさい。」ということです。
さて、知識が薄いので細かいことを省略して個人的な感想などを。
私が会社に入った頃、支給されていたのは谷沢製作所の野球帽型でした。
メーカー、形式問わずヘルメット着用の難点は蒸れる事とズレること。
ある時、機械の修理で狭いところに入って修理する際に当然着用したのですが、
直ぐにズレてきて視界を塞いでいくヘルメットに閉口したものです。
ただし、作業中に動く度に「コツン」「ザリッ」と音がするのは
ヘルメットによって頭部が保護されている紛れも無い証拠であり、
休憩の際に汚れたヘルメットを拭ってみて無数の傷がついているのを発見し、
ヘルメット無しではとても危険で作業できなかっただろうと思ったものです。

画像は倉庫から見つけてきた当時の物に近いもの(114-EP)。
内装の取付鋲が外れているのでこの状態では使用しないこと。
白色のヘッドバンドの形式に注意。
この後、古くなったヘルメットの交換が行なわれ、新型のST#1090-GPZとなりました。
このヘルメットは以前と同じ前ひさしつきスタイルながら、
蒸れを防止する通気穴がついたことで蒸れが軽減され、
以前の支給品には無かった衝撃吸収ライナーがつくことにより墜落時にも保護されるようになりました。
時に2m以上の高所作業をやっていたのに以前は墜落保護ができてなかったのです。
そして何より驚いたのが新型ヘッドバンドが採用されていたこと。
これには本当に驚きました。

(画像は同形式のヘッドバンドが装備された104-EPZ)
これは谷沢製作所がEPAと呼称しているものでワンタッチでヘッドバンドを調節可能にしたものです。
着用時に締め付けることにより頭部により密着してズレが小さくなりました。
ヘッドバンドの位置をより低く、ネックバンド形式にすることもこれに貢献しているといえるでしょう。
また、写真では写っていませんがアゴヒモも旧来の単なる調整式からワンタッチ金具が装着され、
脱着がしやすくなった他、万一ヘルメットが挟まれた時には外れるようになっていると言われています。
ただし、外れにくいように後部の方に持ってきたアゴヒモは耳に当たったりして不快に感じることが多くなりました。
現時点で最大の不満点です。
内装(着装体:ハンモック)は樹脂製から布製になり装着感が向上しました。
とまあ、不満点はありますが現時点では及第点です。
私の場合、修理などの非定常作業の際にしかヘルメットを着用することの無い限られた職場ですが、
炉前作業で防災面を装着したヘルメットを被ることがあり、
特にズレないヘルメットはたいへんにありがたいものです。
最後に注意事項。
ヘルメットは正しく装着して初めて効果を発揮します。
あみだに被ったりせずしっかりと被り、キチンとアゴヒモを締めること。
転落した時に脱げて行くヘルメットを見ながら「話が違う!」と叫んだ所で助けてくれる人などいないのだ――
(詳しくは取扱説明書にて熟知すべし。)
まあ、全ての保護具に言えることですよね。