あるます(Harmas)

『Harmas』はジャン・H・ファーブルの住居と庭で、かの昆虫記執筆の地

大分遠征(2020年10月30日~11月1日)

2020年11月08日 | ヒメドロムシ

ヒメドロで熱い九州の地は、今回で3回目の上陸です。1回目は6年くらい前に福岡県メイン、若干大分県をかすめるという家族旅行だったので「いい川があるなぁ」とヒメドロのいそうな環境を遠望するだけでした。しかし、帰宅後に気持ちがおさまらず、1か月も経たぬうちに私一人で九州に再上陸してヒメドロを探索したのでした。セマルの生息地を見ること、そして大胆にもツブスジを発見することが目的だった・・・

今回は大分県!あのヒョウタンヒメドロムシの生息地を訪問すること。その環境をこの目に焼き付け、色々模索するのが目的・・・できれば、キュウシュウカラヒメドロムシをいくつか採集していく、という無謀な旅。

ほとんど準備もせず、思い立ったが吉日的な大分行きでしたので、成果は良いずもなく・・・

私が愛知近辺でヒメドロに興じるのとは、若干違いがあることは分かりました。特に森林内の細流には枯れ沢が多い印象でした。この時期だけでしょうか。愛知であれば林道から容易に森林の細流を見つけることはできたのですが・・・思うようにいかず焦りました。

はじめの場所は杵築市でヒョウタン狙い・・・始めて5分で網のフレームが根元から折れてしまった!(予備を持ってきて良かった)

次の宇佐市でもヒョウタン狙い・・・ヨコミゾとイブシが採れた。イブシは愛知のものより大きい感じで、ヨコミゾは細すぎるような・・・。こんなに差があるものか。

二日目も宇佐市でヒョウタン狙い。2時間もやって成果がなく、気が滅入っていく・・・

次の場所も撃沈・・・

中津市の山中。ここではヒメツヤ属とアカモンミゾ。

三日目はヒョウタンは諦め、なんでも良いので九州のヒメドロをなるべく摘まもう。できればキュウカラのいそうな細流があれば勝負をかける、という方針。ここは大分市。

マルヒメかサンインヒメかヒメツヤ属が多数採れる場所。

豊後大野市の沢 きれいな環境です。

絶対にキュウカラを!との思いもむなしく・・・宇佐市の沢。

帰りの飛行機の時間も迫りつつ、空港近くの国東市で探索。

ここが最後、薄暗くなる頃に川からあがり、その場で着替えて急いで空港へ。今回の大分探索は地の利も無く、駆け足で気ばかりあせる探索となった。やはり十分な準備は必要であると反省・・・。でも愛知との環境の違いを少しだけ知ることができたと思う。


ヒメドロムシの観察採集会

2020年08月29日 | ヒメドロムシ

ブログ大分おろそかになっておりました。一応虫関係の活動は継続しておりました・・・

本日は矢作川水系の足助川「奇跡の300メートル」でヒメドロムシの観察会でした。僕の所属する三河昆虫研究会と西三河野生生物研究会の合同観察採集会で、一応僕が講師を仰せつかっておりました。

ヒメドロは5種くらいで普通種ばかりでしたが、かなり密度の高い場所でした。

驚いたのはナベブタムシが非常に多かったこと。反面、カワゲラ・トビケラ・カゲロウなどいわゆる川虫が少なかったこと、が印象的でした。

総勢7名とこじんまりしたイベントでしたが「三密」、熱中症には充分気を付けて無事終えることが出来ました。安堵です。

 

 

 

 

 

 


名古屋昆虫同好会「ヒメドロムシのすゝめ」

2019年12月15日 | ヒメドロムシ

昨日、名古屋昆虫同好会の12月の例会に参加しました。

入会10年目にして初めて参加させてもらいましたが、その熱気たるや感動もの。

夜の6時半から9時までの会にもかかわらず結構お子さんと家族の方も参加してました。

子どもも積極的に質問や発言するなど活気あるなぁ・・・僕も頑張らなあかん、と感じました。

さて、初めて例会に参加したのはM氏の水生昆虫の発表があったからです。

M氏は在野ヒメドロ研究者の若手で、修士論文にセマルヒメドロムシを扱われた方。

以前よりヒメドロの同志(ヒメドロをやっている人には僕は勝手にそう思っています・・・)として、

どんな活動をされているのか、同じ同好会の方だし少し気になっておりました。

引っ込み思案な自分ですが、ヒメドロの話しが聞けるとなれば行くしかない。少しお話ができればと腰を上げた次第です。

さて、M氏の「ヒメドロムシのすゝめ」ですが、いいタイトルです。

福沢諭吉の「学問のすゝめ」みたいです。虫屋の中ではヒメドロは知られていても、

他の水生生物屋にはほぼなじみのない虫・・・しかも、本日の例会に来ていた子どもたちには、

きっと初めて見る虫に違いないでしょう!今回のテーマが多くの方にヒメドロへの関心の向上につながって、

「いっぺんヒメドロ採ってみよう」とか「ヒメドロかっこいい!」と思ってくれたらいいな、と率直に思いました。

M氏の講演ですが、とても素晴らしかった!子ども達も大人も釘付けだったように感じます。

僕も少しヒメドロをやる者として嬉しかったですし、途中なぜか涙も出そうでした(昨年九州で開かれた

ヒメドロサミット、行けばよかったかな・・・でも大勢が集まるだろうと思われて尻ごみしてました・・・)

笑いもとれるM氏の講演は盛況のうちに終了。僕自身、地道でもヒメドロにもう少しのめり込んでみようか、と思いました。

M氏はドイツ箱3箱分の全国のヒメドロ標本を持参されておりました。綺麗に展脚された標本は種ごとに並べられ、

すごかった。日本産ヒメドロのほとんどがあるそう。外国のヒメドロもあったのですが、「なんじゃこりゃ!」

と叫びたくなるくらいその風貌に驚くばかり。

M氏はオプチオ属が好きだそうですが、僕はどうもオプチオ慣れしておらず自己での同定はまず無理です。

やっぱり交尾器か・・・。自分がどれくらいでオプチオ慣れできるかは、やはり場数を踏むしかない、と感じました。

M氏からは同定の参考にと、いくつかサンプルを頂きました。ありがとうございました。

あのアマミヨコミゾドロムシやサトウカラヒメドロムシなども頂いてしまった!

帰宅後さっそく検鏡してみて、その異様な姿に「うぉっ、すげえ!なんちゅうやつだ」

またまた、その素晴らしさに感動した次第です。

写真上 アマミヨコミゾドロムシ、写真下 サトウカラヒメドロムシ

両種とも、いつかは生息地で見てみたい虫です・・・


足助川のヒメドロムシ観察採集会決行!

2018年07月14日 | ヒメドロムシ

本日は愛知県では初と思われるヒメドロムシの観察採集会が行われた!

熱いさなか参加者の皆さんにヒメドロ採集を体験してもらいました。

採集方法は簡単ですが、採れたヒメドロの目視での同定は難しいようです。

でもこれは大丈夫。同定には慣れも必要ですし、種によっては検鏡する必要があります。

水生昆虫の中には、こういった甲虫がいることを知っていただくことが重要です。

参加者の皆さんお疲れ様でした。

 


愛知県矢作川水系のセマルヒメドロムシ

2017年12月31日 | ヒメドロムシ
今年も虫の関係では色々経験させてもらいました。
中でも印象的なのは、愛知でのセマルヒメドロムシの発見です。
S県のI氏が、はるばる愛知においでになってキボシツブゲンゴロウの多産地の調査をしていたときのこと・・・
偶然に、あのセマルをゲット!
夢にまで見たセマル。
3年前、福岡県の産地まで単身調査に行って、生息環境を目に焼き付けてきて、
愛知で実践の日々を過ごしましたが上手くいかなかった。
I氏との合同調査はいつも何かがおきる!
そうとしか思えない、今回の発見であった。
夏の間は追加調査に明け暮れ、何とかこの師走に日本甲虫学会にセマルの報告をすることができました。
関係者の皆様に感謝、感謝、感謝です。


この写真は、今年の10月に三重県のI氏と生息地を潜って、水中撮影したもの(三重県I氏撮影)

ハバビロとツブスジ

2017年10月08日 | ヒメドロムシ
今から6年くらい前、ヒメドロムシの中でもハバビロドロムシやツブスジドロムシが中々とれず
文献を読んだり地図を眺めては、それらの生息しそうな場所をアタックする日々があった。
なんとなく自分なりの採集方法を見つけてからは採れるようになった。
本日はハバビロやツブスジが安定的に生息するT川水系の沢にいき、久々に彼らを探した。
うん、結構みつかる。こんなにいたかな・・・と驚いた。
ハバビロもツブスジも結構赤っぽいものがいる。
ハバビロの幼虫が少ないのが少し気になったが、まあ少しの区間を見ただけなので大丈夫か・・・

秋が深まりつつある。
黄昏のなか車を走らせると、ハバビロやツブスジを探し回っていた頃が懐かしく想いだされた。
さて明日は三重のIさんとヒメドロ観察のため初めての川潜りに挑戦だ!

ヨコミゾドロムシ幼虫やっと見つけた

2016年05月29日 | ヒメドロムシ






朝からY川のいつもの場所へ
川岸のツルヨシもきれいに刈り取られてしまった。
アユ釣りのシーズン到来のためだ。
川岸すれすれのツルヨシを一定間隔で少し残してくれさえすれば
ツルヨシのランナーが川に漂う状態が保たれて多くの水棲昆虫も生きることができる。
ランナーの根は春に根を川底に伸ばし芽を出す。
しかしここはこの芽をも刈り取っている。
ツルヨシは水質の浄化作用もある。ある程度は残すべきと思うが・・・

Y川の岸辺付近の1m以上ある大きめの流木にヨコミゾ幼虫を発見。
流木表面に結構ついていた。やっと見つけることができた。自然下で初めてのこと。
成虫はずっと確認してきたが、とうとう幼虫もこの場所で確認することができた。
平ぺったい独特の形。触るとすぐにまるまる。
自宅にて検鏡すると尾端から白い気管を房状に出し入れし、活発に歩行する。
以前自宅で孵化したものは、やはりヨコミゾであったと思われた。

S市のヒメドロムシの追加

2015年11月03日 | ヒメドロムシ
東三河S市のヒメドロムシの分布について数年前から調査している。
ここは我が町T市の豊かな自然以上にすばらしい自然環境が残っているといってもよい。
先月このS市の清流において採集したヒメドロの中にヨコミゾ長翅型を確認した。
アシナガと思っていたのに実際はヨコミゾであり驚いた。
S市ではヨコミゾがまったく採れなかったので以外であり、非常に嬉しかった。
今後、もっと詳細に調査しようと思う。