皆さんは全員、ケガをしたことがあると思います。
擦り傷、切り傷、骨折も元の状態に戻してくれて、治ったら細胞増殖がストップします。
体毛、眉毛、まつ毛の長さも一定以上には伸びません。
もっとすごいと思うのは歯です。
インプラント、入れ歯など歯の治療には嚙み合わせの調整が重要です。
でも乳歯や永久歯が生える時は調整しなくても、ぴったりと噛み合わせが出来ています。
不思議・・・?
私たちの体には、2万5千種類ほどの遺伝子があります。
遺伝子の中には動脈硬化をおこしにくい長命な家系の遺伝子もありますが、逆に短命の遺伝子があります。
HDL善玉コレステロールが80前後の人は長命です。
逆に30未満の人は短命です。
その他、病気になりやすさを決める遺伝子もあり、その中の一つ、あるいは複数のものが「変異を起こす」と病気になることがあります。
遺伝子はDNAという物質で出来ています。
DNAは細胞の中にあり、長い鎖のような形をしています。
たった4種類の塩基、A(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)の組み合わせで遺伝情報が書かれています。
ヒトの遺伝子のDNAは、全部合わせると塩基が30億個ほどもつながった鎖のような超巨大分子です。
アデニン(A)は必ずチミン(T)と、シトシン(C)は必ずグアニン(G)と向かい合って結合し、らせん状にからみ合った2本の鎖のような構造をしています。
脳なら脳、肝臓なら肝臓、筋肉なら筋肉の細胞の中で、それぞれに必要な遺伝子が選ばれて、必要な量だけ遺伝子を使うようにコントロールされています。
DNAは細胞内の核にあります。
糸のような形をしており、ヒストンという円盤状のたんぱく質に巻きついたDNAが折りたたまれて核の中に入っています。
人のDNAを全部伸ばしてつなぐと、約2メートルの長さになります。
その中で遺伝情報を持っていて、設計図として使われている部分はわずか約1.5~2%(長さに換算すると3cm)です。
残りの98.5%は、遺伝情報を持たない部分ですが、遺伝子の働きを調節する役割を持っています。
脳、肝臓、骨、筋肉などの細胞の中で、それぞれに必要な遺伝子が選ばれて、状況に合わせて働く仕組みがあります。
つまり、必要な量だけ必要な遺伝子をコピーしたmRNAをつくるように調節されています。
例えば脳では、1万種類以上のmRNAがそれぞれに決まった量でつくられています。
肝臓でも筋肉でも、mRNAがそれぞれバランス良く生産されています。
体は遺伝情報をもとにして作られて、遺伝情報から体の特徴や体質、これからかかる病気などのことが、ある程度は分かるようになってきました。体質を理解し、生活習慣を見直すことで、日々の健康に役立てることができます。
しかし、遺伝子が全てを決めているわけではありません。
がん、アルツハイマー病、生活習慣病などは、遺伝による要因だけでなく、環境や生活習慣による要因も関係しています。
癌になりやすい遺伝子を持っていても一生癌には罹らず90代まで元気な人もいます。
また、家系で癌になる人が多い人は、病気にならない生活習慣を実践する事が大事です。
以前、認知症予防の為の5ヶ条のお話をさせて頂きましたが、覚えていますか?
これは他の病気予防にも役立ちます。
食養生で血液を奇麗にする事と、血液循環を促進する事。
1、食習慣:和食(玄米、芋、豆類などの穀物、発酵食品(味噌汁、酢の物、漬物、干し芋、干し柿)DHA,EPAの多い小魚、ゴマ、βカロチンやポリフェノールの多い野菜、海草、根菜類)
2、運動習慣:適度な運動・無理をしない
3、対人習慣:同じ趣味の人との交流、会食、カラオケ
4、知的行動:趣味を持つ、文章を書く、本を読む、博物館や美術館、能や狂言、歌舞伎などに行く。
それ以外には人に優しく親切にすると、感謝されて、自分自身も幸せな気持ちになりオキシトシンが分泌されて、血液循環も良くなります。
5、睡眠習慣:短時間の昼寝、起床後に景色や太陽を見る。
糖尿病や高脂血症などの基礎疾患のあるひとは、特に食習慣に気をつけて改善しましょう。
ラジオ大阪放送音声⇒http://www.bione.co.jp/tenpo/OBC250521_Dr_K_Egao.mp3
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