いつも発酵食品を食べる様にお話していますが、発酵食品は整腸作用や免疫活性作用、血糖値上昇抑制作用、高脂血症改善効果、その他様々な働きがあります。
食べて短期間に効果が出るのは整腸作用ぐらいかも知れません。
でも、毎日数種類食べれば、1ヶ月~2ヶ月で様々な効果が期待できます。
そして、食事も和食中心にすれば、更に効果は高まります。
発酵食品は乳酸菌や酵母菌を発酵させた食品が多いですが、食べた乳酸菌や酵母菌の生菌効果はあまり期待できません。
食事をすると胃の中は強酸性で、腐敗菌はここで死にます。
多少生き残った耐酸性の乳酸菌も十二指腸で膵液や胆汁が混ざり強アルカリで死んでしまいます。
発酵食品の効果は乳酸菌や酵母菌が造る発酵物質やアミノ酸、有機酸、その他の成分です。
乳酸菌と酵母菌が発酵して作った有用物質=乳酸菌生産物質が様々な健康効果を発揮してくれます。
O-157やノロウイルスの毒性も、菌自体に毒性はなく毒素は菌が作った物質です。
乳酸菌生産物質は昭和7年(1932年)に研究が始まりました。
ヒントは仏教経典の涅槃業の中に乳酸菌の培養工程が5段階に書かれている事を西本願寺22代門主大谷光瑞氏が発見しました。
乳、酪、生穌、塾穌、醍醐。
乳を脱脂すると酪、有効菌の混合が生穌、沢山の菌が発酵して熟し、菌の分泌物(発酵生産物質)を分離抽出した物が醍醐(変化しない安定した物質)となります。
味を付けると乳味、酪味、生穌味、塾穌味、醍醐味となります。
醍醐味は、正垣一義氏が世界で初めて研究開発して、昭和54年(1979年)に現在の原料が完成しました。偶然、私は1980年に正垣一義先生と出会い、腸内細菌の研究を始めました。
当時先生は乳酸菌分泌液と言っていました。
正垣先生曰く「私は約50年の歳月をかけて、醍醐味を完成させた。
醍醐味=変化しない物質(乳酸菌分泌液)変化する物質は不安定である。
完成された物質(醍醐味)は時間、熱、様々な要因が加わっても変化しない。
培地から蛋白質や脂質、繊維質などを分離し「乳酸菌分泌液」だけを抽出する。
栄養素が含まれている状態では、変化する物質で不安定で醍醐味ではない。」
乳酸菌分泌液を培地から分離して、原液が完成したのは、昭和54年でした。
1981年当時、先生にご質問した内容です。
「Q&A (Qは私・井草。Aは正垣先生)
Q培養時の雑菌混入等の衛生管理は?
A最後の共棲培養が重要です。天井等からの落下菌を防ぐ為に、天井や壁、器具に水を沢山かけて、雑菌を落とします。
雑菌が混入して失敗する事もあります。雑菌が混入すると臭いや濁りが出るので直ぐに廃棄処分します。Q最後の共棲培養が完成したかは、なぜ解るのですか?
A50年も研究しながら、出来た物の味を見てきました。
完成しても失敗しても味と匂いで解ります。
Q特許は取らないのですか?
A特許は必要ない。現在「乳酸菌分泌液」の研究をしているのは、世界で私一人です。乳酸菌と酵母の共棲培養は、知識と設備があれば、今は誰でも可能です。
但、その辺にいる乳酸菌や酵母菌は菌自体が弱いのです。
弱い菌をいくら培養しても、醍醐味は作れません。
私の16種類の菌は50年間、強化培養を行ってきました。
誰かが今から強化培養をして、50年後に今と同じ物を作る事は可能です。
しかし50年後は、私の菌は100年になります。
私の菌は常に50年先を行きます。
この50年の歳月を縮める事は誰にも不可能です。
真似をしても同じ物は造れないから特許は必要ない。
Q先生の菌を何らかの方法で入手すれば、同じ物を作れるでしょう?
A最後の共棲培養法と抽出方法は私しか知らないから、菌を入手しても不可能です。
Q戦後から大変金銭的に御苦労されて、何でこの研究を続けられたのですか?
Aこれが私の使命であり、現在から後世の人々に対して残してあげられる財産です。」
当時、正垣一義先生には、直接いろいろと教えて頂きました。
現在、生きている人の中で1980年からこの原料(乳酸菌分泌液)にたずさわって来た人は、唯一私だけです。
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