DKのザル碁への独り言

段原浩司です。
県代表を目指すザル碁打ちです。
私の独り言を、我慢して聞いていただければ嬉しいです。

最年長棋士の譜 1

2019-02-10 23:02:01 | 独り言

現役最年長棋士、杉内寿子八段(91)が、溝上九段に勝利した碁です。

杉内八段の白番です。

白は、黒7のツケに手抜きで左上をハサミました。左上の状況によって、右下の打ち方を

決めようという戦術ですが、こうした様子見的な打ち方は、AIがよくする打ち方です。

参考図1

左上がこうした定石になれば、白は6と押さえてゆっくり打ちます。コミがかり作戦です。

参考図2

左上がこのような変化なら、ナダレていって、下辺・左辺を重視する打ち方をするのでしょう。

参考図3

 黒は9と背後からせまりました。これは、白にピッタリした手はないでしょう、とする意地悪な手です。

さえぎるのは、2に受けるとなると、黒から6のカケがきます。このカケがあるので、黒は態度を大きく

することが出来るのです。

参考図4

白はツケノビを選び、黒を渡らせることにしました。ちなみに黒はツケで渡ることはできません。参考図4

スベリでも黒が渡ったのでは、黒良しかと思っていたのですが、実は薄くて、白はそれを狙っていました。

実戦図1

この割り打ちは、地は黒が多いので、戦いにならなければ黒がいいです、という手です。

実戦図2

局面は進んで、黒が利かしにいったところです。

実戦図3

しかし白は反発。2と入らせて大丈夫か?とアマチュアは思うところです。

参考図5

 黒が下辺を守った後、白はツケコシ(参考図5の黒1の上)を決行。1とさえぎると、2の両ヅケを打たれます。

これは上側の黒が丸取られでいけません。実戦のように譲歩するしかなさそうですが、白はこの手を狙っていました。

ここが黒薄いので、白は反発出来たのです。

 

その後、白60と黒の薄みを突き、62・64とゴリゴリとやっていき、66と突き抜くことになりました。

突き抜いては、LeelaZeroの勝率も10%近く上昇するくらい優勢になりました。

86からの攻めは圧巻です。

 

この碁を並べてみると、碁が若いです。

病は気から、といいますが、若さも気から、と思わせる内容でした。

 

 


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