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北米ゲーム市場を崩壊させたクソゲー

2006年01月28日 20時50分50秒 | Game
digg より)



http://keithschofield.com/et/

伝説のクソゲー、Atari2600版 E.T.(映画 『E.T.』のゲーム化)をフィーチャーした
アメリカのインディーズバンドWintergreenのミュージックビデオ。


任天堂の北米進出を扱った『ゲーム・オーバー(デヴィッド・シェフ著)』というノンフィクションの中で
軽く触れられていたので、アタリ製 『E.T.』の存在だけは知っていたけど
このビデオを見てから、改めてWikipediaの詳しい記述を読んでみたら、これがまあ凄まじい。



ゲームの内容は、E.T.を操作してFBIや科学者達を避けながら
仲間の宇宙船を呼ぶ為に電話のパーツを集めていくというもの。
E.T.は原作通りの虚弱体質で、歩くだけでエネルギーがどんどん減り、とにかくすぐ死ぬ。
プレイ中、到る所に空いている穴に落ちると、例の空中浮遊能力で脱出するのだが
ここでも大量にエネルギーを消費するので、これまた死ねる。
しかも、穴の中にパーツが落ちていたりするので、何度死のうが
一つ一つの穴をチェックしていかなければクリア不可能という、非常にストレスが溜まるゲームだった。

苦労して電話のパーツを集めた後も
仲間の宇宙船を呼んでクリア・・・となるはずが、その宇宙船が来ないというバグに陥ったり
更に酷いものになると、ゲームデータが破損して2度とプレイできなくなるというバグも有ったらしい。


こんなクソゲーを掴まされた当時の子供達も可哀想だけど
もっと悲惨なのはゲーム会社と小売業者達。

映画の人気に目をつけたアタリ社は、2000万ドルという法外な契約料を支払い
スティーヴン・スピルバーグと『E.T.』ゲーム化のライセンス契約を交わした。
しかし、大枚はたいて契約した割には『E.T.』の開発期間は
たったの6週間しか与えられず (クリスマス商戦に間に合せる為だった)
その結果、前述のような酷いゲームが出来上がった。

それでもアタリは投資した資金を回収する為
当時、全米で1000万台という普及台数だったAtari2600向けに
500~600万本ものゲームカートリッジを生産したが
こんなゲームが売れるはずも無く、ミュージックビデオの映像にも有るように
生産されたカートリッジの殆ど全てが、ニューメキシコ州アラモゴードの砂漠に埋められる事となる。


悲劇はまだ続く。

『E.T.』大失敗の影響もあって、1982年クリスマス商戦のゲーム販売は絶不調
ゲーム会社・小売業者が連鎖的に倒産し始め、翌1983年から1984年に掛けての
いわゆる「アタリショック」と呼ばれるゲーム市場の崩壊へと繋がっていった。
(デヴィッド・シェフに言わせると、ここで一度、北米の家庭用ゲーム市場は「死滅」した)

当時、家庭用ゲーム最大手だったアタリは5億ドルを超える赤字を計上
社長が何度も変わり、最終的には部門ごとに分解・売却された。



「1本のクソゲーが1つの市場を崩壊させた」と考えると凄いなぁ・・・
もっとも、市場崩壊の要因は様々で、『E.T.』が無くても、遅かれ早かれ崩壊は始まっていたらしい。
それでも、『E.T.』は粗製濫造の象徴であり、当時を語る上で欠かせないゲームだという事は間違い無い。



ついでに見つけた、当時のTVコマーシャル
http://www.vimeo.com/clip=11749

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1 コメント

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『E.T.』は粗製濫造の象徴? (sugari)
2007-05-11 03:07:54
ttp://d.hatena.ne.jp/hally/20040303#p2
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