いよいよ今週末に迫った「キングジョージ」
ハーツクライの現況を拾い読み。
スポニチから。
軽快!橋口師「日本と同じ」
23日ニューマーケット調教場での追い切り後の
橋口弘次郎調教師(60)のインタビュー。
――ハーツクライの注目の追い切り。満足できる動きでしたか?
橋口師
ロングヒルで1F14秒のペースで5F追ってみたが、
気持ち良さそうに走っていました。何よりも息遣いがいい。
追い切りが終わった後、私もすぐに丘に登って
気配をチェックしたのですが、息遣いに乱れはない。
日本にいるときと同じ雰囲気でした。まずはひと安心。
あとは水曜日(26日)に軽く追えば大丈夫でしょう。
――ハーツは15日に渡英して1週間たったが、
現地の環境にも慣れてきましたか?
ニューマーケット(クマーニ厩舎)入りしてから
数日間は見知らぬ環境のせいか、馬房の中でもイライラしていた。
そこで、まずは厩舎内でじっくり乗り運動をしてみた。
イレ込みがもっとひどかったドバイ遠征時も
1回乗り運動をしたら落ち着いたようだが、
今回もその効果があって落ち着きが出てきた。
――それで19日からロングヒルの調教を開始したのですね。
ロングヒルというのは5、6F目の傾斜が見た目以上にきつい。
でも、乗り手(鎌田助手)の指示に従って
予定通りのペースで駆け上がっているから
オーバーワークになることもありません。
――馬体も回復していますか?
こちら(英国)に着いた直後は
多少馬体が細くなったが、日に日に回復してきた。
今は体に幅が出て、到着直後とは見違えるほど良くなっています。
こちらは日中暑くなるが、朝晩は涼しい。
湿度も低いので過ごしやすい。
北海道の夏のような気候なのが幸いしました。
――スタッフ全員、レースまでそのまま滞在する予定ですか?
私はいったん帰国する予定でしたが、
こちらで何が起きるか分からないし、
こんなチャンスはめったにないことだから(笑)
レースまで付き添います。
もっとも、ドバイであれだけのことを経験してきたんだから
あまり心配していません。
ドバイではレース前に花火が上がっても全く動じなかった馬ですから。
――アスコットのコース適性については?
去年、馬場改修されたことで、
凸凹はかなり改善されたと聞いています。
芝自体もいままでのアスコットとは違うと。
少し硬めの馬場になっているということだから、
日本の馬場に近いんじゃないかな。
――キングジョージには過去、日本から3頭が出走しましたが、
まだ勝っていません。
世界が認める大レースに使えること自体が大変名誉なこと。
去年、有馬記念を勝った時に、
よし来年はキングジョージだと話していたけど、
それが現実になってくれた。
ハーツは早くから期待した馬だけど、
3歳時とは“別馬”のようにパワーアップしている。
本当に頼もしい限りです。
ドバイを勝ったことでライバル関係者からは
警戒の目を向けられていますが、
“日の丸”を背負って頑張ります。
≪強敵はハリケーンラン≫
ハーツクライの最大のライバルとされるのが
ハリケーンラン(牡4=仏国)。
英ブックメーカー各社のオッズでも
軒並み1番人気に支持されている。
昨年の凱旋門賞ではモティベーター(無敗で英ダービー制覇)、
シロッコ(BCターフV)、同レース連覇を狙ったバゴなど強豪を一蹴。
05年欧州年度代表馬に選ばれた。
9戦7勝2着2回と完ぺきな成績。
今年初戦のタタソールズゴールドC(愛G1)を快勝したが、
前走サンクルー大賞では早めの仕掛けが響いてプライドの頭差2着に敗れた。
今年のドバイワールドCを制した
エレクトロキューショニスト(牡5=UAE)も強敵。
昨年の英G1インターナショナルSで
ゼンノロブロイを差し切ったのは記憶に新しい。
キングジョージの前哨戦・英G1プリンスオブウェールズSで
エレクトロを封じたのが女傑ウィジャボード。
だが、昨年のJCに参戦し5着、ドバイシーマCでは4着止まり。
ハーツクライが2度の対戦でいずれも先着を果たしている。