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「オントキタイ」を知っていますか?2

2008-06-17 10:55:45 | こんなンで委員会
 ヤマボウシ(山法師)


6月12日の続きです。

ご存じのない方は、恐れ入りますが12日の分をご参照ください。

従兄弟のゆう君が、叔母夫婦の実子でないことは前に書きました。

他にも同年齢の従兄弟がおりまして、彼らが高校へ進学する時には、都市部に住んでいる叔父の家に寄宿することに話が決まっていました。

それぞれが希望する、スポーツの盛んな学校です。一緒に寄宿したけい君は、甲子園に出るのが夢なのだそうです。明けても暮れても「甲子園」の話ばかり。

この都市部に住む叔父は、子育ては「スパルタ方式」で有名でした。極端にいうと能力のあるものしかまるで認めないというタイプ。

悪い人ではないけれど、無闇に厳しすぎる。そこに「愛」があるのかどうか知らないですが、千尋の谷に突き落として、這い上がってきた子どもしか相手にしないのです。

私は幸か不幸か女の子だったので、初めから相手にされていませんでした。しかし可哀相なことに、親戚中の男の子たちは、一族の中で発言力の強い叔父に打たれっ放しです。叔父自身の子どもたちも、二人いる心優しき男の子たちはもっと気の毒な状態でした。

普通の子では、精神が持ちません。それほど、こと教育や躾に関しては「冷酷非情」ともいえる叔父でした。


後年、叔父はゆう君の母親にこう語ったそうです。「あるいは・・僕の教育方針が間違っていたのかもしれない・・」と。

ゆう君は叔父の所で寄宿していて、叔父さんの自分への仕打ちが、どうも同じ従兄弟のけい君へのそれと、違うと感じたのではないでしょうか。

叔父は、冷血の裏でヘンに情に脆いところもありました。誰それの子どもだから面倒を見る。誰それの子どもだから無条件に可愛い、という。

ゆう君が自分の血筋ではないことに、叔父自身が戸惑っていたのかもしれません。どうしても、けい君の方が可愛い。おのずとそれが、態度に出ていた様子です。感受性の強い高校生が、それに気づかないはずはありません。

従兄弟同士がヒソヒソ話をした時、あるいはそれは貰い子だからではないのか、などという公然の秘密に触れたのかもしれません。ゆう君は激しく動揺したと思います。

彼が実家に帰ったとき、母親に自分の出生のことを訊いたのも、この時期です。今は辛いけれども、高校は頑張って無事に卒業する。が、卒業したら叔父の家には二度と再び行かないから、と母親に宣言した。

それで、叔母はすべてを悟ったようです。

彼らは、無事に高校を卒業しましたが、二人ともスポーツ選手への夢は遠のいていました。もの静かなけい君はパティシエの道に、動的なゆう君はアパレル関係に進み、それぞれが成功への階段を上がっていった。

その後、子どもたちの誰一人として、叔父の家には寄り付かなくなったのです。叔父の実子たちでさえも。

ゆう君は一人っ子だったので、叔父宅で自分と同じように叱られていた、落ちこぼれの子どもたち二人を、本当の弟のように思うと言い、働くようになってからは必ずお年玉などをあげていたという。

叔父に捨てられた心か弱き子どもたちも、本当の兄のように懐いていたという。

このように書いてくると、まるで叔父だけが悪者のようになってしまったけれど、悲しいかな叔父も強いようでそうでもなく、時には試行錯誤や自己嫌悪で悩んだのではないだろうか。彼は彼なりに、良かれと思って信念で行動していたこと。

後年は、身辺がすっかり寂しくなってしまっていた。今はもう、すでに物言わぬ故人となってしまったのだけれども。。。(合掌)



 ヤマボウシ(山法師)


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コメント (11)    この記事についてブログを書く
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11 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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方法論の問題 (ひよどり)
2008-06-17 15:47:53
トーコさんの叔父さんに対する表現が微妙です。
読者として、「厳しい奴め」と思いたくなったり、
「単なるスパルタだったんだとなあ」と思ったり。
子供たちでさえ寄りつかなくなったのだから、
依怙贔屓があったのではなかったのだと思いたい。
返信する
ヤマボウシ (かずこ)
2008-06-17 15:53:28
清潔な感じのするヤマボウシですね。
初めて見ました。黒のバックにとても映えます。

オントキサン物語ありがとうございました。
結末はあっけないですね。
世の中こんなものかも知れません。

オットこれは私のひとり言!
子供さんは悩んだのでしょうね・・・
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訂正 (かずこ)
2008-06-17 16:37:50
ごめんなさい!オントキサンと書いてしまいました。オントキタイですね。訂正致します。
返信する
スパルタ教育 (山小屋)
2008-06-17 17:10:32
一時期、「スパルタ教育」なる言葉が流行りました。
同じ、スパルタでもその裏には必ず「愛情」がありました。今、学校などで先生が子供をぶったりしたら、たいへんな問題になるそうです。
それで「いい加減な子供」が育っています。
マナー教育ができていません。

トーコさんの叔父さんは自分が正しいと思ったことをしたのですから、それでいいのではないでしょうか?

最近、表に出なくなったのですか?
花が少なくなりましたね。
ヤマボウシはまだまだ元気です。
返信する
偏り (個風)
2008-06-17 19:09:28
子供の教育に関してはまだまだ手探り状態の個風です
ただ、現在の中学校の話を聞いていると…レベルの低さにただただ驚いています
どちらがいいとは言いません、バランスが大事なのだと思います。

リクエストにお答えして…
↓以下引用
『早漏が嫌いで、ラーメン好きで、みかんが好きで、六法全書が愛読書で、年寄りくさくて、鶯の鳴き真似が得意で、子供が好きな そらみろとうこ です』
・そうろうがきらいで
・らーめんずきで
・みかんがすきで
・ろっぽうぜんしょがあいどくしょで
・としよりくさくて
・うぐいすのなきまねがとくいで
・こどもがすきな
そらみろとうこです

By 勝手に自己紹介 http://kac.mixsn.com
↑ここまで。
気に入らなければ↑どうぞこちらで
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ひよどりさんへ (トーコ)
2008-06-17 21:27:13
ひよどりさん、こんばんは~

叔父に関しては極論でいえば、偉い人なのに性格に難あり、のような気がします。私の書き方も、どっちつかずで「難」あり、ですね

たぶん「愛情」はあるけれど、表現の仕方を知らなかったのではないでしょうか。

叔父と口ゲンカをしなかった人は、まずほとんどおりません、私も含めて。

叔父は「優秀」かどうかでしか、他人を見ない人でした。でも、”軍国少年”の一途さもありましたね。

コメント、ありがとうございました
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かずこさんへ (トーコ)
2008-06-17 21:36:34
かずこさん、こんばんは~

「オントキタイ」。。間違えても誰も知りませんから(笑)

もっと刺激的な物語を想像してました?物足りない?あはは。

フィクションなら書けますよ。時空を半世紀ほど後戻って、小説「オントキタイ物語」を書きましょうかね^^

う~ん、韓国ドラマみたいに、ネットの書き込みでストーリーをどんどん変えるという・・ひーー

今日も暑かったですね。岩手の方は大丈夫でしたか?コメントと訂正までいただき、ありがとうございました
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山小屋さんへ (トーコ)
2008-06-17 21:48:48
山小屋さん、こんばんは~

昔、「スパルタ教育」というのが流行って?その後「放任主義」に。。

私などは、外国の育児書を見て、子育てした口です。

それも、実情と合わず、やはり違ったような気がします。

でも、叔父に鍛えられてグレた子どもはいませんでした。根性だけはあるみたいです。それが、成果といえば成果です。私は圏外でしたので、根性はありませんよ(笑)

写真は今日もたくさん撮っていますけど、少数精鋭がいいかなと・・(それも実情に合っていないですか?)

お忙しいのに、コメントありがとうございます
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個風さんへ (トーコ)
2008-06-17 22:01:35
個風さん、こんばんは~

学校や教育問題は、今や複雑怪奇です。
単純に「大岡裁き」とは行かないようです。

教師とて人間。しかし、モンスター・ペアレンツの方ばかり見て、顔色ばかりを覗っているのもどうかと思いますし。

子育てが成功したかどうかなんて、親が死ぬ時になっても分からない、と言いますよ。親が死んでから、タガが外れる人もおりますしね・・

「そうろうがきらいで」。。私は「候」文が嫌いで、かと思いましたけど、ダメ?まぁ、「密通が好きで?」とか、言われた人もおりますし、甘んじて受けましょう~~

リンクまで入れていただいて、ありがとうございます。今度「休憩コーナー」にて、楽しく遊ばせていただくかも分かりません。その時はヨロシクです
返信する
スパルタに (桑畑)
2008-06-18 08:40:00
スパルタ懐かしい響きになりつつあります。
私はこのおじさんほどでないにしても、ある程度必要ではないかと思います。
私にできるかといえば、子供にメロメロの母で正反対でした。
今反省しています。
この教育を受けられてきたが、根性のある、社会に出ても通用する方が多いように思います。
すべてがそうではありませんが・・・

こういうお話が、聞けるのがうれしいと思いました。
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