7月の終わりあたりから昨日まで、とにかく慌ただしく、とんでもなく暑く、気持ち的にも身体的にも辛いとしか言いようのない8月だった、夏だった。
ホッと一息ついた今日(思いなしか気温も若干低めだったような)、娘からラインが入った「今夜トトロがあるよ」と。
大好きなスタジオジブリのアニメ「となりのトトロ」。
いったい何度観たことか。セリフも場面の一つ一つもそらんじている。
まだ8月や夏が終わったわけではないけれど、〆として、頑張った自分ご褒美として、なんてジャストタイミングなの。
9時からの放映、しっかり観ましたよ。
鼻歌交じりで余韻に浸っていると、「このシチュエーションどっかで?」と脳裏をかすめたのは、ホームページを開設していた頃のエッセーのページにも、トトロのことをアップしていたこと。
すでにホームページは消滅しているが、さまざまなコンテンツはPCに保存している。それを思い出し、ひっぱりだしてみた。
●トトロがやってきた!
「ね、やる?」
「うん、しよう、しよう!」
よーし、じゃあ急げ...。
話がまとまった娘と私は、いつものだらだらとはうってかわり、てきぱきと夕食の後片付けにとりかかる。一人が洗う、もう一人が拭いて棚にしまう、ポットの湯量を確かめ、台布巾をきれいにあらってかければ、ちょっと手抜きはあるがすべて終了。
「何にする?」
「やっぱりコーヒーがいいんじゃん、それにロールケーキがあったでしょ?」
「じゃーそれでいこう!!」
大きめのトレーに、たっぷりのコーヒーとロールケーキを乗せて私の部屋に行く。
「始めていい?」
「ちょっと待って、なにか掛けるもの欲しいな!」
私は愛用のウールの掛け布をまとって寝転ぶ。娘もブルーの可愛いミニ毛布を持ってくる。
準備は整った。
「さぁ、始めます」
おもむろに娘がスイッチを押す。
年に何回か、我が家ではこうして「となりのトトロ試写会」が開かれる。何かをしながらではなく、テレビの画面を見ることだけに専念し、トトロの世界にどっぷりと浸る。さまざまな場面も会話も、もうすっかり頭にはいっているが、それでもその度新鮮にうったえてくる不思議なトトロ。いつしかサツキやメイ達と一緒に泣き、笑い、驚き、期待を寄せる私達は、見終わった時、たくさんの笑顔と元気を取り戻し、世界一幸せな親子になっている。
娘は私をパキラおばさんという。
パキラというのは、切り口の所から細い枝が出て、そこに葉がついている観葉植物で、1本の枝に3、4枚の葉がついた15センチ位の小さいものだったら300円程で買える。何もしなくても育つのよ、という人もいるが、私の買ってきたパキラが、じつに良く育ってからはそういうことになった。パキラに限らず我が家のベランダの植物達は良く育つ。
何故か。
それはもちろんトトロのおまじないをしているからだ。
「大きくなぁれ、ーーーーン、パッ」
「元気になぁれ、ーーーーン、パッ」
こうすればもう大丈夫!! あとはお水をあげるだけ。
そんなわけでトトロは、我が家のあちこちの場面で重要なポジションをキープしている。
久しぶりにすっきりとした朝を迎えた今日、メールと掲示板チェックだけでもと、パソコンのスイッチをいれてみた。画像を貼り込めない私の掲示板だが「これなら大丈夫、ここをクリックして」とteruminのかきこみがあった。なんだろう、なんだろう・・・ワクワク。
クリックすると...美しいイントロの後に聞こえてきたのは ♪ト・ト・ロ、となりのト・ト・ロ♪ のメロディー。
3月10日夜、1月に風邪をひいて以来諸々くすぶっていた私の体が、とうとう赤信号を出し、38度超の熱が下がらなくなってしまった。それでもなんとか出勤、帰るなり倒れこむように布団に入っていたが、休み時間に受診した2医院では「風邪」とか「分からない、様子をみましょう」とか、はっきりしない診断。
土曜日、定期的にかかっている病院で初めて「...じゃないかな?」と病名らしいものを聞き、薬を貰った。この3日間、高熱の原因がわからない不安と、置き場のないような体の辛さとがあいまって、なんとなく弱気になり始めていたが、対処法を守り、薬を飲んで1日が過ぎたところでやっと熱が下がって迎えた朝だ。
七国山病院にメイとサツキを乗せていった猫バスのように、ネットで知りあった大好きな友達teruminが連れてきてくれた。teruminは、私の具合が悪いことを知らないはず。それだけにこの偶然の、彼女のあったかさと優しさが嬉しくて、トトロのメロディーを聞いているうちに涙がでてきた。そして、どんどん元気な心を取り戻している自分を感じた。急に体が軽くなった。
“くよくよしてなんかいられない、早く元気になって頑張ろう!”
1999.3.14
※文中のteruminは4/11の日記「私たち、25年間繋がっています」のTちゃん。
え?
25年前とのビフォー アフター、どこにも見つけられないじゃん!
私も先日放送あった「となりのトトロ」観ました~が途中まででした。
deckyさんと娘さんの思い出に残る映画、今も大切な映画なのですね。
「となりのトトロ試写会」全身全霊で観る
ほんと、いい時間ですね。
エッセイがほんと素敵
セリフひとつひとつも言えるなんて
メイちゃんが、トトロのお腹に腹ばいになって、ほんと安心したような寝息を
そのシーンも好きです。
宮崎駿監督がⅩでエンドロールの想いつぶやいていましたね。
こんばんは!
「となりのトトロ」はビデオでももっているので、いつでも見ることが出来るんですよ。
でも、なんでしょね、テレビで放映されるのは一味ちがうような。
それにしても25年前とほとんど変わらない自分に唖然です。さすがに
「大きくなぁれ、ーーーーン、パッ」
「元気になぁれ、ーーーーン、パッ」
のアクションはやりませんが、たまにその呪文を口にすることはあります。
自然や人物たちの表情などの表現の細やかさに心打たれます。
今では見ることが出来なくなった自然の表情は圧巻です。
今回は久しぶりにみましたが、糸井重里さんのお父さん最高!「子供と友達でいられるお父さん」の声のイメージで選ばれたそうですが、ピッタリです。そしてお上手です。