21世紀 脱原発 市民ウォーク in 滋賀

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司法の 独立性の現実 について 

2017-04-07 11:29:09 | 記事
■ 第58回・脱原発市民ウォークin滋賀のご案内 ■

  2017年4月15日午後1時半:JR膳所駅前広場に集合


みなさんご承知のように高浜原発3,4号機の再稼動差し止めを求める
仮処分に関する抗告審の決定が去る3月28日に下され、
大津地裁による再稼動差し止めの処分は取り消されました。

次いで4月30日には広島地裁により
四国電力伊方原発の運転差し止めを求める仮処分の申し立てが
却下されました。
これらの裁判結果はある程度予想されたこととはいえ、ほんとうに残念な結果です。

◆三権分立:司法の独立性の現実について

脱原発弁護団全国連絡会によると(http://www.datsugenpatsu.org/bengodan/list/)、
東電福島原発の事故以前に提訴されていたものも含めて、現在、原発の安全性に
関連した訴訟は全国で四十数件行われているとされています。

運転差し止めを求める仮処分の申し立ても含めて、
これまでの原発の安全性に関する裁判における福島原発事故前の勝訴数は
電力会社・国側が36件、住民側が2件でした。

それが福島原発の事故後には電力会社側が6件、住民側が4件となっています


福井新聞3月27日よりhttp://sokuhou.fukuishimbun.co.jp/news/20170328p1.html


福島の原発事故から後、上記のように住民側が勝訴する例は
増えてはいるのですが、いずれも地裁レベルでの判決あるいは決定です。
しかしながら、高裁レベルにおいて住民側が勝訴した例は、
記憶違いかもしれませんが私の知る限りでは、高速増殖炉「もんじゅ」
に関する名古屋高裁(金沢支部)による2003年1月の控訴審判決
以外にはないのではないかと思います。

この控訴審は原告側が専門家を動員して正面から具体的な技術論を
詳細に展開して勝訴するという画期的なものでした。
しかしながら、この「もんじゅ」の炉心崩壊による事故の可能性を
認めた控訴審判決も2005年5月末に最高裁(第一小法廷)により
控訴審判決が棄却されており、最高裁で住民側が勝訴して判決
あるいは決定が確定した例はこれまで皆無です。

このような状況を考えますと、高浜原発3,4号機の再稼働差し止めを認めた
大津地裁の決定が大阪高裁で取り消されることは、まことに残念ですが、
十分に予想されたことでした。

なぜこのようなことになるのでしょうか。
様々な要因が考えられるのですが、その大きな要因の一つは
日本は民主主義国家であり三権分立が大原則であるはずではあるものの、
この大原則が十分には確立されていないことにあるのではないかと思います。

同じ三権分立であっても、米国の場合、三権分立は日本よりは
画然としているように思われます。

たとえば、みなさんもご存知のように、
行政府の長であるトランプ新大統領の主要な政策や方針に対して、
立法府である議会と裁判所は毅然とした態度で臨んでいます。
このため、北アフリカ・中近東諸国からの人々の入国を一時的に制限・禁止する
大統領令は連邦裁判所により違法として禁じられ、
また医療保険制度オバマケアの代替策も立法府である議会が受け入れてない
という事態が生じています。

一方、日本においては、関係者によれば、
「三権分立であるから行政権を尊重して司法が行政(政府・違法自治体)の
行為に口を差し挟むのはできるだけ控えるべきだ」という考えが
司法の側にあるとのことです。このため原発訴訟に限らず
他の住民による訴訟においても、住民側が最終的に勝訴する例は
決して多くありません。地裁レベルで勝訴しても二審の高裁レベルで敗訴
と言う例は珍しくなく、地裁と高裁で勝訴していても最高裁で敗訴
という例も少なからず存在しています。

私も滋賀県や大津市に対する住民監査請求を経ての行政訴訟の原告として、
一審で完全に勝訴したものの二審で予想もしていなかった逆転敗訴
という経験を二度しています。

小さな住民訴訟でもこの有様ですから、
政府の最重要政策のひとつである原発政策に関連を有する訴訟において、
政府の立場を慮った決定が下される可能性が大きいことは避け難い現実です。
このため、原発訴訟は今後も厳しい状況が続くものと思われます。
しかし、あきらめるわけにはいきません。
今後もみなさんと一緒に一歩一歩努力を続けたいと思います。

私はこの大阪高裁での抗告審に際して、事前に県内での大きな集会などで
大阪高裁の裁判長あての《司法の名に恥じることのない公正な決定》を
求めるハガキを数百枚配り、みなさんにご協力をお願いいたしました。
結果的には何の効果もなかったことになるのですが、
ハガキを裁判長あてに送ってくださった方々にこの場をお借りして
心より感謝申し上げます。

脱原発市民ウォークin滋賀は、様々な立場の自由な市民によるデモです。
誰でも自由に参加できます。
あなたの自身のスタイルであなたの意思を表明してください!

2017年4月7日

《脱原発市民ウォークin滋賀》
呼びかけ人のひとり、池田 進
電話/FAX:077-522-5415
Eメール:ssmcatch@nifty.ne.jp


<脱原発 市民ウォーク in 滋賀> 4月の予定 → コチラ

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