21世紀 脱原発 市民ウォーク in 滋賀

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老朽化した原発の 運転延長に 強く反対する

2016-08-09 23:04:56 | 記事
■ 第53回・脱原発市民ウォーク in 滋賀のご案内 ■

8月20日(土)午後1時半、JR膳所駅前広場集合


< わずか3年で完全に形骸化した原発運転40年ルール >

◆去る8月3日、40年を超える運転を目指す関電美浜原発3号機について、原子力規制委員会は関電の安全対策の基本方針が新規制基準に適合すると認めました。

このあと設備の設計などに関する認可が必要とされていますが、新基準への適合は事実上の合格証です。

すでに20年間運転を延長することが正式に認可されている高浜原発1号機、2号機と同様、今年中に正式に運転延長を認可されることは間違いないものと考えられます。

 
◆原発の運転期間を40年までとする原則は、福島第一原発の事故を踏まえて民主党政権下の2013年7月に改正された法律(原子炉等規制法)に明記されました。

電力供給への不安を理由に最長20年の運転も盛り込まれましたが、「当時の野田佳彦首相は《例外的な場合に限られる》とし、(規制員会の)田中委員長も《延長は相当困難だ》と語っていた」とされています(2016年2月25日付け朝日)。

「40年を超える古い原発は不測の事故を予防するためにも閉じていく」という法律の趣旨に基づき、運転期間の延長はあくまでも例外だったはずです。

しかし高浜原発1号機、2号機の延長正式承認に続き、このたび美浜原発3号機が新基準に適合するとして事実上の合格証を与えられたため、今後運転期間の延長を申請する原子炉はすべて「例外なく」延長を認められることになるのではないかと危惧されます。

 
◆高浜原発1号機、2号機がその安全対策の基本方針が新規制基準に適合しているとされたのは今年2月、正式に延長が認可されたのは6月21日ですが、この正式の認可よりも以前の5月18日に、滋賀県庁内の危機管理センターにおいて、「平成28年度第1回滋賀県原子力安全対策連絡協議会・滋賀県原子力防災専門会議合同会議」が開催され、私も傍聴しました。

この会議には原子力規制庁の担当者と関電の代表者が出席し、県の専門会議の委員、県下の自治体の防災関係者に対して、運転開始から40年以上が経過している関電の高浜原発1,2号機について、未だ運転延長が正式に認可されるに至っていないにもかかわらず、運転期間の延長を前提にした説明を行いました。

 
◆危機管理センターの代表者などが運転延長に対して懸念を表明したものの、県側の関係者からはいわゆる40年ルールを理由に運転延長に明確に反対する声は聞かれませんでした。

しかし県の専門委員を務める京大の准教授からは鋭い質問や指摘が行われました。たとえば「福島原発事故以前における運転期間の規制についての考え方との比較において、事故後の40年ルールについて説明してほしい」という質問に対しては原子力規制庁の担当者は事故後に設けられた40年ルールについてとりたてて説明することを行わず、あいまいな答に終始していました。

また原発のような大きな施設を建設する場合にはあらかじめ耐用年数を設定しているはずではないのかという関電への質問に対して、関電の代表者は「必ずしも耐用年数をはっきり設定しているわけではない。このたび原発の施設に関して調査したら、まだまだ使用できるということが明らかになったということだ」という弁解じみた答をしていました。

またこの准教授は炉心が中性子を浴びることによる劣化はある時点で急激に進行することがあるため、運転期間を延長する場合は、すべての装置や部品に関して詳細に劣化に関する記録を取るべきだと指摘していました。

 
◆この県の会議は高浜原発1号機、2号機の運転延長が正式に認可された6月20日よりも以前に開催されたものであるにもかかわらず、説明を行うに際しての国と関電の姿勢は明らかに運転延長は当然であるとするものであり、運転延長は例外的にしか認めないとする2013年7月に法律により定められた「40年ルール」の存在をまったく無視するものでした。

 
◆1970年代に建設された古い原発は最新鋭の原発に比べて設計や施工などの面で不十分な点があることは否めず、放射能に著しく汚染された原子炉中心部の装置や部品などを交換することは不可能であるため、他の部位の機器類などの交換が可能であっても、安全性の向上には自ずと限界があることは明白です。


◆福島原発事故が発生した当時、1970年代に運転を開始した原発は18基存在していましたが、このうちの11基はすでの廃炉が決まっており、残る7基のうちの5基は関電の保有するものです。

原発の延命にこだわる関電の姿勢は、他の電力会社にくらべ際立っています。

 
◆もとより政府は福島原発事故を踏まえて原発依存の程度を低減していくと公約しているのです。

この公約の実現のためには、40年で廃炉にするという原則を厳守することが必要であることは言うまでもありません。

これ以上例外のうえに例外を重ね、運転延長を認める原子炉を増やせば、原発への依存を強めることになり、40年ルールを無視することになるばかりでなく公約にも逆行することになります。

 
◆安倍政権は2030年度における原発への依存率20~22%と想定していますが、40年ルールを厳守すると、既存の原発と建設中の原発のすべてを稼働させても2030年度の原発による発電比率は15%程度にしか達しません。

このため今後も安倍政権は、運転延長の申請が行われた原子炉について40年ルールを事実上反故にして、すべて認可するよう、原子力規制委に圧力をかけることになるのではないかと思われます。

  
◆このような厳しい情勢にあるのですが、私たちはとりわけ危険性が大きい老朽化した原発の運転延長に強く反対していかなければなりません。

ぜひ次回の脱原発市民ウォークに参加くださり、あなたの意思を表明してください。

《脱原発市民ウォークin滋賀》
 呼びかけ人のひとり、池田 進
 電話:077-522-5415
 Eメール:ssmcatch@nifty.ne.jp

<脱原発 市民ウォーク in 滋賀> 8月の予定 → コチラ