鎌田実の野球教室

元トラ戦士が分かりやすく指導!

特別編…慌て過ぎ

2009-10-22 10:10:48 | 少年野球
 少年野球でよくある気になるプレーの1つとして“慌て過ぎる”ということがある。慌ててミスを犯すことが多いのである。慌てることは子供に限ったことではないが、小学生から中学1、2年生くらいまでの少年野球に特に多い。

 慌てるということは、一言でいえば技術的にも精神的にも未熟ということだが、相手をよく知らない、見れない、プレーに間が作れない、気持ちの整理がつけられないなど様々な要素がある。慌てることをもう少し抑えられれば、失点は半減するのだが…。その年代の子供には難しいようだ。

 慌てるプレーの中でも次に挙げるようなプレーが多い。

1、投手が二塁牽制時、投手はセットに入ってから1、2、3とカウントしてから二塁に振り向いて投げるような指示をしても投手のカウントも早いし、野手がベースに入るのも早い。早すぎると走者が離塁する間がない。これではアウトにできない。慌てるからだ。

2、一、三塁に走者を出したとき、相手投手は三塁に投げる牽制のふりをして、振り向きざまに一塁に牽制する。あらかじめ一塁走者には注意しているのだが、飛び出してしまう。

3、左投手のとき、一塁方向に真っ直ぐに上げた足がホーム方向に角度を変えたときにスタートだと言っても、足を上げたときに飛び出してしまう。

4、右投手のときでも同じだ。盗塁のサインを出すと投手がホームに投げようとする動きがまだないのにスタートを切ってしまう。

5、投手前への緩いゴロ、そんなに慌てる必要がないのに悪送球。

6、ファンブルした後、慌てて拾ったボールを間に合わない塁に送球して悪送球と二重のミス。

7、ランダンプレーで走者を挟んで「しめた」と思ったが、挟んだ方が慌てて塁間を行ったり来たり、あげくの果てには悪送球。

8、無死または一死、走者三塁で「打球が内野を抜けてから走れ」と言ってあるのにショートゴロで飛び出してしまう。

9、無死または一死、走者三塁で「外野フライはタッチアップだぞ!!」と言ってあるのに外野フライで飛び出してしまい、タッチアップができない。

 子供たちの走塁は、打球が飛ぶと全てが「ゴー」になってしまう。身体が前に行きたくてしょうがないのだ。「行く」「止まる」「戻る」の判断がつきにくい。これらの慌てるプレーの解消には、実戦で一度、二度とミスを犯して痛い目に合い、そして反省、解消していくものであって、練習ではなかなか解消できるものではない。そのためにも練習試合は数多く必要であろう。

 私は、中学硬式野球をはじめて9年になるが、毎年1年生の試合になると同じミスを繰り返す。どんなミスが多いか分かっているから練習で教えるのだが、それでもゲームになるとそのミスを犯す。しかし、2年生の夏頃になるとそのミスも徐々に解消、自分たちで注意することになってくる。第一段階として指導者はそこまで辛抱である。