銀座大幸歯科

銀座大幸歯科院長ブログ

塩加減

2006-10-20 14:10:02 | Weblog
僕は比較的、濃い口が好きだ。

母が栃木の出身であるので、おのずと濃くなってしまった。
しかし、母の手料理を食べなくなり、18年が経過した。
帰省したときに食べた母の食事は、僕にとって過去の物になってしまった。
今となっては、もう、濃すぎて食べられない。
母には申し訳ないのだが、味噌汁にお湯を注いで飲んでいた。
それでも、僕の好みは濃い口だ。

住む場所、気候や季節などによって塩加減が大きく変わる。
ヨーロッパ、特にフランスを旅すると味の濃さに驚く。
この僕でも塩辛すぎて、食べれたもんじゃない。慣れるのに一週間はかかる。
慣れたころに、帰国しなければならないので困ったものだ。

そもそも、人間の体の7割は水分で成り立っている。そして、その水分に塩分を取り込まなければ、人は生命を維持することが出来ない。
体内を流れる血液も、胎児を育むための羊水も、そのミネラルバランスは生命の発祥地である海水と関係があると言われている。

世の中は、いまだに減塩ブームだが、塩分の不足を招くと、強い心身を維持することは難しくなります。塩は量より質である。
塩をどれだけ減らすかということを考える前に、まずはどんな塩を選ぶかということのほうがよほど重要である。
基本的に、精製された科学塩ではなく、マグネシウムやカリウム、カルシウムなどを含んだ自然塩であることが重要である。

専売法が廃止され、自然塩を買おうと思えば、沖縄、小笠原、能登、新潟などの塩のみならず、フランスやモンゴルの岩塩も手に入るようになった。

用途に合わせて自分の舌で塩を選び、使い分けると面白い。

ちなみに僕は、天麩羅のときにはフランスの岩塩で食べる。
味が濃くて、旨い。

年とともに、母親の味が恋しくなってきたのだろうか。

濃い口の母は寝たきりになり、手料理は、もう二度と食べることが出来ない。

味噌汁を薄めて飲んで、ごめんね。