花房東洋先生との出会い 榎木孝明

時代劇再生プロジェクト代表

　私達の人生は宇宙の真実を探す旅です。自分は何故生まれて来たのか。自分は誰なのか。歴史とは、その命題に向き合って来た人類の記録であるとも言えます。その時代の日本に生まれて来た意味を私達一人一人が真摯に受け止める時、自ずから多くの問題が解決していくような気がします。
　これまでの歴史を振り返ってみると、時代が大きく変って来たのが私達民衆の意識が高まった結果だと解ります。それも人が時代を創ると云うよりは、時代が人を生んで来たと云う方が真実ではないでしょうか。
　人の意識が社会変革に成功した事もあれば、失敗した事もありました。失敗の方がはるかに多かったと言えるかもしれません。しかし、問題意識を持ちながら何もせず人生が過ぎるより、今の自分に出来る事を考え、行動に移してこそ、この世に生まれた意味を、より実感することができるのではないでしょうか。
　たとえ世間的には失敗に見えても、実はそうではなかったということは少なくありません。何故なら、後世の私達にその思いは継承されて来たからです。成功か失敗かよりも、その意思活動こそが、次の世代へのメッセージとなります。先義後利の熱き思いこそが、今の日本には必要なのではないでしょうか。
　かつて志半ばで散って行かれた全ての諸先輩方に心よりの敬意を表すると共に、貴方方の生と死を決して無駄にしないと肝に銘じたく思います。そして私も喜んで時代の礎になりたいと思います。
　花房東洋先生との出会いは、私にとって暁光でした。人物との出会いは時間の多寡よりもその濃密度を良しとする、そんな出会いを幸せに思います。その出会いは人生の醍醐味でもありました。今後私に歴史の礎になるために何が出来るのか、引き続き御教示を下さいます様に、末永いお付き合いをお願い致します。