韓国済州島のタクシー兄貴のつながりで、大分在住の方と知り合い、その方が以前神保町の古本屋で買った本を今回借りて読む事になった。
その方は以前韓国籍だが、家族全員で帰化したとの事。
その方の両親がこれからの事を考え、その方が小学生の頃、家族全員で変更したとの事。
国籍が「日本」だからかどうかは知らないが、その反動なのかどうなのか知らないが、「在日韓国朝鮮人」にもの凄く興味を持っている。
そんな方からお借りした本の題名が「65万人-在日朝鮮人-」。
60万でも無く、70万でも無く「65万」
何らかの意味が有って「65万」なのかな?と思って見てみると、この書籍は「朝日新聞」に1976年2月から4月にわたって連載されたのを本にした物。
1976年って言うたら、私が3歳の頃の本!!(下の画像がその本)
そんな時代の本を今読んでみると、本当に新鮮だ。
私らが小さい時に、日本国内で犯罪おかしたら「大村」に行ってもう日本には来られへんと聞いていた、長崎県の「大村収容所」の話しとかが載っている。
いくつか自分が記憶が残っている事、これはメモしたいな!と思ったのをピックアップして書いてみようと思う。
くれぐれも言いますが、この本は1976年頃に出た本なので、その当時と思って読んで頂ければと思います。
(行間空いたら違う話です)
宝塚、武庫川の河川氾濫防止工事で朝鮮人が出来た地名が「ヨンコバ」と言うらしい(初めて知った)
第四工事場の略で「ヨンコバ」と言うと書いていた。(こんなん、その当時の書籍読まんと知らんなぁ~)
昔、大阪市都島区には在日韓国朝鮮人の為だけの結婚式場が有ったと書かれている。
名前は「美都苑」。
今度、大阪の実家に行った時、機会有れば母親にでも聞いてみよ(*^_^*)
朝鮮籍、韓国籍から日本に帰化した方達の「成和クラブ」と言うのもピックアップされている。
帰化した人達を、韓国朝鮮人からしたら「裏切り者」、日本人からしても「韓国朝鮮人」
結局、どっちつかずな状況だと事。
そんな帰化した人達の一番の心配事は息子、娘の結婚問題。
日本人とも結婚出来ない、韓国朝鮮人とも結婚出来ないから、非常に困っていると書かれていた。
大阪にある総連系の朝鮮学校と民団系の金剛学校、白頭学園。
この中で白頭学園に関しては、設立当初は中立な学校だった事をこの本を読んで分かる。
「祖国の統一」、「民族の統一」をうたって設立した学校で、当初は北からも南からもいくらかの援助金を貰っていたとの事。
この白頭学園から卒業した人の中には総連活動家、民団活動家になった方も多いとか。
しかし、この本にも書かれていただが、1977年頃から白頭学園の校舎に「太極旗」が掲げられたとの事。
日本に住むから日本学校に通わせ、帰化して日本人として育てた父親。
しかし、就職の時に戸籍謄本を提出し、就職する本人は日本人であったにせよ、父、祖父達が完全たる朝鮮人との事で就職の内定を拒否される。
これを知った父親が、日本人として育てたつもりがこの様な形で拒否されるとは…と憤慨し、そこから朝鮮語、歴史、文化を猛勉強したとの話。
当時、朝鮮人だから職にありつけないとの事でグレて日々ケンカに明け暮れていた少年(19)が、少年院に送られた。
その数日後、朝鮮学校の3人が日本高校との対立でケンカになり少年院に送られた。
日々ケンカに明け暮れていた少年(19)からしたら少年院では先輩なのだが、この朝鮮高校の3人が朝鮮人と言うのを隠さず、そして誇らしげにしながら少年院生活を送っていた。
それを見ていた少年(19)は自然に朝鮮高校の3人と話す事になり、そこから少しずつ朝鮮語とかを朝鮮高校の3人から教えて貰う(本来、少年院ではそんな事するのは禁止)
少年(19)は少年院を出所して更なる朝鮮語を勉強し、自国の文化、歴史を勉強し、活動家になったとの事。
納税の義務は果たしているのに国民の権利を享受してない事に不満を感じる在日の会社社長。
朴正熙大統領の在日僑胞に対する棄民政策にも書かれていた。
使うだけ使って後はポイ!
当時の民団東京本部 副団長が韓国で逮捕、そして死刑宣告を受ける。
私が記憶に残っている、もしくは共感したりこれは控えたいと思ったのはこんなもんですわ(*^_^*)
後、もう一つ!
そして編著者の宮田氏はこの様にも書いている。
「在日朝鮮人問題とは、第二次世界大戦後、民主主義国家として生まれ変わったといわれる日本という国の、そして日本人という民族の実相をたえずあばき出す鏡ともいえる(195頁から抜粋)」
これを読んで、ピン!!と来た私。
NHKドキュメント 「戦後史証言プロジェクト 日本人は何をめざしてきたのか」 「第4回「猪飼野」」だ。
以前、私のブログでも、「日本人が何をめざしてきたのかと言う内容に何で「在日コリアン」をリンク?!?!?」と書いた事があったのだが、宮田氏のこの文章で色んなのがつながった。
NHKドキュメントでもやっていたが、既にこの事を宮田氏は1976年には言っていた。
この本は2部構成となっており、第1部は先程書いた色んな人達の内容が書かれており、
第2部は、編著者宮田氏が何故在日韓国・朝鮮人が日本に多く住んでいるのかと言うのを細かく説明し、そして在日韓国・朝鮮人のその当時の国籍状況、生活とかに関して細かく説明している。
過去の歴史から始まり、何故日本人が朝鮮人を蔑視するのかと言うのを鋭く書いている。
第2部を読んで改めて在日の事細かな「歴史」を勉強した私。
読み終えて思う事。
こんな本、ちょっとやそっとで巡り会う本では無い。
私が3~4歳頃に出た本を今40歳の年齢になって読んで本当に勉強になった。
この本を貸してくれたあの方に改めてお礼を言いたい。
こんな貴重な本を紹介してくれて、そして貸してくれて本当に有難う。
第1部を読んでいると、本当に1970年代に戻った様な気持ちになる。
同じ同胞が境遇した事案なので、共感する事多いから1970年代に戻った様な気持ちになるのかな?
まぁ~、ホンマにエエ本でした。
在日の歴史に興味有る方、オススメですわ!(*^_^*)