□作品メーカーサイト 「原子力戦争 Lost Love」
□監督 黒木和雄
□脚本 鴨井達比古
□原作 田原総一朗(「原子力戦争」/筑摩書房)
□キャスト 原田芳雄、山口小夜子、風吹ジュン、浜村純、戸浦六宏、阿藤海、岡田英次、佐藤 慶
■鑑賞日 2月12日(日)
■自宅鑑賞
■cyazの満足度 ★★★(5★満点、☆は0.5)
<感想>
芳雄ちゃんが昨年7月に亡くなった。
原田芳雄&黒木和雄の名タッグ作の中で"幻の作品"と化していたのが、
福島原発のお膝元・いわき市でロケを敢行した社会派サスペンスだ。
これ、一度ビデオ化されたが長い間廃盤扱いだったものがDVDで発売された。
芳雄ちゃんの主演&出演数が多かったのはこの黒木和雄監督とのコンビだった。
最後は『父と暮らせば』だったかな~
まだまだ芳雄ちゃんは若いし、原発問題に正面から向かう黒木監督も若々しい。
角が取れていない無償な真っ直ぐさがこの映画の軸になっているのも事実だろう。
あの当時にこの映画のようなメッセージ性の強い作品を撮ることは、
間違えば命取りになったかかもしれない。 時代を経てもそれぐらいの緊張は映像から伝わってくる。
現に当時の福島原発の受付まで、まるでマイケル・ムーアのようにアポなしで撮影に入っているし、
原作者の田原氏は「中まで入って警察に捕まらなきゃ」なんて笑ってインタビューに答えてるし(笑)、
「黒木監督は3割くらいは芳雄ちゃんが逮捕されるのを望んでいたのではないか」と語っている
ちなみにこの映画の撮影中はずっと東電の監視者が現場近くに張り付いていたようです。
面白いのは芳雄ちゃん演じるチンピラの坂田はヒモ同然の遊び人。
ただその相手が母親の三回忌に出るために帰省したが戻って来ない。
そこで坂田は彼女を追って彼女の実家を訪ねたところから大きな事件に巻き込まれる。
まあ見事に真白なスーツにグラサン姿の坂田はチンピラそのもの。
町をうろうろしてたら一目瞭然(笑)
ここで坂田は亡くなった原発技師の未亡人(山口小夜子)や相手のの妹(風吹ジュン)たちと接触。
(山口小夜子は妖艶で摩訶不思議、風吹ジュンはまだアイドルの名残りを残していた。
この時代に二人ともノーブラなのは刺激的だった)
更に東京から左遷されてきた新聞記者・野上(佐藤 慶)とも出会ったことで、
全く関係ない原発の隠蔽された悪の部分に触れていかざるをえなくなる。
芳雄ちゃんだけならそうでもないが、新聞記者として佐藤 慶が加わることで、
監督が意図する社会派ドラマとしてのメッセージ性の強い色濃い作品に仕上げているのだろう。
特殊な音楽はやはら耳について仕方がなかったが、ここで思う原発事故は、
東日本大震災で打撃を受けた福島原発に共通する“何か”を秘めている。
原発推進派によれば、原発建設はエネルギー資源に乏しい日本国の
将来を支えるための必要不可欠な国家プロジェクト。
しかしその裏では、利権や見返り、また税収等官民入り乱れて「原発」を利用する。
損を見るのはそこに生活する住人たちなり。 どこで描かれる絵も同じなのかなぁ。
そしてそのとばっちりは地域住民だけでなく、われわれにも電気料金の値上げと言う
わかり易い形でおとずれる。
“公的資金注入”しないで“ラブ注入~”だけにしとけって(笑)
芳雄ちゃん、若くてワイルドでカッコいいけど、芸風は全く変わってませんなぁ(笑)
>芳雄ちゃん、若くてワイルドでカッコいいけど、芸風は全く変わってませんなぁ
確かに(笑)
でも、これを御覧になったのなら、かなり
芳雄ちゃん好きですね(笑)