お~カナダ! たてよこナナメ歩き

主にカナダ🇨🇦西海岸の生活話と少しアメリカ🇺🇸のことと音楽について

「ちょっと寄っていって」遠慮すべき?

2020-10-11 10:25:45 | 2020年の暮らし


トウモロコシが旬!
巨大な箱に山と積まれた皮付きひげ付きの新鮮なトウモロコシが店頭にあるとうれしくなります。
例年なら、その場で皮をむいて専用のごみ箱に入れて、中身だけを買って帰ってもいいのですが、
今年は新型コロナ感染予防のため、皮を剥かずに買ってもって帰ってくださいと注意書きが貼ってありました。
まあとにかく甘くてみずみずしくておいしい!
一本日本円で60円足らずで、なんか申し訳ないくらいです。


さて、わたしの悩みは、知人・友人宅に用事があって行く場合、玄関先で
「ちょっと上がっていってよ」
「もうお茶も淹れてあるのよ」
と言われたらどうしたらいいのかなと。
友情 と 新型コロナ感染対策
誘ってもらってもお邪魔しない方が本当の友情なのかな?
本当は一緒の時間を過ごしたいけど、あなたに何かあってほしくないから、って気持ちちゃんと伝わるのかな?
長文になります

もちろん、ローカルルール的にはどうか?ということもあります。

たしか昔有名なコマーシャルか何かで、京都の人に「寄っていって」と言われてほんとに家に上がると暗黙のルールを知らないなぁと呆れられるというようなのがあった気がしますが、こういうルールがあるとすれば、現地人同士は暗黙の了解なのですが、現地人でなければどういう解釈をすればいいのかが難しいことが多いです、京都の場合だけじゃなくて。

文化的に、そういう掟みたいなのはほとんどなくて、誘っているときは本当の意味で誘ってるって解釈すればいい場合はわかりやすいんですが、今は新型コロナがあって複雑です。

以前どなたかにおいしいお菓子をいただいて、子どもたちと食べていて、最後に一個だけ残りました。
関西でいう「遠慮のかたまり」。
長女が私に「お母さん、要る?」と聞きました。私は「ええよ、長女ちゃんが食べたら?」と答えました。
そこで長女がニヤッと笑って
「お母さん、それ遠慮? 私は三回聞かないよ。食べたいんだったら食べたほうがいいよ」と言いました。
三回聞く、というのは、長女の観察では、日本人同士で何かをすすめるとき、「どうぞ」「いえいえ」を二回ほど繰り返したあと、「どうぞ」ともう一度言われてやっと「そうですか?では」と言ってからいただくという習慣があるということで、ここでは要るなら要ると初めに言わないと要らないと思われるよというアドバイス。
日本人は無意識にやってます。日本語がほぼ完ぺきに使える長女ですが、北米育ちですからこんな技はできません
そういう儀式みたいなのは、日本に来たばかりの人とか、習慣を知らない人にはわからないじゃないですか。日本で生まれ育った私でさえ、長年カナダに住んでいるので、かなり「空気読めない」人になっているんじゃないかと思います。

言葉だけじゃなくて、ベースにある意味や習慣を理解してこそちゃんと双方のコミュニケーションが成り立つし、不愉快な場面を少なくすることができると思います。

以前研修会で聞いた話は、南米の日系人の若者が日本にホームステイに行った時のこと。その若者は自宅で日本語を使っていたので日本語がほぼわかるレベルでした。ホームステイ先に着いたとき、ホストファミリーのお母さんが
「自分のおうちだと思ってくつろいで好きにしていいのよ」
と言いました。時差ボケもあり、若者は夜中におなかがすいて、台所に行って夜食を食べました。
翌朝、お母さんが冷蔵庫を開けてビックリ。置いてあったおいしい食べ物が食べられてしまっていたから。それでホームステイを扱っている学校に電話しました。
「ホームステイの子が冷蔵庫を勝手に開けて中のものを食べちゃうんです!」
担当者の回答は
「お母さん、その子に、ここでは好きにしていいよと言いませんでしたか? 日本語が完璧に理解できたとしても、ベースにある習慣や文化が違うので、言葉を理解しても、お母さんの言わんとすることが理解できない場合がありますよ。」

言葉の意味を理解したとしても、その裏にある習慣とか解釈の仕方とか、それがわかるわけじゃないんですよね。
私は今でもここで言葉がわかった気になっているだけで、本当の意味や共通の習慣がわかっていないかも?と疑問に思うこともあります。

カナダに来たばかりの頃、長女の友達のお母さんが朝、学校に子どもを送って行った時に、仲良しの子たちの母親何人かに声をかけて「今日は登校時間短いから下校を待ってる間うちでちょっとお茶しましょうよ」と招待しました。
気軽に来てね、というだけのお誘いメッセージ。
せっかくなのでお邪魔しました。ちょっとおしゃべりするだけかなと思って学校から直接。
そしたら、ほかのみんなは速攻で家に帰って、それぞれ食べ物か飲み物をもっていってたんですね。結構気を遣って。
はぁ、わかりませんでした。
参加者はみんな現地の人ですから、私みたいな新参者の視点はないですよね。その場で浮きました 片身狭い狭い。

さすがに20年以上住んでいると、だんだんとなんとなくですが、冷や汗かきながら、こういう場合はどんなもの持っていくとか、何も持っていかない方がいいとか判断つくようになってきましたし、わからなければ聞くようになりました。カナダに住んでると言ってもいろんな人種の人がいますから、相手の習慣によって違ったりもします。

普段からわかってるかわかってないか多少不安もありながらのおつきあいなのに、新型コロナの出現で、今まで通りの考え方ではちょっとどうしたらいいかわからなくなってしまいました。
文化や習慣の違いに加えて、人によってウイルスをどれくらい恐れているかが違いがあり、さらに、それを考えたうえで友情とか歓待とか、どのように応えたらいいのかというのが難しい。

かなりお世話したりお世話になったりしている友達が、いつもぶかぶかのマスクをしていて、ほかには持ってないようだったので、自分のマスクを作るときに彼女の分も作りました。
それで時間ができた時に電話してからもっていったんです。マスクの事は伝えずに。
電話では、すぐ帰るから、家には入らないからねと伝えました。
玄関をノックしたら彼女がでてきてニコニコしながら
「入って入って。おいしいお茶を淹れたのよ」
というのです。楽しみにして待ってたのよ、と。

これはどうするべきだったんでしょうね。

お茶を淹れて待っててくれて、入ってって言ってくれて、でも断るべきなのかな。
友人としてどうするのがよかったのかな。
歓待に応えるべきか、室内はやめておきましょうねと言って帰るべきか。
お掃除もしたの、と嬉しそうに言うんですよ・・・。

夏の間に会ったときは、裏庭に椅子を出して、さらにマスクして距離おいておしゃべりしたんです。
この日は雨。

結局、ちょっとだけね、と言って入らせてもらいました。
距離を開けて座りましたが窓は閉まってました、雨が強く降ってたし、結構寒かったので。
始めの方こそマスクしてたんですが、お茶を飲んでいるうちに外してしまいました。
焼きたての手作りクッキーもすすめてくれたので、いただきましたし。
もうずいぶんこんな風に友達とおしゃべりしていません。
話に熱中してしまいました・・・マスクをつけないまま。
そして思っていたよりも長居・・・。
申し訳ない気持ちでいっぱい。今となってはお互いに何事もないことを祈るしかできません。
換気してねと言って帰ったのですが・・・。家に帰ってから謝りの電話入れました。

この週末は感謝祭Thanksgivingで連休です。
主に家族で集まってローストした七面鳥(丸焼き)やパンプキンパイなどの食卓を囲みます。
(うちは丸鶏とアップルパイですが・・・)
これから、感謝祭、ハロウィーン、クリスマスなどなど、知人友人で集まる機会が続きます。
新型コロナは無症状の人からも感染が広がる可能性があるのでとっても困りますね。
二女は車で30分ほどのところに住んでいます。感謝祭には家に帰ってきます。自分の家に帰れない友達も一緒に。
わが娘とはいえ、まったく違う生活してるなら、ほかの家庭の人が来るのと条件はほぼ同じだと思います。
息子にいたっては、同居ですが毎日学校に通っています・・・。若いから無症状感染者かも。
そんなこと考え始めたらキリがない

親しい人と会わないで何か月も暮らすのは精神的に本当につらいです。
例年ならみんなで集まる行事が続く季節は大なり小なり人恋しいのが普通なのかと。
これから寒くなって毎日雨が続いていきますが、どうやって同居家族以外の人と会えば友情にも応えられて、かつ、みんな健康でいられるんでしょう。
州政府は、感染拡大防止のために、付き合いする人・グループ(ソーシャルバブルと言います)を限定してと繰り返し言ってますね。

本当に悩ましいです。
自分でよく考えて私なりの原則を持つ、というのが正解なのかな。





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