披露宴会場までは電車。
切符はなくさんように大事に大事に手で持って…
グゥ…
はっ!
切符切符!
足元に落ちてたわ。
もう、ちゃんと持ってないと!
キレイな景色…
伊川谷みたい。
グゥ…
はっ!
切符切符!
そんなこんな繰り返し、
網干駅到着。
駅までホテルの人が迎えに来てくれていたの。
私、1人の、ために。
「私ね、今日、友達に久しぶりに会うんです!キレイでしょうねぇ!もう、すっごい楽しみで!この辺は畑だらけですね!私の実家も前は畑なんですよ。田植えの時期ですよね、もうすぐしたら鳥避けの鉄砲みたいな音バンバンうるさいんちゃいます?夏野菜のおこぼれも楽しみですよねー。あー!この山知ってます!綾部山!去年の梅の時期来ましたよ!あ、でも梅の花はなくて菜の花しか咲いてなかったんですけどね!牛糞臭かったー!でもちゃっかり甘酒はいただきましたよ、牛糞臭い中。甘酒、そんなに好きちゃうんですけどね。あ、もうホテル着いたんですか?あ、あ、岡本太朗みたいなオブジェ!こんなん買ったら億するんでしょうねぇ、え?え?これ、ほんまに岡本太朗ちゃいます?ね?これ、岡本太朗ですよね?すごい!億出したんですか?好きなんですねー。わー、海キレイ!あ、送って頂いてどうも、ありがとうございました」
ホテルに着いてから受付へ通され、
カバンモゾモゾしとったら後ろから新郎に声かけられた。
「今日は来てくれてありがとう!」
「あら、こちらこそ!久しぶりです。元気でした?」
「ほんま久しぶりやねー」
なーんて会話してたら『結婚おめでとう』いい忘れてしもたわ。
喫茶店でお茶しながら人間観察。
ほほーぅ、この人たちがともちんの友達やのなー。
かわいい人ばっかりやのーぅ。
細いのーぅ。
あれ?
なんか、私、荷物多い。
ロッカーに預けよう。
「すんませーん、ロッカーどこですかー?」
「お預かり致します。すぐにお預かり札をお持ち致します」
あぁぁ、なんて親切な…
あ。
しもた。
カメラ…
渡してしもた。
もう遅いな、ロッカーの場所わからんし。
〈ライスシャワーで迎えますので、準備してください〉
はい!はい!
行きます!
片手に花びら持って浮かれて待ってたら、
周りの人がソワソワしてんの。
「やっぱり新郎側が前に行かないと!」
「いえいえ、そんな決まりないですよ、どうぞ前へ」
「いえ、やっぱり新郎側が…」
「いえいえ…」
私、そのやり取りの真ん中に立ってるの。
結局、新郎親族と新婦親族の間に立ってた。
これ、マズクない?
どこうとすると、いえ、ここにいていいのよと促され、
じゃ、ここで…
…みたいな。
ライスシャワーの後、ロビーに戻ろうとすると、
見たことある女性に話しかけられた。
高校の同級生。
そういえばともちんの友達に高校一緒の子おるって言ってたなーって思い出した。
旦那さんと子供とお腹のもう一人子供と一緒に来てた。
サラッと挨拶した後、
「で…どっち?」
と聞かれた。
そうそう、私ら双子は高校一緒なんよな。
あんまり親しくない人はどっちがどっちかわからんのな。
「京ちゃんと仲良かった方」
この会場に知ってる人はいないはず!と思とったからビックリした。
披露宴のテーブルはその子は新郎側の友達やから遠くの席。
私のテーブルにはともちんの同級生がズラーリ。
右側5人グループと、左側3人グループと私の9人テーブル。
お!
これは…!
私、しゃべれるかな…?
そんな心配はいらんかった。
さすが、ともちんの友達。
すぐに輪に入れてくれた。
もともとお互い、ともちんから話は聞いてて、
なんとなく『始めまして』なんが不思議な気分やった。
ウエディングケーキをみんなで食べるんやけど、
各テーブルに一人だけケーキの中にアーモンドが入ってて、
その人にはプレゼントがあるって演出があってさ。
私、当たったの。
強運。
テーブルの真ん中のお花もらっちゃったわ。
お開き後も、今までも、これからもずっと友達のように、
「バイバーイ!またねー」って帰った。
帰りの電車。
私、すっごい荷物いっぱいでさ。
改札通るんが大変なくらい。
電車が空いててよかった。
晩ごはん一緒に食べる約束してたgreenにメール。
《今、網干。明石まで迎えに来てー》
《いいよ。三宮あたりまできたら連絡ちょうだい》
わーい。
…
……
………
…………?!
三宮?!
切符はなくさんように大事に大事に手で持って…
グゥ…
はっ!
切符切符!
足元に落ちてたわ。
もう、ちゃんと持ってないと!
キレイな景色…
伊川谷みたい。
グゥ…
はっ!
切符切符!
そんなこんな繰り返し、
網干駅到着。
駅までホテルの人が迎えに来てくれていたの。
私、1人の、ために。
「私ね、今日、友達に久しぶりに会うんです!キレイでしょうねぇ!もう、すっごい楽しみで!この辺は畑だらけですね!私の実家も前は畑なんですよ。田植えの時期ですよね、もうすぐしたら鳥避けの鉄砲みたいな音バンバンうるさいんちゃいます?夏野菜のおこぼれも楽しみですよねー。あー!この山知ってます!綾部山!去年の梅の時期来ましたよ!あ、でも梅の花はなくて菜の花しか咲いてなかったんですけどね!牛糞臭かったー!でもちゃっかり甘酒はいただきましたよ、牛糞臭い中。甘酒、そんなに好きちゃうんですけどね。あ、もうホテル着いたんですか?あ、あ、岡本太朗みたいなオブジェ!こんなん買ったら億するんでしょうねぇ、え?え?これ、ほんまに岡本太朗ちゃいます?ね?これ、岡本太朗ですよね?すごい!億出したんですか?好きなんですねー。わー、海キレイ!あ、送って頂いてどうも、ありがとうございました」
ホテルに着いてから受付へ通され、
カバンモゾモゾしとったら後ろから新郎に声かけられた。
「今日は来てくれてありがとう!」
「あら、こちらこそ!久しぶりです。元気でした?」
「ほんま久しぶりやねー」
なーんて会話してたら『結婚おめでとう』いい忘れてしもたわ。
喫茶店でお茶しながら人間観察。
ほほーぅ、この人たちがともちんの友達やのなー。
かわいい人ばっかりやのーぅ。
細いのーぅ。
あれ?
なんか、私、荷物多い。
ロッカーに預けよう。
「すんませーん、ロッカーどこですかー?」
「お預かり致します。すぐにお預かり札をお持ち致します」
あぁぁ、なんて親切な…
あ。
しもた。
カメラ…
渡してしもた。
もう遅いな、ロッカーの場所わからんし。
〈ライスシャワーで迎えますので、準備してください〉
はい!はい!
行きます!
片手に花びら持って浮かれて待ってたら、
周りの人がソワソワしてんの。
「やっぱり新郎側が前に行かないと!」
「いえいえ、そんな決まりないですよ、どうぞ前へ」
「いえ、やっぱり新郎側が…」
「いえいえ…」
私、そのやり取りの真ん中に立ってるの。
結局、新郎親族と新婦親族の間に立ってた。
これ、マズクない?
どこうとすると、いえ、ここにいていいのよと促され、
じゃ、ここで…
…みたいな。
ライスシャワーの後、ロビーに戻ろうとすると、
見たことある女性に話しかけられた。
高校の同級生。
そういえばともちんの友達に高校一緒の子おるって言ってたなーって思い出した。
旦那さんと子供とお腹のもう一人子供と一緒に来てた。
サラッと挨拶した後、
「で…どっち?」
と聞かれた。
そうそう、私ら双子は高校一緒なんよな。
あんまり親しくない人はどっちがどっちかわからんのな。
「京ちゃんと仲良かった方」
この会場に知ってる人はいないはず!と思とったからビックリした。
披露宴のテーブルはその子は新郎側の友達やから遠くの席。
私のテーブルにはともちんの同級生がズラーリ。
右側5人グループと、左側3人グループと私の9人テーブル。
お!
これは…!
私、しゃべれるかな…?
そんな心配はいらんかった。
さすが、ともちんの友達。
すぐに輪に入れてくれた。
もともとお互い、ともちんから話は聞いてて、
なんとなく『始めまして』なんが不思議な気分やった。
ウエディングケーキをみんなで食べるんやけど、
各テーブルに一人だけケーキの中にアーモンドが入ってて、
その人にはプレゼントがあるって演出があってさ。
私、当たったの。
強運。
テーブルの真ん中のお花もらっちゃったわ。
お開き後も、今までも、これからもずっと友達のように、
「バイバーイ!またねー」って帰った。
帰りの電車。
私、すっごい荷物いっぱいでさ。
改札通るんが大変なくらい。
電車が空いててよかった。
晩ごはん一緒に食べる約束してたgreenにメール。
《今、網干。明石まで迎えに来てー》
《いいよ。三宮あたりまできたら連絡ちょうだい》
わーい。
…
……
………
…………?!
三宮?!