【 売れる営業 】実務営業コンサルタント 島田安浩 アクト株式会社代表

「営業紙芝居×顧客LTV最大化」実践講座 
営業実務コンサルタント島田安浩が「営業で悩む人を無くす」ために情報発信

『 営業の裏側! 』

2007年10月26日 17時03分24秒 | Weblog
◆伝説の営業マン“島田安浩”が明かす、売れる道程!

No13 )『 営業の裏側! 』


いろんな経験をした中で、徐々にみんなのやっていることが分かって来たのがこの頃だった。・・・

当時俺は、7セット/月ぐらいは安定し始めていたので、思いっきり取れないと言う方でもなく、チョット取れない方にランクアップしていた。(まあ、低いレベルだけど…)

でも、俺の中では、この頃には、みんなの秘密も知っていたので、全然焦らなくなっていた。

どんな秘密かと言うと、“天ぷらオーダー”のことである。

“天ぷらオーダー”とは何かと言うと、「揚げるだけ!」と言う意味で、オーダー発表をして、契約書を管理に対して上げるだけなのだ。(意味が分かんないよね!?)

つまり、完了はしない、インチキ契約のことである。

当時のS社は、営業が契約を取ってくると言うのは、リース契約書・受注伝票・設置図面などをお客様先で記載して、お客様の会社の代表印と銀行印を貰って、社長に記名捺印を貰わないといけなかった。その書類を、業務に提出する。

業務は翌日、お客様に電話をして契約内容の確認を取ってから、リース会社に審査を流して、承認が出てから工事日を決めて、仕入て工事すると言う流れである。その後、リース会社に書類を提出して、今度はリース会社から工事完了確認の連絡(検収と言います)をして、問題無ければS社に入金されるのです。

営業の仕事は本来、契約を取って、工事完了して、リース会社から入金があって初めて完了するのだが、そのように考えている営業マンは非常に少なかった。

まあ、ほとんど皆無だった。

なぜかと言うと、「3ポカ制度」も受注で実施していたので、契約が取れて、客先確認が終わると、その先は追及されなかったのである。

要は、「受注命!」の会社で、本来やるべき工事完了、そして、入金までを考えられるレベルじゃなかったと言えます。

また、天ぷらではなくても、売り方が粗いと、後でキャンセルが入って、結局は工事完了しないと言う契約もたくさんあったようです。

それがどうして分かったかと言うと、ある日の夕方、以前登場したとっても嫌いな先輩たちと合流したことがありました。

その日は、課の数字が全然出ていないために、“ロングラン”がかかっていました。

“ロングラン”とは、取れるまで上がって来るな!と言う意味で、言うなれば、「回り続けろ!」と言うことです。(本当に、S社ではいろんな変な言葉を作って、営業を面白おかしく演出していました。そこは感心します。)

その時に、「ここら辺に友達いない?」って俺に聞くんです。

俺は「何で?」って疑問に思い聞きました。

そしたら、「決まってるだろ!天ぷらを作るんだよ!」だって。

その時まだ、その言葉もやり方も知らなかったので「何ですか、それ~?」って聞いたら説明してくれました。

例えば、友達がAさんだとすると、Aデザインルームとか適当な“みなし法人”を作ってしまうのです。(みなし法人とは株式や有限登記はしていないが、法人とみなせる、個人事業主のこと通常は屋号があって、商売をしている。)

そして、みなし法人なので、個人印ですべて書類が作れるので、それで書類を作成して、翌日の電話がかかって来た時に、「契約しましたよ!」とだけ、言ってもらうというようにするのです。そして、その日の夜か、翌日に、お客様からキャンセルが入ったとして、キャンセル処理をして一件落着となるのです。

もう、ビックリしました!

何やってんの?・・・と開いた口がふさがらなくなりました!

そんなことをやっても何にもならないのに、馬鹿じゃないの?って真剣に頭にきました。でも考えてみると、良くそこまで考えるな~とある意味、感心しました。

当時、疑問に思っていたことがこれによって理解できたのです。それは、会社に個人別の受注と完了のグラフがあるのですが、ほとんどの人は、受注グラフばかり伸びていて、完了グラフは全然伸びていないのです。

どうも、それが不思議でならなかったのですが、一回、Iさんに聞いた時は、「翌月に流れているんだよ!」って尻尾を出さなかったのですが、これで分かりました!

みんな、多かれ少なかれ、天ぷらやキャンセルがあったために、受注が伸びて、完了が少ないと言う結果に成っていたんだと。

私は、逆でした。

完了がいつも伸びて、受注が若干少なかったです。

これは、月末のオーダーがいつも翌月に流れたためですが、私の場合は、天ぷらはもちろんありませんが、キャンセルも本当にない営業マンでした。

これも、そう言う悪いところを見せずに育ててくれた、Iさんのお陰でしょうが、見ようとしないで、モクモクと直販を続けて来た、俺って偉いな~と感じる瞬間でした。

他にも色々分かって来ました。

お客様に契約の書類をもらう時に、リース契約書を複数枚作っておく。そして、どうしても数字が出ない時に、保存しておいたリース契約書を活用して、以前電話機の契約を取ったところなら、FAXなどにしてオーダー発表をする。お客さんには確認だけお願いする。

その他、お客さまにお願いして協力してもらって、天ぷら契約をグルに成って作るってこともやっていたようです。

中にはとんでもなく悪いやつがいて、代表取締役印とゴム印まで作って、天ぷらを揚げていたヤツまで居ました!まあ、これを見抜いた、業務の担当も偉いですが、どうも、印鑑の形がいつも一緒だと、比較してみて分かったようです。

と言うような、闇の部分が見えて来たのです。

そう思うと、月に7セットの完了は、平均以上でした。

完了グラフでは、中間の上ぐらいの位置だったので、焦りも無く、仕事に集中が出来ていました。

まあ、良いのか悪いのか、みんなの創意工夫は凄いと感じましたが、俺は、天ぷらを揚げる気にはなれなかったな~。


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アクト株式会社 代表取締役 島 田 安 浩
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