【 売れる営業 】実務営業コンサルタント 島田安浩 アクト株式会社代表

「営業紙芝居×顧客LTV最大化」実践講座 
営業実務コンサルタント島田安浩が「営業で悩む人を無くす」ために情報発信

「3ポカ、道玄坂で?渋谷の駅前で??」

2007年10月12日 20時42分44秒 | Weblog
◆伝説の営業マン“島田安浩”が明かす、売れる道程!

No4)『3ポカ、道玄坂で?渋谷の駅前で??』

「真夜中の契約でチョットは順調に取れるようになったの?」

『世の中そんなに甘くないよ!魔の3ポカの日々が続いたよ。・・・』

前も話したように、S社には「3ポカ制度」と言う恐ろしい制度が存在した。どんな制度かと言うと、契約が取れないことを「ポカる」と言う言い方をして、3ポカとは3日間契約が取れないことを意味する。そして、3ポカ制度とは、2日間契約が取れないと3日目の朝から始まる『魔の儀式!』だった。

朝礼の時に、「3ポカやるぞ~」と支社長が声をかけ、2日間以上ポカが続いた人間が前に出る。

ポカの少ない順に並ぶのである。

そして、みんなの前で大きな声で「3ポカするな!3ポカするのは男じゃない、3ポカするのは人間じゃない、完全オーダーやるぞ!」と一歩ずつ前に進みながら、右手で拳を作ってパンチをする動作をしながら叫ぶのである。そして、みんなが聞いていて気合が入っていると判断すると拍手して席に戻っていいのであるが、みんなが拍手しないと、何度も何度もやらされるのである。

まあ、はっきり言って社内いじめだね!

なぜやるかと言えば、営業は気持ちの部分が大きいから、その気にさせて現場で頑張らせるためなんだろうけど、今やったら社会問題になるようなそんな制度だった。

しかも、朝早くから大声で朝礼をするので、渋谷では有名なキチガイ会社だった!

今だから話せるけど、その当時、毎日のように会社の連中で飲み歩いたが、「S社お断り」と言う店が何軒もあった!笑ってしまうような本当の話。

なぜお断りかと言うと、当時の平均年齢が23歳で非常に若かった。しかも体育会系のバリバリの営業マンが10人20人で飲みに行くと、喧嘩を始めたり、一気大会を始めたり、お互いに酒をかけ合ったりと収拾がつかない状況になって、最後には店の物を壊してしまうのである。・・・まあ、最低のモラルのない連中だった!

ただ、非常に熱い連中だったので、飲み会で男同士で泣いて抱き合ったり、「お前のために俺は殴る!」と泣きながら相手を殴ったりしていて、翌日からまた仕事に燃えることが出来た。・・・

話は、3ポカに戻すが、この3ポカが会社の中だけで終わらなかった!

5月の半ばに、7ポカリーチになった時だった!

「島田~!お前は東に行って朝礼受けて来い!」と支社長に言われた。

当時のS社は渋谷だけで、東京支社、東支社、西支社、中央支社と4拠点があった。他に、名古屋と大阪にも在って、全体で営業マンが500人近くいた。

そして、恐る恐る東に朝礼参加に行った。

すると、そこの支社長のMさんに、「表に行け!」と俺ともう一人、朝礼参加に来ていたヤツに言ったのだ。

「意味が分かんないな~」と思っていたら、大きなダルマを担いで、そこの支店の管理の人間がきて、「これで3ポカね~」だって!?

「エッ!どうするの?」と思ったら、ダルマの下に手が入る穴が開いていて、中に紐が付けてあって、そのダルマに右手を突っ込んで持てるようになっている。
そのダルマを右手で持って、道玄坂で「3ポカ」をしろと言うのだ!

朝、8時過ぎで、サラリーマンがたくさん道玄坂を歩いているその中で、ダルマを右手に持って「3ポカするな!3ポカするのは男じゃない!3ポカするのは人間じゃない!完全オーダーやるぞ!!」って道玄坂を下りながらやれということだった。

本当に信じられなかった!

一緒に来ていたKさんは、俺より先輩なので経験者だった。その人が先に、「道玄坂3ポカ」をやって見せてくれた。

大体、20Mぐらい先で、管理のAさんが待っているので、そこまでやり続けないといけない。つまり、何度も「3ポカするな!3ポカするのは男じゃない!3ポカするのは人間じゃない!完全オーダーやるぞ!!」って言いながら、右手のダルマでパンチをする!もう、バカバカしいし恥ずかしいしKさんのを見ているのも嫌だった。

そして俺の番がやって来た!

頭には、赤い鉢巻!右手にはダルマ!!本当にばかな恰好だ。そして、「7ポカするな!7ポカするのは男じゃない!7ポカするのは人間じゃない!完全オーダーやるぞ!!」って何度も何度も言って、どうにか、Aの所に辿り着いたら、

『お前何か言った?聞こえなかったからもう一回!』だって!絞め殺してやろうかと思ったが仕方なくもう一度やった!

悔しいし、恥ずかしいし、絶対に2度とやりたくなかった。

でも、その日も取れなかった!

翌日は、中央支店に送られた!・・・今度は何って思ったら、ここの支社長は、言葉によるいじめだった!!

散々、俺たちのことを、「存在価値ななくて、邪魔で、生きている価値がないとまで言いやがった!」後一言、言ったら『殴り殺す!』と思った時に、終わった。・・・昨日の道玄坂の3ポカの方がよっぽど良かった。・・・

そんな毎朝の地獄を経験しながら、早く売れる営業マンになりたいと必死で営業をする毎日だった。

俺は経験してないが、同期の人間に聞いた話によると、道玄坂の他に、渋谷の駅前でやる3ポカや、駅前にあった噴水に飛び込む噴水3ポカまであったようだ!

まあ、そこまでのことに耐えたから、現場で工場だろうが、病院だろうが、お店だろうが気にせず飛び込み営業ができるようになったのかもしれない。

ただ、6年その会社にいたが、『3ポカ』だけは好きに成れなかった!

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アクト株式会社 代表取締役 島田 安浩
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「大ゲンカ!夜中の契約。」

2007年10月12日 01時01分39秒 | Weblog
◆伝説の営業マン“島田安浩”が明かす、売れる道程!

No3)『大ゲンカ!夜中の契約。』

「初めて契約が取れてから順調に契約が取れた?」

『そんなに世の中甘くないよ!』・・・

また、「3ポカに日々に逆戻り」だった。

最初の月は、第1週目が先輩に同行してもらい、次の週から一人で回るというのがこの頃の新卒への指導方法だったようだ。それと、入社前に2週間事前研修があった。この研修は、最初の1週目が研修施設で、知識を詰め込ませるという研修で、夜は毎晩飲み会だった。2週目は自衛隊の練馬駐屯基地で体験入隊をした。結構、そういった研修が流行っていたようで、大学で空手ばかりしていた俺には非常に楽しい体験だった。

さて、入社後の話に戻るが、第1週目の同行してくれたのはCさんで非常にまじめだった。全然取れなかったが、朝から夕方まで全然休まずに回って見せてくれた。俺は、この人のお陰で、真面目に回ることを覚えた。今の俺があるのは、この人のお陰と言っても過言ではない。

でも、取るところは見せてくれなかったが、・・

2週目は、自分で回ったが全然取れずに、3週目が仕事をしないTさんと同行だった。そして、木曜にファーストオーダーが取れた。

翌週になって、また一人で回ったが、木曜か金曜か忘れたが、どっちかで1セット取れただけでその月は終了した。たった2セットの契約だった。

その頃の平均セット数が、10セット/月だったので、全然取れていない。役立たずの赤字社員だった!

5月に入って、相変わらず一人で回っていたある日のことだ。

確か、品川の工場地帯を回っていた。

いつものように、取れないまま夕方8時になって会社に電話をした。そしたら支社長が「どうだ?」って聞くので、いつものように『まだです!』って答えた。(ダメですとか、取れませんと言ったら怒られるので、何時でも「まだです。」と答えた。)

「そうか、どうせ島田はダメだから上がって来い!」と言われて電話を切られた。

この、「どうせ島田はダメだから」と言うフレーズにカチンときた!
『チョット待てよ!どうせダメだからは無いだろう。こっちだって必死にやっているのに!!』

頭に来た!初めて支社長の命令を無視して、そのまま営業を続けた。「チクショウ!絶対取って見返してやる!」そう思いながら営業を続けた。

そして、日通工の古い電話機を使っている工場に入った時だった。非常に社長がよく話を聞いてくれたのだが、奥さんが脇で邪魔をしてきた。

まあ、そんなことはよくある話だが、俺は、今度は奥さんを攻めた方が良いだろうと、奥さんに対してトークをした時、いきなり社長が怒り出した!

「エッ!何で??」って感じだったが、興奮した社長が、「テメェ~出て行け!!」って俺の肩を手で押した。

その瞬間に、今度は俺が切れちゃった!

「ワリャ~いまココどついたろ!ヤルんか!?」と怒鳴ってしまった。

どうも、剣道に空手と武道の道を進んできたせいか、普段はおとなしいのだが、手を出されると黙ってられずに切れてしまうのだ。

そうは言っても、手を出したりは絶対にしないのだが、一旦火がつくと、なかなか消えずに、怒鳴り続けて、奥さんが泣きそうな顔で「許して下さい!」って間に入って来たので、「今度会ったら、ただじゃおかないからそう覚悟しとけ~。」と言って、表に出た。

さっきまでの威勢の良さは、表に出た途端に消えて、虚しさと寂しさが心を包んだ。しかも、もう夜の9時過ぎなので、真っ暗!5月初めでまだ肌寒いし、暗いし、何だか泣きたくなって来た。・・・

そうは言っても、会社にはまだ帰りたくないので、営業を続けようとした。

でも、今度は飛び込む“勇気”がなかなか出ない!

また、喧嘩になったら、怒られたら、などなど考えてしまう。飛び込めないまま30分以上が過ぎて行ったが、このまま飛び込まないのは自分に負ける気がして、勇気を出して1件飛び込んだ。

そうしたら、うちの会社で扱っている電話機が付いていた。「いつもお世話になります!S社の島田と申しますが、・・」

『この前、電話機を交換してもらったけど調子良いよ!お兄ちゃん遅いのに大変だね~』と励ましてくれた。

これで、元気付いた俺は、そこを後にして「よし!このまま駅まで明かりが付いている所にすべて飛び込んだら帰ろう!」と決めて歩き出した。

まあ、そうは言っても夜の10時過ぎなので、そんなに開いてはいない。そうこうしてある建具屋さんに飛び込んだ。

「こんにちは~S社の島田と申しますが、今お使いの電話機の件で回っていたんですが、こちらは・・。」と入ったら、目の前に黒電話が付いていて、社長が一人で仕事をしていた。

「ダメだ~」心の中で叫んだ。なぜかと言えば、黒電話はレンタル料金が安いので、ビジネスホンに交換するとかなり使用料が高くなるので交換してくれる人はほとんどいないからである。

『この電話使ってるよ。』

「あっ、黒電話ですね!2階にも別の電話機は付いているんですか?」

『付いてないよ、これだけだよ。』

「そうですか、今度の電話機なんですけど、2台3台と設置でき、内線で2階や3階に回すことが出来るんですよ!」(どうせダメだけど、言うだけ言っておこう)

『エッ!?ちょっと待って、内線で回せるって、3階と電話で話せるってこと?』

「もちろんですよ。」

『チョット待ってよ!今3階に弟が住んでるんだけど、毎朝、お袋が階段を上って起こしに行くんだけど、それが電話で出来ちゃうの??』

「そうですよ、電話で出来ちゃうんですよ!」

『それいくら?』

「月々○○円の7年リースですけど。」

『やってくれ!』

「えええっ!決まっちゃった!!!!」超ビックリだった。まさか決まると思ってなかったし、今何時だ?って夜中の11時15分じゃない!?

書類を書きながら、「そう言えば会社に電話してなかった。」と思い出して、電話を借りて会社に電話した。

「お疲れ様で~す、島田です。」

『オオ、てめ~どこにいるんだ!』支社長が怒ってる!?

「今、客先です。」

『エッ!?』

「契約書を書いているところですが、・・・」

『・・・し、っ渋い!』支社長が?マークで、その後、感動していた。

会社に戻ったのが、12時ぐらいだったが、支社長と課のトップが待っていてくれた。

チョット嬉しかった。今、思い出しても目頭が熱くなる。

その後、3人で居酒屋に行って、サウナで泊まった。

非常に大変で、感動できた一日だった。・・・

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