日々楼(にちにちろう)

古今東西・森羅万象の幾何(いくばく)かを、苫屋の住人が勝手御免で綴ろうとする思考の粉骨砕身記です。

1.オバマ大統領と友達作戦 2.福島原発第3号機の事故

2011年06月18日 | 日記

1.オバマ大統領とトモダチ作戦

日本は先の大戦で敗北し、憲法を改正しました。
改正憲法の草案を作ったのが、アメリカで、非常に理想主義的なものとなりました。
日本はこれを受け入れました。

この憲法で日本は自国の交戦権を放棄しました。
但し、自国が侵略された時発動されなければならない防衛権は確保しています。

歴史を概観すると、国というもの(以下、国家と書きます)は必ず交戦権を持っていることが分かります。
日本が交戦権を放棄した憲法を採用するということは、アメリカは大変な責任を負うことを意味します。
というのは、この憲法下では、日本の交戦権はアメリカが代わって行使するということを宣言しているに等しいからです。
マッカーサー氏は、当然、本国ともやり取りしたことでしょう。
そして、推測に留まりますが常識的に考えて、この認識は、当時のトルーマン大統領をはじめアメリカ政府首脳にもあったと思います。

6月11日の産経新聞朝刊は、今回の”トモダチ作戦”にまつわる記事を載せています。
記事の概略は、「アメリカエネルギー省のスティーブン・チュー長官が、福島の事態は猶予ならぬものであるあることを、
オバマ大統領に進言された。進言を受けて大統領は3月17日の朝、日本の菅氏に強い調子で危機的状況と支援の用意を伝えられた」、というものです。

この記事から、オバマ大統領が、”トモダチ作戦”の発案・発令者であることが分かります。
アメリカは自国の義務を忘れていない、というのが私の率直な感想です。

そしてこの時系列の中に、先の尖閣列島をめぐるクリントン国務長官の発言を置いてみても、
アメリカ指導者たちの日本に対するスタンスと思いは汲み取れるように思います。

私は広島県出身のものですから、アメリカやトルーマン氏に複雑な感情があるのは確かですが、
アメリカは信用できると思いました。
これから永く同盟国であり、友好を続けねばと、一人の心情ではありますが思いもします。

オバマ氏は日本人が心に刻む大統領の一人となりましょう。

2.福島原子力発電所第3号機の事故

続いて福島原子力発電所第3号機の事故について書きます。
御承知のように、1号機・2号機・3号機は燃料棒がメルトダウンを起こしました。
6月7日に政府の原子力災害対策本部がIAEA(国際原子力機関)に報告した内容では、
「原子炉の底部が損傷し、燃料の一部が格納容器のドライウェルフロアに落下して堆積している可能性も考えられる」としています。
1号機・2号機・3号機・4号機では水素爆発も起こしました。

3号機建屋について、ユーチューブにアップされた
Sky News UKの映像を見ますと、爆発音は3回あり、発生した煙はキノコ雲のように見えます。
同建屋での爆発音は、日本のテレビ映像には入っておらず、発生した煙も
Sky News UK ほど鮮明なものではありませんでした。
何故でしょう。報道機関の能力の差でしょうか?
思うに、もしこれが政府からの要請によって為されていたとしたら、日本の報道機関はすでにそのポリシーを失っています。
報道人は自らのバックボーンのある所をよく考えていただきたいものです。

更にユーチューブの映像には、アメリカの“Fairewinds Associate Inc”の核技術者であるアーニー・ガンダーセン博士が、
3号機建屋で起こった爆発について解説されたものがあります。今日、再び見たら字幕が入っているものもありましたので理解しやすいと思います。

科学者らしく推測として語られていますが、私の知識をもってしてもこの爆発は核爆発です。

先ず水素爆発が起こりました。
原子力災害対策本部の報告書によると、水素爆発は1号機から3号機とも、何れも格納容器ウェットウェルベントと称する作業後に起きています。
但し、その間隔はそれぞれ異なります。(このウェットウェルベントの作業内容は、よく分かりませんが、例えば、原子力プラントでない設備で、
オートベントなどといった場合は、自動的に装置から空気を抜くことを言います。その機器を指すこともあります)。

4号機の水素爆発は、まだその原因が特定できていません。

3号機の場合、
この水素爆発の衝撃と熱が、燃料プールに保管してあった「燃料」=「プルサーマル」=「使用済みウランからプルトニウムを抽出し、ウランと混合した混合燃料(
MOX)」の臨界を越える核反応を誘発し、
核爆発を起こしました。
この時、燃料プールに水があったかなかったか、燃料はどういう状態であったかは、これを書いている時点では不明です。
そして、どの程度の量の核燃料が反応したかも、不明です。


しかし、建物右上部に現出した赤い閃光は、

核爆発が起こった時生じる火球そのもののように思えます。この推測は正しいでしょう。そしてキノコ雲です。



私事になりますが、前にも書きましたように私は今、本にしようと思っている原稿を書きためています。その第一章が広島・長崎への原爆投下です。
そしてそこで原子爆弾の特性について記しています。その特性は、「ピカ・ドン」の言葉で知られていますように、ピカッと光った後に衝撃波が来ます。
その様子は、日本放送協会(NHK)の『原爆投下・10秒の衝撃』(1999年)で知ることができます。



自分が生きている内に、映像とは言え、いま生きている世代と一緒に、これを目撃することになるとは―!

おそらくこれは、日本人に「善く生きよ、善き国を作れ」と、天が命じている定めであるように、私には思えます。 


今、発電所の建物は無残な姿をさらし、その中では作業者が防護服に身を固め、放射能の拡散を防ぐ懸命の作業を行っています。
損壊の程度は甚大です。修復には相当の年数を要しましょう。
しかし、私達は核から目をそむけることなく、あつものに懲りてなますを吹くのではなく、
エネルギーを核融合によって取り出す装置の開発へと、多様な技術の開発とともに進めて行かなければなりません。

それにしても、政府、特に菅さんの危機の対応の仕方と、起きたことを国民に知らせ、国民を守るために政府は何をするのかといった
前向きな政策能力には、疑問を覚えます。
前も書きましたが、「自分は原子力には強い」と言い切るにはそれなりの自覚が入ります。
しかし言っただけのことを、結果として為せていません。そういうものを虚言といいます。

公開ブログを書く者のマナーとして、人を貶(おとし)めたり誹(そし)ってはならないという原則があります。
しかし、私が目撃している「6月2日の政変」とそれ以降の以降の菅さんの振る舞いを前にして、次のことだけは記させてください。

人は罰が与えられたとき、自分を責めるものなのです。それまでは自分は正しいと思い込ませています。
早く四国遍路にお出かけください。



参考Web:ユーチューブ ”Footage recorded off Sky News UK via Nine Network Australia ”
          〃      ”Fukushima 1 Nuclear Power Plant Reactor 3 explosion on March 14 2011”(Sky News UK の映像をアップしたものです)
          〃      ”www.fairewinds.com””April 26th,2011””福島原発3号機は水素爆発と保管核燃料臨界爆発。ガンダーセン博士 4/26”
                  ”原子力安全に関するIAEA閣僚会議に対する日本国政府の報告書”

 

 

 

 

 

 

 



                           



                                        紫が美しいラベンダー


                           

                                           ドクダミの花


 

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