combatfoxの日記

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五五高地の攻防

2011-04-02 18:56:06 | ミリタリー
1965年ベトナム
シマハイエナ少将の専属部隊 部隊名「シマハイエナと愉快な仲間たち」隊員のcombatfox伍長とパイル二等兵は陣地防衛任務に付いていた。この陣地は最前線と言うわけでもなく周辺警戒と、陣地に向けて時折発砲してくる北ベトナム兵の掃討任務ぐらいで、戦場と言っても割と交戦の少ない日々を送っていた。ちょうど塹壕を掘り終えた日の夕方、日が翳り始めた頃だっただろうか、パイル二等兵とcombatfox伍長が歩哨に向かうため早目の食事を取っていた時である、CP「コマンドポスト」の無線機に司令部より入電が入った。少将からである、直々に指令が下ることは今まで無く、二人に緊張が走る・・・・五五高地の陣地で敵狙撃主により被害が増してきているため、敵狙撃主を掃討せよとの任務が下った。

現地に到着した我々は、まず被害の状況や、狙撃されたときの状況を詳しく調査することからはじめた。状況を整理すると、狙撃兵は決まって夕方5時ごろ現れ、陣地を取り巻くように群生している野薔薇の茂み辺りから狙撃してくるらしい。今までの被害は海兵隊将校が1名射殺され、後任の将校も奇跡的に負傷は逃れたものの、精神を病んでしまい後方へ送られた。ほかにも配給中に狙撃され新兵が負傷するなど被害は増す一方とのことだった。二人は顔を見合わせて階級を選んで狙撃していることに気がついた。腕は一流ではないものの、一方的に狙撃されている状況である。何度か応戦したが太く生い茂った茂みで姿は見えず、したから吹き上げる強風で着弾が思うようにまとまらず、最近では応戦すらしていないし、塹壕にこもっていると言う有様である。

一通り陣地を回った後、パイル二等兵の支持で作戦を立てることにした。作戦はこうである「まず少将の軍服を着せたデコイを作り、狙撃兵に発砲させる。狙撃兵が射撃したら、音のしたほう目掛けてブローニングM2重機関銃で掃射を与え退路を限定する。我々が退路を前もって偵察しておいて、パイル二等兵(二等兵の振りをしているが、実は軍曹階級)とcombatfox伍長がアンブッシュし逃げる狙撃兵を狙撃するという算段だ。

翌朝早く、二人は作戦に向け偵察へ出た。慎重にブッシュへ近づき、陣地を狙撃するのに最適な場所はどこか?姿を隠し逃げられる退路はどうなっているかなど、狙撃兵が潜みそうな場所を調べて回った。驚いたことに陣地の周りの野薔薇やイチジクの木の茂みでトンネルを作り、米兵に見つからず、狙撃場所へ迎えるようになっていた。陣地の連中がパトロールをサボっていた為に、このようなアンブッシュ場所を作る隙を与えてしまったのだろう。我々は帰りも、草や枝を折らないよう慎重に慎重を重ね陣地へ戻った、気づかれれば狙撃兵は発砲はせず別の場所へ移動してしまうからだ。

その日の夕方いよいよ作戦開始だ!ゆっくりとデコイを動かし敵兵の発砲を待つ・・・・陣地の塹壕には海兵隊員の射撃主べックウィズ3等兵がすぐにM2で掃射をくわえるべく待機している。

日が翳り、辺りは静けさに包まれる・・・30分ほどだろうか何事も無くただ時間だけが過ぎた。

今日はもう現れないのでは?と誰もが思い始めたその時である。パンッ・・・・乾いた銃声が響きデコイの軍服の胸の辺りから砂ぼこりが舞った。べっクウィズ3等兵が急いでM2に駆け寄り、猛烈に掃射を始めた。薄暗い中、射撃炎が野薔薇のブッシュへと一直線に伸び爆音とともにブッシュがチリジリになっていくのが見えた。他の兵たちも予定通り退路を限定するように、M16での掃射を開始した。

アンブッシュする我々の正面、距離にして約200mぐらいだろうか、緩やかな勾配になっており、茂みがほかと比べてやや薄くなっている。その向こうからこちらへ向かってトンネルが延びており右に大きく曲がって、ジャングルへ続いている。

パイル二等兵は狙撃の名手で医療の心得もあることを知っていたせいか、combatfox伍長は不思議と負傷するへの恐怖感は無かった。レミントンM700に望遠照準機を取り付けた狙撃用ライフルを構えいつ敵兵が来ても撃てるよう、射撃姿勢をとるパイル二等兵、双眼鏡を使い周辺警戒とバックアップ、スポッターを勤めるcombatfox伍長・・・M2の掃射が始まってから2分ぐらいだろうか、我々の照準する先のブッシュが揺れ敵兵が現れた。パイル二等兵は敵兵の頭にゆっくりと照準を合わせた。敵兵はまだこちらには気づいておらず、ゆっくりと警戒もせずに近づいてくる。

照準をぴったりと合わせたパイル二等兵は絞り込むように引き金を引いた。伍長は着弾を確認するため双眼鏡越しに敵兵をにらみつけていた。しかし弾は発射されず、激鉄が落ちる音だけが響いた。

敵兵がこちらの存在に気づき、ドラグノフ狙撃銃でこちらへ銃撃しながらジャングルへ続く曲がり角へ走っていく。combatfox伍長「あの曲がり角を超えられると逃げられるぞっ」と叫びながら、M14ライフルで射撃姿勢に移る・・・・・・その時である、どこから出したのかパイル二等兵が「陣地の野郎ども武器の手入れもサボってやがったな」と叫びながらM79グレネードを鬼のように撃ちまくった。爆音とM79という見慣れない武器に度肝を抜かれたcombatfox伍長は呆然としていた。相当数の流弾を撃ちつくすと、パイル二等兵が伍長の顔をニッコリとした顔で覗き込みこう言った。「たぶんバラバラになってると思うけど、早く確認して帰ろう、うまいビールとステーキを食べたいからなっ」

伍長は思った・・・パイル二等兵さんを怒らせないようにしようw

シマハイエナ少将はこの作戦の成功が認められ元帥に昇格w階級が高すぎて戦場へは出れず、しかたなく野山を散歩などして楽しんでいるらしいw

combatfox伍長は無事ベトナム戦争後退役し通信将校だった彼女と結婚、2人の子供をもうけ、幸せに暮らしているという噂を風の便りに聞きました。きっとその頃でも思っていたことでしょう、あのM79はどこから出したんだろう?

パイル二等兵はと言うと、その後も多々の戦場でM79やRPG7と言った、愛用のヘビーウェポンを使い敵兵を蹴散らし現在では、出来るだけ押さない方がいいかもしれないボタンの管理者になっているらしい。 

                 FIN