突発妄想童話? かわいそうなじゃがんし 2

ごろごろとかみなりがなって。
そらはまだひるまなのに真っ暗に。
さすがのじゃがんしもヤバイなときづきました。
どこかにひなんしようと走り出します。

でもゲリラごううはまってはくれません。
ぽつぽつとじゃがんしのからだにあたったあまつぶは
だんだんといたいくらいに大きくなっていって。
オレにだけ集中してふってんじゃないか？と
かんちがいするくらいびっしょぬれになりました。


じゃがんしの二番目に仲良しな
ラーメン屋はびっくりしました。
仕事場の屋台の裏にいきなり全身ずぶ濡れの
まっくろくろすけがぬぼっと立っていたからです。
｢どーしたんだおまえ？｣
首にまいてたタオルをじゃがんしに渡します。
タオルをかりて拭いたくらいじゃ焼け石に水です。
ちなみにタオルはちょっとごわごわしててラーメン屋の
汗の匂いもしてじゃがんしはなんかいらっとしました。
蔵馬さんちのタオルはふわふわでいい匂いがするんです。
｢金貸すから銭湯行ってくるか？｣
いくら妖怪とはいえびっしょぬれじゃ風邪ひくかもと
思ったラーメン屋は親切にもそう言いました。
銭湯代はじゃがんしの保護者ｰ蔵馬さんｰから回収するつもりで。
｢いらん。｣
｢んじゃせめて濡れた服乾かせよ。出来んだろ？｣
じゃがんしは炎を扱えるので服くらい乾かせるはず。
でもじゃがんしはやりません。
濡れて汚れた服は洗濯して乾燥機で乾かしたほうが良いんです。
濡れてひえたからだはあったかいシャワーで温めたいんです。
ついでに甘さひかえめなカフェラテなんかも飲みたい。
前に雨降りの時に蔵馬さんちに行ったら
蔵馬さんがしてくれたことです
むくろさんが聞いたら『甘やかすな』とか言いそうですが
優しいお母さんに育て直された蔵馬さんにしたら
当たり前のことなので文句を言われるすじあいはないのです。

話がながくなりましたが。
なにも言わず突っ立ってるだけのびっしょぬれの中学生(くらいに
見える)しかも全身くろずくめの厨2仕様。
とっても営業妨害でした。
ラーメン屋はじゃがんしに１０００円渡すと『漫喫いけ』と手を振りました。
こっから離れろや。の優しいバージョンです。
手のひらのなつめそうせきをみつめながらじゃがんしはラーメン屋を
あとにしました。
うしろすがたがちょっとかわいそうなかんじがしましたが
ラーメン屋だって働かないと食べていけません。
はたらかざるものくうべからず。
こうどにはってんしたしほんしゅぎなくにでは魔界のように
すきなときに寝て好きなときに起きてヒャッハー！！はできないのです。
(１部例外　がんだら)

何となくさみしそうなあしどりでじゃがんしがあるいていると
楽しそうな声がきこえました。
声のしたほうを見ると何人か知った顔がいます。
｢あ、飛影さん？｣
じゃがんしの名前をよんだのはじゃがんしが
今一番会いたくない人でした。