ここすけ日誌

のんびりゆっくりのここすけのぐだぐだの日常ブログです。今はぬいさんたちに日々癒されています。

作家さんの生きざま

2015-09-26 21:57:00 | インポート
市民大学の二回目の講義が来週に迫ってきていて、今日は久々にネットカフェ缶詰です。昼間は大学で来週からの講義の準備をしていました。一通り終わって、今夜から明日にかけてはこっちに集中できそうです。それが終わってから紀要論文の追い込みです。まだ、今夜、日、月とありますので、何とかなりそうです。

臨床心理学的に読み解く、というお題で、大好きな作家さんの人生をふりかえって作品を読んでいく訳なんですが、今までは単なる一人のファンとして何も考えずにただただ喜んで味わっていたのに、そうはいかなくなり、大変複雑な気持ちでおります。

その作家さんとは、絵本作家のいわさきちひろさん。私の育った家の向かいにあった酒屋さんの若奥さんがちひろさんの作品が大好きで、しょっちゅう絵本やら葉書やらを持ってきて私にも見せてくれていたのを覚えています。淡くて美しい子どもの姿や母子像は見る人を幸せにしてくれるような力を感じます。

不思議なご縁で、その奥さんは、嫁ぐ前は、私を育ててくれた遠縁のおばさんの養女だったとか。幼い日々の、心もとなさを、いわさきちひろさんの描く母子像が慰めてくれていたんだろうなと、今思い返しています。おばさんの側で過ごす私にも、もしかすると奥さんは、幼い時分の、自画像を重ねていたのかもしれません。

ちひろさんご自身は、裕福な家庭で大切に育てられながらも、青年期に入って、突如様々な不幸にさらされていくことになります。多くの作品はそのご苦労を感じさせない美しさに満ちていますが、亡くなられる数年前から、作風は進化を遂げます。ちひろさんご自身が体験した苦しみ、悲しみ、不安、恐怖に、今、そしてこれからを生きる子どもたちが晒されることがないように、という悲願が作品となって、戦後70年を経た今もなお、日本中で愛され続けています。

きっととてもファンの方が多いので、プレッシャー半端ないですが、受講者の皆さんの期待を裏切らず、それでいながら新しい切り口で、作家さんの人生をご紹介できれば大変嬉しいです。おこがましい限りなんですが…

朝六時まで、できる限り頑張りますo(*⌒―⌒*)o
朝うとうとしていると、耳元で、誰かに「よろしくお願いしますね」と言われた気がしました。ちひろさんのことばかり考えていたので、夢で会いに来て下さったのかもと思いました。

宝箱

2015-09-21 04:41:22 | インポート
夏休みも終盤(大学のです)に差し掛かり、例年になく多忙だった二ヶ月の鬼業務にもようやく終わりが見えて参りました。

研修会だけで、依頼が施設関係2件、教育委員会5件、学校関係2件、大学から1件と、計10件。これに市民大学が3件、学会発表1件、論文4本…よく乗りきりました。まだ終わってませんが、10月頭でほぼ終了、残すは12月の市民大学のみになります。一息つけます。すぐに大学祭の研究発表の準備と卒業研究の指導でまた忙しくなりますが…

鬼業以外にも心労の絶えない我が家に、兄夫婦から二回も贈り物がありました。学生時代に実家から送ってもらうような優しい心遣いが箱いっぱいに詰まっておりました。しばらくこのまま手付かずで飾っておこうと思います。歳を重ねてからいただくご配慮、心に染み入ります。ありがとうございました♪ヽ(´▽`)/

これを励みに、10月頭までのハードル、あと2件、頑張りますね!!!


じわじわ

2015-09-03 22:40:37 | インポート
月末までだった論文の締め切り、結局共著の大御所先生の原稿が遅れていて助かりました。締め切り六日まで延びたのはいいんですが、今日までだった市民大学の講義の原稿が仕上がらず、自分で受講生の原稿を印刷する羽目に…どんどん予定がずれ込んできていて、今週末には学会発表の準備をしなくてはいけないのに、もう仕事がたまって雪崩をおこしそうです。

市民大学で、テーマにしているのは、物語の中で伝えられる魂、これについて、臨床心理学的に話をしてほしいと言われました。

選んだ一つ目のお話は「思い出のマーニー」去年ジブリが映画化したので、ご覧になっている方も多いのではと思いました。去年は家族の物語がヒットしていましたね、アナ雪もそうだし、マレフィセントも。その中でも、「思い出のマーニー」からいただいたメッセージは奥深く、心打たれるものがありました。

若い頃、原作の本を図書館で借りて読んだことがあったので、ジブリのアレンジにちょっとはじめは「あれ?」と、びっくりしましたが、物語の展開を見透かされないためには、これぐらいする必要があったのかもしれないなと、全部観てしまった後で思い至りました。

小学校の頃に読み漁ったクラシックな少年少女向けの児童文学は、完全に私にとってはファンタジーの中の別世界だったのですが、この作品は第二次大戦後、20年以上経過したころの、かなり現代に近い時代に書かれたもので、どこか懐かしく、自分の子ども時代を振り返っているような気分にさせてくれる物語です。

主人公の少女は、作者のJ.G.ロビンソンの少女時代の投影のようですが、私もまた、この少女のような子ども時代を過ごしていましたので、作者のロビンソンに深く共感してしまいます。

不思議な偶然で、少女が自分のなかに積み重ねられた魂のつながりに気付いていく、そのお話をする年に、私自身も自分の中にしっかりと受け継いでいるだろう親からの「魂」に触れる旅に出掛けることができました。

若い頃に読んだこの物語の世界を、子ども達を支援する立場としての違う視点から、また、同じような日々を送った私の少女時代に今の私が手を差しのべる形で、再び旅する一週間になるとよいなと願っています。

じわじわと、雪だるまのようにふくれあがる重圧で気持ちは焦るばかりですが、自分の大好きな物語を、他の誰かと共有できるなんて、幸せな事ですよね。せっかくなので、この機会を精一杯楽しみます。