22日午前10時半ごろ、新潟県糸魚川(いといがわ)市大町1丁目の中華料理店の台所に煙が充満しているのを近所の人が見つけ、119番通報した。強い南風の影響で火災は広がり、同市や市消防本部などによると、同日午後3時半現在、燃えた住宅や商店などは約140棟に上り、午後5時半現在、延焼範囲は約7万5千平方メートルに及んだ。市は計744人に避難勧告を出した。市消防本部は午後8時50分、これ以上の延焼の恐れはなくなったと発表した。

 市によると、煙を吸った女性(42)と避難の際に転んで頭を打った女性(47)が救急搬送された。消火にあたった47歳、44歳、27歳の男性消防団員も目や足に軽いけがをした。

 現場はJR北陸新幹線糸魚川駅の北にある古くからの繁華街で木造の建物が密集。昭和初期の建物も多いという。総務省消防庁によると、市街地での火災の焼損棟数としては、東日本大震災を除いて過去20年で最多という。報道各社の取材に応じた現場の消防士によると、出火元は中華料理店の可能性があるという。

 市は午後0時半ごろ、大町2丁目と本町の計273世帯586人に避難を勧告。午後4時半ごろには大町1丁目の90世帯158人にも勧告を出した。市が開放した市民会館には一時、43世帯65人が避難。一部の人は近隣の宿泊施設に移った。自主的に避難場所を確保した人も多くいるとみられるという。

 ライフラインにも影響が出た。東北電力によると、糸魚川市本町と大町1、2丁目を中心に、午後4時現在で約600世帯が停電。国土交通省は国道8号の一部を一時的に通行止めにし、迂回(うかい)路として北陸自動車道の一部を無料開放した。

 気象庁によると、日本海側の低気圧に南風が吹き込み、糸魚川市では22日午前10時すぎに最大風速14・2メートル、正午すぎに最大瞬間風速24・2メートルを記録した。出火当時、強風注意報が出ていた。同庁は、山を越えた風が日本海側に吹き下ろす際、空気が乾燥して気温が上がる「フェーン現象」が起きたとみる。

 糸魚川市と新潟県はそれぞれ災害対策本部を設置。新潟県の米山隆一知事は自衛隊に災害派遣を要請し、陸上自衛隊高田駐屯地(同県上越市)から部隊が出動した。消防は、県内ほぼ全域の消防本部と、富山県の新川地域消防本部から出動した。


当日の未明に上越市で仕事をしていたけど、その時から生暖かい強い風が吹いていたから、これがフェーン現象なんだろうかねぇ。