民進党の岡田克也代表が進めてきた共産党との共闘路線の継続か見直しか−。その行方を占うのが、衆院福岡6区と東京10区の両補欠選挙(10月23日投開票)の対応となる。民進党代表選に立候補した蓮舫代表代行、前原誠司元外相、玉木雄一郎国対副委員長の3候補は4日、福岡6区の中心都市・久留米市で街頭演説などを行った。代表選の勢いを議席奪取につなげたい考えだが、共闘路線をめぐる温度差がみられた。

 「新代表は(補選に)勝つための全ての知恵を総動員すべきだ」

 蓮舫氏は久留米市で開かれた共同記者会見で、補選での民共共闘について、こう強調した。「民進党が選挙の争点の軸を一番早く掲げ、各野党がどう判断するかは口を出さない」とも述べ、共産党が自主的に民進党候補を支援することは拒まない考えを示唆した。

 玉木氏も「より大きな敵に向かっていく際、一致点をできるだけ見つけていくことも大切だ」と述べ、歩調を合わせた。

 一方、消極的なのが前原氏だ。会見で「野党共闘ありきという岡田路線はリセットすべきだ」と持論を述べた上で、「われわれの理念、政策に共鳴していただけるかが判断基準だ」と強調した。前原氏は4日のNHK番組でも、天皇制や自衛隊など4項目で基本理念が一致しない限りは共闘を控える考えを示した。

 福岡県は衆院全11選挙区で自民党が議席を独占している保守王国。特に6区は平成26年の前回衆院選で、旧民主党が死去した鳩山邦夫元総務相への対抗馬すら立てられなかった地域だ。

 ただ、補選では、鳩山氏の次男で福岡県大川市長の二郎氏と、自民党の蔵内勇夫福岡県連会長の長男、謙氏の2人が自民党に公認を申請し、保守系が分裂。民進党は在チェンナイ日本総領事館元職員の新井富美子氏を公認し、保守分裂の間隙を突こうとしている。

 そのため、共産党の組織票に期待する向きもある。共産党は党筑後地区委員長の小林解子氏を公認しているが、小池晃書記局長は8月29日の記者会見で「ぜひ野党協力という形で取り組みたい」と述べ、候補取り下げも示唆している。

 蓮舫氏ら3候補は4日、東京10区補選の公認候補、鈴木庸介氏の事務所開きにもそろい踏みし、新代表の初陣となる2つの衆院補選の必勝を誓った。新代表が補選でどう対応するのか注目される。

(清宮真一)


本当に政権を目指すなら、前原氏の考えがいちばん現実的だと思うんだけどなぁ。