うなぎのねどこ

鰻の寝床で日々オーディオと格闘の記録です。

時間よ止まれ

2016-07-07 19:28:03 | オーディオ
2泊3日の1人旅に出た。
いくつかあった目的のうち1日目のハイライトは、7月4日のハーディング/新日本フィルのマーラー8番の演奏会だった。
旅の目的地としての東京は当初どうでも良かったが、通過地点に選ばざるを得ず、ならばついでに”中古CDショップ巡りとコンサートもオプションで付けちゃえ”と思い、コンサート情報を漁っていたらこのコンサートが目に入った。
「これは祭りだ!!」
と思い、ギリギリのタイミングでチケット入手。日程に合わせ出立となった。
そう、めったやたらに催されない祭りである。もちろん会場は満員御礼(空席はほぼなし)で、チケット引き換えにいた事務局のおねいさんも「こんなことめったにないので慣れてなくてごめんなさい」と手際の悪さを謝っていた。それぐらい普段は客が少ないのか?
大枚はたいて買った(というかそれしか残ってなかった)S席は¥12000と鼻血の出そうな金額だったが、場所は最悪。舞台上手の前5列目37番と横壁間近、いやマジか?心配だなあ、、、
お上りさん恒例の写真撮影を館内でしていたら、ドア係のおねいさんから声が掛かる。しまった。いわく、
「お客様、申し訳ございませんがホール内は撮影禁止となっておりますのでご遠慮下さい(=ゴルァ、てめチケ取り上げて出禁にすっぞ、はよ止めんかい)」とのことで、ああそうだったと我を取り戻す(汗)
で、肝心の演奏。マエストロは相変わらずの新幹線演奏?だったが弦だけで歌うところは自分もうなり声あげてオケドライブ。棒は見やすいが、響きが多いホールはまとめるのが大変だ。
曲から連想される圧迫感は皆無で、すべてにおいていい意味で軽みのある演奏。
合唱(栗友会)はよく訓練された、今までの合唱の概念を覆す名演奏!!
楽譜指定と思うが、座って歌うところもあった。へー。
ところで、チケ代高騰の犯人、ソリストたちだが、これも素晴らしかった!!まあ、有名どころが多かったし、当然か。一番関心したのはシェンヤンという中国人のバスのソリスト(瞑想する神父/2部の初めの方)で、声楽会のランランか?
さて、肝心のオケはグダグダだが感動的という二律背反な状態。まあトラもおおかったしねえ。
演奏が進むにつれ、「ああ、もう終わっちゃう。時間がこのままとまらないかなあ。」途中何度か涙も溢れ、いやこんないい演奏会何年ぶりだったろうか。
マエストロはコーダのテンポが超特急で、えええ、だったがこれはよく考えたら冒頭主題が回帰してくるのでそれと会わせたのだろう。目からウロコであった。
着席した側にはピアノが配置されており、これが意外な効果をあげていた。へー。

残念なことに、フライングブラボーがあり、がっかり。

余談だが、サプライズなことにマエストロ自身から、パートナーオブミュージックとして最後の仕事であったこと、初回はあの3,11の日で100人しかお客さんが居なかった(この演奏会は当時話題になった)や、五年間で通算60回ほどの演奏会に携われたことを感謝の言葉とともに述べ、そして、
やおらiPhoneを取り出し、マエストロ自身とオケに向けて自撮りをした。このユーモアに会場は大爆笑!!!

オケが去った後にも鳴り止まぬ拍手にマエストロは呼び出され、残った観客はフルスタンディングオベーションと叫んでもよしのブラボーの嵐である。

いい夢みたぜ、あばよ、、、