くろさん亭、おかわり

暑い日は読書三昧~夏川草介「臨床の砦」

連休前に図書館から予約本が届いたというメール。

喜んで受け取りに行きました。

それが、この本。


夏川草介著「臨床の砦」。

夏川草介さんは、「神様のカルテ」シリーズから私、愛読しています。

作家であり、現役のお医者さん。

それも、コロナ治療の最前線に立ち続けているお医者さんです。

その方が描く新型コロナ医療の小説、いえドキュメント小説。

毎日の苦闘がそのまま反映されているのでしょう。

ニュースで聞いて、なんとなくわかった気分になっていた医療崩壊。

読み進めるうちに、苦しくなるような気持にもなりました。

あまりに自分が知ろうとしていなかったことに気づいて・・。

例えば、病床使用率。

病床使用率が「50%」といえば、「まだベッドが半分も残っている状態」

と私は思っていました。

でも使用率が示される「感染症病床」は、感染症の「専用病床」ではなく、

基本的には、一般診療で使う病床のいくつかを、感染症病床として

各医療機関が標榜しているだけだ、と、この本で知りました。

つまりは、患者を受け入れられる感染症病床が、常に確保されているわけ

ではないし、ベッドが空いているわけではない、

ということなのです。

この作品にスーパードクターは出てきません。

全員が悩み、苦しみながらも、奮闘していきます。

読み終えて、基本に戻った感染症対策をしっかりしよう、と

改めて思うのでした。

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