2/22の京王ダイヤ改正、ライナー関連以外の概要は以下の通り。
●平日
★朝に、準特急6本増発する。(京王八王子発2本、橋本発2本、多摩センター発2本)新宿に8時50分以降に到着する準特急については、京王八王子~新宿間で3分、橋本~新宿間で7分の時間短縮を図る。
★京王多摩センター発6時01分のの始発急行本八幡行(都営線内は各駅停車)を増発する。
★夕方~夜の特急25本を準特急に変更して、笹塚で都営新宿線からの列車に接続するとともに、千歳烏山や仙川への利便性を向上させる。
★夕方~夜の都営線からの八幡山乗り入れを取りやめる。
★23時台に、本八幡発橋本行3本を増発する。(新線新宿発2300の区間急行、2327の快速、2351の区間急行)
●平日・土休日共通
★高尾線最終に接続する特急京王八王子行を000から008に繰り下げ、最終特急京王八王子行についても033から034に繰り下げる。
★吉祥寺発020の明大前行を新設し、最終特急京王八王子行と各駅停車新線新宿行に接続させる。
★都営新宿線の8両編成の列車を一部10両編成にする。その結果、10両で運転する列車が、平日は336本から366本に、土休日は309本から332本に増える。
★途中で種別が変更となる列車の駅での行先案内表示を、種別が変わる駅から最終の行先に変更する。
★相模原線の加算運賃の値下げを行ない、8キロまでは10円、9キロ以上は20円下げる。定期券についても値下げを行ない、1カ月の通勤定期では、8キロまでは380円、9キロ以上で750円下げる。
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今回の京王のダイヤ改正では、ライナー列車だけでなく、平日朝時間帯に準特急を設定したり、夕方の特急の半数を準特急に変更することで小田急に対抗することとなった。
平日朝は、新宿着728(橋)、735(八)、744(多)、850(橋)、857(八)、904(多)を設定することに。744発から850発までは66分開けて、ラッシュのピーク時を外している。改正前と改正後のピーク時前後の明大前発時刻表を比較してみる。

まず、ピーク時前。急行のうち2本は準特急に格上げして、つつじヶ丘、桜上水は通過となる。721の桜上水発各停は廃止となり、720の橋本発準特急が設定される。また、つつじヶ丘発2本は区間廃止され桜上水発になる。このことで調布→桜上水では8分サイクルに準特、区急、各停が走ることになる。つつじヶ丘は始発と急行が1本ずつ削減される踏んだり蹴ったり状態だ。また、つつじヶ丘での急行との緩急結合も準特急の通過追い抜きになっている。これについては、各停の区間廃止による区急の速達化でフォローしている感じなんだけど。都営直通は、改正前が、若葉台発区急、つつじヶ丘発各停、橋本発急行が1本ずつの3本に対し、改正後は橋本発区急、八王子発各停が2本ずつの4本になる。八王子発の都営直通は、かってあった岩本町行を彷彿させるが、この時のような車両交換は行わない。都営地下鉄の路線図では、乗り入れ先にシールで対応することになるのだろうか。
次にピーク時後、こちらについても急行3本を準特急に格上げさせる。そして余裕があるためか、明大前発852の高尾山口からの快速を新設して、準特急の通過するつつじヶ丘、桜上水のフォローをすることになった。この快速は2本前の急行につつじヶ丘で追い抜かれている。各停も追い抜かないし、昔の阪神の準急のようなものだ。
相模原線からの準特急は、調布から遅くなるものの多摩センターから調布までは14分で走行、区間急行と比べ3分短縮させる。多摩センター発で新宿までの所要時間を比較すると、649の京王は39分、655の始発小田急は42分、702の始発京王も42分、708の始発小田急は40分だ。だが、それ以降は小田急側が新宿まで40分の通勤急行を10分毎に走るのに対し、新線新宿まで50分前後かかる(区間)急行が不規則に走る。目的地が都営新宿線沿線や初台に近かったりすれば、時間がかかっても京王の方が優位なのだけどね。809の京王は41分、810の始発小田急は40分、826の始発京王は38分、833の小田急は41分だ。
早朝時間帯には、京王多摩センター発601の始発の急行本八幡行を設定、同時刻に多摩センターを発車する小田急の急行より数分早く新宿に到着する。増発する時間帯の現行ダイヤの多摩センター発を見ると548の区急新宿行、558の区急本八幡行、607の区急本八幡行が設定されている。新設の急行本八幡行は、笹塚で新宿行に接続するところを含めて、558の区急本八幡行を踏襲しているから3分の時間短縮ということになる。548から607まで穴が開くから調布着各停610を八王子発から橋本発に変更、八王子発が間引かれた後は4分後の高幡不動発を八王子発に変更してフォローしている。
新宿発1732からは、準特急橋本行が特急となるので、準特急として残るのは八王子行のみとなる。準特急八王子行は桜上水で各停を抜くので、千歳烏山での待ち時間は5分になる。仙川、つつじヶ丘までの利用者は、最初から新宿を3分前に発車する各停を利用するか、さらに3分前の特急と区急を乗り継ぐのではないかと思う。
八幡山行は、明大前で新宿発10、30、50の特急に接続して、笹塚での非接続のフォローをしていたが、それら特急の準特急化でその必要がなくなった。橋本行は特急が残るけど、都営からは急行があるから、フォローの必要ないし。各停橋本行の続行で桜上水での緩急結合もないから、都営からの特急接続以外はあまり需要はなかったのだな。折り返す時に電留線に入出庫するために本線と干渉することになるし。あと八幡山というのが本八幡と紛らわしいという考え方もあるな。
京王ライナー設定時間帯の20時台以降は、特急八王子行のほとんどが準特急も格下げ、22時台まで20分毎、22時台以降は12分毎だった特急八王子行は新宿発2018、2118、2220、2233、2319、008、034だけになる。2233以外は現行と同じくすぐに橋本行に接続、2018、2118発については調布始発の急行を設定してまで接続を良くしている。特急の準特急化は、笹塚での都営線からの接続だけでなく、千歳烏山への停車列車を増やすことで、小田急準急が停車するようになる千歳船橋、祖師ヶ谷大蔵に対抗するのが狙いではないかと。千歳烏山と祖師ヶ谷大蔵は3キロ離れているけど、自転車を使うと10数分ぐらいだし。橋本行を特急で残したのは対多摩NTでの小田急の競合があるためだ。
夕方の八幡山乗り入れ8本が廃止になる代わりに、23時台に都営線からの橋本への直通を設定する。現行の新宿発2302、2326、2350の区間急行3本を、新線新宿発にして都営線から直通させることになる。でも、2327の快速、2351の区間急行は、調布まで30分と、今の区間急行に比べて9分ぐらい余計にかかる。2327の快速は、笹塚で最速ライナーと準特急を先行させるために6分停車させる。2351発の区間急行は、笹塚で準特急を先行させるために2分停車、桜上水でライナー待避のために3分停車する。新宿からだと、区間急行停車駅が不便になるが、千歳烏山、仙川、つつじヶ丘は準特急化でフォローするということだろう。
夜間時間帯は000丁度の京王ライナーを設定するため、現行000の特急を8分繰り下げる。それに伴い接続する高尾線も時刻を繰り下げることになる。京王八王子駅からの西東京バスもそれに合わせて時刻を繰り下げるのだろう。
井の頭線は、吉祥寺発020の明大前行を設定することで、吉祥寺~永福町間から京王本線方面及び、吉祥寺から高井戸~明大前間の最終を7分繰り下げる。京王だと7分の繰り下げだが、それに接続するJRの吉祥寺着だと001着から017着への16分繰り下げとなる。明大前着は035、新宿行と最終特急には5分で接続する。明大前で終着となった列車は、客を降ろした後、永福町寄りで転線して、富士見ヶ丘まで回送すると思われる。このまま渋谷まで回送して、営業列車として折り返しても、週末は需要あると思うのだけどね。
ダイヤ改正と同じタイミングで、相模原線の運賃値下げ。新宿~京王多摩センター間で、運賃339円、1カ月定期12,680円だったのが、運賃319円、1カ月定期11,930円となる。一方、小田急の新宿~小田急多摩センター間は、運賃370円、1カ月定期12,940、現状ではあまり差がない定期代も、今回の値下げにより月1,010円の差になる。距離は1.4キロしか変わらないのにね。