原作は全世界で愛読されるロアルド・ダール著の児童書「チョコレート工場の秘密」(64年刊)。近年、バートンは原作ものの映画化が続いている。同書は“Willy Wonka & the Chocolate Factory”(ビデオ邦題:夢のチョコレート工場)というタイトルで、1971年に映画化されており、バートンにとっては、『PLANET OF THE APES/猿の惑星』に続くリメイク作品でもある。ただし「猿」がオリジナルへの新解釈を披露したのに対して、「チョコ」はあくまで原作に忠実であろうとした点が、大きな魅力になっている。
素晴らしいのは、見事に再現された摩訶不思議なチョコレート工場だ。国際空港をまるごと再現してしまった『ターミナル』が高く評価された美術監督アレックス・マグダウェルによる、壮大な実物セットは、そのほとんどが360度で作られ、俳優たちの自然な演技を引き出した。また、原作の人気シーンでありながら、71年版では実現できなかった「くるみを上手に割るリス」が、ついに映像化された。
バートンとは4度目のタッグとなるジョニー・デップが、5人の子どもたちを大冒険に誘う工場主ウィリー・ウォンカを嬉々として怪演。とことんエキセントリックな役作りは、あのマイケル・ジャクソンをモデルにした……という噂も飛びかったが、果たして? 原作にはない脚色として、ウィリー・ウォンカの少年時代を通して、前作『ビッグ・フィッシュ』と同様、父子の確執と和解が描かれる。この展開は、少々おまけっぽくも感じるが、チョコレート工場主の父親が、歯科医だった(しかも演じるは、クリストファー・リー!)という強烈なアイロニーが、ピリリと辛いスパイスになっている。ディープ・ロイ演じるウンパ・ルンパがキモ可愛い、華麗でシュールなミュージカル・パートも最高! 作・歌唱はもちろん、ダニー・エルフマン。この毒気は、子どもたちにはちょっと強すぎるかも?
2003年に愛息が生まれたバートンにとって、初めて“パパ目線”で作った今作は、まさに父から息子へのプレゼントである。だからこそ、これほど完璧なファンタジーの傑作となったのだ。素晴らしすぎる。
素晴らしいのは、見事に再現された摩訶不思議なチョコレート工場だ。国際空港をまるごと再現してしまった『ターミナル』が高く評価された美術監督アレックス・マグダウェルによる、壮大な実物セットは、そのほとんどが360度で作られ、俳優たちの自然な演技を引き出した。また、原作の人気シーンでありながら、71年版では実現できなかった「くるみを上手に割るリス」が、ついに映像化された。
バートンとは4度目のタッグとなるジョニー・デップが、5人の子どもたちを大冒険に誘う工場主ウィリー・ウォンカを嬉々として怪演。とことんエキセントリックな役作りは、あのマイケル・ジャクソンをモデルにした……という噂も飛びかったが、果たして? 原作にはない脚色として、ウィリー・ウォンカの少年時代を通して、前作『ビッグ・フィッシュ』と同様、父子の確執と和解が描かれる。この展開は、少々おまけっぽくも感じるが、チョコレート工場主の父親が、歯科医だった(しかも演じるは、クリストファー・リー!)という強烈なアイロニーが、ピリリと辛いスパイスになっている。ディープ・ロイ演じるウンパ・ルンパがキモ可愛い、華麗でシュールなミュージカル・パートも最高! 作・歌唱はもちろん、ダニー・エルフマン。この毒気は、子どもたちにはちょっと強すぎるかも?
2003年に愛息が生まれたバートンにとって、初めて“パパ目線”で作った今作は、まさに父から息子へのプレゼントである。だからこそ、これほど完璧なファンタジーの傑作となったのだ。素晴らしすぎる。
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