ティム・バートン作品、最大の魅力は、なんと言っても、力強く幻想的な映像美だ。ここではない、どこか。バートンが作る世界観は、視覚を刺激するだけでなく、言葉に出来ない“ワクワク感”を可視化し、「こんな世界があればいいな」という観客の願いをも見事に叶えてくれる。何より、バートン本人が楽しんでいる。子供の頃から、絵が大好きで、ディズニーのアニメーターとして業界入りした彼にとっては、「無機質なものに命を吹き込むこと」こそが、至上の喜びなのだ。ここではバートン美学の特徴を二つ挙げる。一つ目は「手作り感覚」。CG全盛の時代にあって、バートンは人の温もりを感じさせる美術セットや特殊メイク、ストップモーション・アニメなどを多用し、平面的なCGでは決して描けない、現実的な“重み”を表現する。現実離れしたバートン世界に、圧倒的なリアリティが宿るのは、そのせいだ。
現実的、つまり立体的に表現される映像世界において、最も重要なのが二つ目の特徴である「デザイン力」。元来、絵描きであるバートンの想像力から生まれる、奇妙だが愛すべきデザインの数々は、どこの誰とも似ていない、“バートンらしい”ものばかりだ。いざ、映像化するとなれば、気心の知れた優秀なスタッフ(例えば、長年の付き合いであるR・ヘインリックス)が、非の打ちどころがない仕事をしてくれる。そんな想像×創造の有機的なコンビネーションこそ、バートン世界の魔法である。
うずまき、白黒チェックの床、ねじれた大木など、おなじみのアイテムが登場する点も、ファンには楽しみな特徴だ。
現実的、つまり立体的に表現される映像世界において、最も重要なのが二つ目の特徴である「デザイン力」。元来、絵描きであるバートンの想像力から生まれる、奇妙だが愛すべきデザインの数々は、どこの誰とも似ていない、“バートンらしい”ものばかりだ。いざ、映像化するとなれば、気心の知れた優秀なスタッフ(例えば、長年の付き合いであるR・ヘインリックス)が、非の打ちどころがない仕事をしてくれる。そんな想像×創造の有機的なコンビネーションこそ、バートン世界の魔法である。
うずまき、白黒チェックの床、ねじれた大木など、おなじみのアイテムが登場する点も、ファンには楽しみな特徴だ。