原作は19世紀の作家ワシントン・アーヴィングによる古典ホラー「スリーピー・ホローの伝説」。18世紀末、郊外の村スリーピー・ホロウで起こった連続“首なし”殺人事件。その真相に迫るミステリーは、『セブン』の脚本家アンドリュー・ケヴィン・ウォーカーの脚色によって、容赦なく生首が飛び交う、かなり血生臭い内容になっている。主演はバートン作品、三度目の登板となるジョニー・デップ。魔術や迷信が信じられる時代にあって、客観的な事実を重んじる科学捜査官イカボットを演じている。一見、凛々しいが、かなりのビビリ性である上、トラウマに苦しむなど、ユニークな二面性が垣間見えるヒーロー像が、バートン作品ならでは。
ゴシック美学の極みといえる映像世界が圧巻だ。どこか色褪せ、死臭さえ漂う村の情景に始まり、邪気に満ちた深森、妖術めいた生死の境界と、物語の舞台は暗~く、深~く広がっていく。美術が見どころのバートン作品群でも、一、二を争う完成度。セットデザイン、衣装はもちろん、撮影、照明も素晴らしい。『吸血鬼ドラキュラ』を彷彿とさせるオープニングから、クリストファー・リーの登場など、ホラー映画(ハマー・フィルム)へのオマージュも満載。クライマックスの風車大爆発は言わずもがな、か。趣味全開という点は、前作『マーズ・アタック!』に通じるが、謎解きミステリーとして見せきる演出手腕が光る。マニア受け/一般受けを両立させるバランス感覚が発揮された大傑作である。
注目すべきは、ヒロイン像。『シザーハンズ』のウィノナ・ライダー同様、クリスティーナ・リッチの黒髪が見事なブロンドに染め上げられた。また、(元)恋人リサ・マリーが、主人公の母親役で登場。バートンにとって、まさに理想の女性像なのだろう。
ゴシック美学の極みといえる映像世界が圧巻だ。どこか色褪せ、死臭さえ漂う村の情景に始まり、邪気に満ちた深森、妖術めいた生死の境界と、物語の舞台は暗~く、深~く広がっていく。美術が見どころのバートン作品群でも、一、二を争う完成度。セットデザイン、衣装はもちろん、撮影、照明も素晴らしい。『吸血鬼ドラキュラ』を彷彿とさせるオープニングから、クリストファー・リーの登場など、ホラー映画(ハマー・フィルム)へのオマージュも満載。クライマックスの風車大爆発は言わずもがな、か。趣味全開という点は、前作『マーズ・アタック!』に通じるが、謎解きミステリーとして見せきる演出手腕が光る。マニア受け/一般受けを両立させるバランス感覚が発揮された大傑作である。
注目すべきは、ヒロイン像。『シザーハンズ』のウィノナ・ライダー同様、クリスティーナ・リッチの黒髪が見事なブロンドに染め上げられた。また、(元)恋人リサ・マリーが、主人公の母親役で登場。バートンにとって、まさに理想の女性像なのだろう。