1998年に出版されたダニエル・ウォレス著のベストセラーを映画化。当初はスピルバーグが監督候補に挙がっていた。“ほら吹き、ほら話”を意味するタイトルは、主人公エドワード・ブルームの虚実入り交じる破天荒な人生を象徴する。ストーリーの軸となるのは、父子の確執。死期が近づく父親エドワードの人生に隠された“真実”を、現実主義の息子ウィルが見つけようとするのだ。バートン色あふれるファンタスティックな映像美(父親の視点)と、これまでにないシビアな現実描写(息子の視線)が巧みに交錯しながら、微妙に、しかし確実に近づいていく父子の関係性を、ロマンチックに描いている。バートンの新境地というべき、感動的な人間ドラマ。どこか素朴な暖かさを感じさせるのも新鮮だ。
同時に、効果的なキャスティングによって、「人間の二面性」という変わらぬテーマを追求している。E・マクレガーが若年期、A・フィニーが老年期のエドワードを演じるが、これは単なる時間経過の描写ではなく、一人の人間が持ちえる二面性を体現しているのだ(A・ローマン、J・ラングによる妻サンドラも然り)。また、常に姿かたちを変える“水”がモチーフになっており、やはり実体のつかみきれない人間の内面を見事に暗示している。
それにしても、今作には、忘れがたい瞬間(シーン)が数え切れないほどある。特に、空想と現実が融解する、つまり父親と息子が和解するクライマックスは何度観ても、高揚してしまう。間違いなく「第二期集大成」と呼ぶにふさわしい傑作である。ちなみに、バートンは、今作撮影前に、実父を亡くし、完成後に、愛息が誕生している。映画そのままなのだ。
『シザーハンズ』『エド・ウッド』に続く“エドワード三部作”の最終章という解釈も可能かな?
同時に、効果的なキャスティングによって、「人間の二面性」という変わらぬテーマを追求している。E・マクレガーが若年期、A・フィニーが老年期のエドワードを演じるが、これは単なる時間経過の描写ではなく、一人の人間が持ちえる二面性を体現しているのだ(A・ローマン、J・ラングによる妻サンドラも然り)。また、常に姿かたちを変える“水”がモチーフになっており、やはり実体のつかみきれない人間の内面を見事に暗示している。
それにしても、今作には、忘れがたい瞬間(シーン)が数え切れないほどある。特に、空想と現実が融解する、つまり父親と息子が和解するクライマックスは何度観ても、高揚してしまう。間違いなく「第二期集大成」と呼ぶにふさわしい傑作である。ちなみに、バートンは、今作撮影前に、実父を亡くし、完成後に、愛息が誕生している。映画そのままなのだ。
『シザーハンズ』『エド・ウッド』に続く“エドワード三部作”の最終章という解釈も可能かな?