『エド・ウッド』で第一期集大成を迎えたバートンのもとに、脚本家ジョナサン・ジェムズが持ち込んだトレーディング・カード「マーズ・アタック!」に着想を得た作品。“カードの映画化”という前代未聞のプロジェクトに、過去最大級の7000万ドルが費やされたが、興収は4000万ドル弱と振るわず、批評家も前作とのギャップからか、厳しい反応を示した。が、彼のキャリアにおいて、一種の分岐点といえる作品であることは間違いない。その証拠が、タイトルである。これまでの作品(テレビは除く)が、すべて主人公の名前をタイトルに冠して、誤解と阻害に苦しむ一個人の苦悩を見つめてきたのとは対照的に、火星人襲来という一大イベントそのものにスポットを当て、それに翻弄される人間たちの姿を、断片的に面白おかしく描いているのだ。主人公不在であると同時に、バートンの趣味嗜好が全面に押し出されている。
そんな一大イベントに花を添えるのが、過剰とも思える豪華なハリウッドスター軍団だ。ジャック・ニコルソンが一人二役演じるあたりは、二つの顔を持つジョーカー(『バッドマン』)のセルフ・パロディだったりするが、それ以上の意味はない……が、そんな無意味さこそ、今作の大きな魅力である。個人的には『ピーウィーの大冒険』、『ビートルジュース』あたりのドンチャン騒ぎが見事に復活していて嬉しい限りだ(焼かれた牛の群れが疾走するオープニングが最高!)。やりたい放題の火星人たちは、最新CGを駆使しながら、動きや質感にノスタルジーを感じさせるし、唯一人間(リサ・マリー)が演じた火星ガールも素晴らしい。マッチョな軍人や米大統領があっさり死に、ひ弱な青年や痴呆症の老婆が活躍する点は、いかにもバートン。
●個人的には、一番大好きですっ!!
そんな一大イベントに花を添えるのが、過剰とも思える豪華なハリウッドスター軍団だ。ジャック・ニコルソンが一人二役演じるあたりは、二つの顔を持つジョーカー(『バッドマン』)のセルフ・パロディだったりするが、それ以上の意味はない……が、そんな無意味さこそ、今作の大きな魅力である。個人的には『ピーウィーの大冒険』、『ビートルジュース』あたりのドンチャン騒ぎが見事に復活していて嬉しい限りだ(焼かれた牛の群れが疾走するオープニングが最高!)。やりたい放題の火星人たちは、最新CGを駆使しながら、動きや質感にノスタルジーを感じさせるし、唯一人間(リサ・マリー)が演じた火星ガールも素晴らしい。マッチョな軍人や米大統領があっさり死に、ひ弱な青年や痴呆症の老婆が活躍する点は、いかにもバートン。
●個人的には、一番大好きですっ!!